1970年半ば、日野コンテッサでの公認レース出場を断念した友人から長い時間の説得の結果、譲り受けた部品の一部のクランクシャフトです。当のご本人は諦めた際にコンテッサを八つ裂きにしました。部品もバラバラにして、そのいくつかが雨ざらしに近い状態になっていました。非常に残念なことですが、最後の処分の仕方としてそれもありと理解出来るものです。
最初は全部捨てると強い意志でしたが、数ヶ月、説得の上、まだ使えそうな貴重な部品をいただきました。しかし、最重要なクランクはその時点ですでにサビが発生していました。その後、油漬けにして外気を触れないようにして今日まで場所を変えながら大切に保存していました。結果的にサビは増大してません。
そのサビをなるべく最適な方法で除去しようと進め始めました。米国の航空機エンジンのレストアなどのプロセス (すべて個人のプロジェクト) をチェックすると自分としても納得できるものがありました。それを試すべく始めたのが画像の方法です。これが清水寺から飛び降りるような大胆な方法です!
表面をサンドペーパーやブラストなどで削ることなくまずは付いているサビだけを化学的に取ろうというものです。いくつかの文献に共通的にある48時間の処理後、取り出し、水洗いをして、ゴミを取り、すぐに乾かし、油を入れると、そしてサビの状態をチェックし、次のプロセスをどうするか判断することになります。楽しみです!