2020年度のビ筑のレギュレーションによると、タイヤハンディに今までのSタイヤやハイグリップラジアルの加算 (秒数をプラス) に加えて減算が加わりました。それは0.5秒と小さな値であるもの参加者として歓迎するものです。しかし、それはトレードオフであり、正にたかが、されどの世界です。
この恩恵の受けるの一般には聞き慣れない "UTQG" の “トレッドウェア” の値が280以上のタイヤが対象になるそうです。ビ筑ではその表示がタイヤに明確に刻印されていることが条件だそうです。
UTQGはアメリカ合衆国運輸省で定められた"Uniform Tire Quality Grading"、訳すと "統一タイヤ品質基準値" 、要は消費者がタイヤを選択する際の目安となる共通データをタイヤメーカーが提供するものです。それは摩耗性を表すトレッドウェア、ブレーキのトラクション (AA、A、B、C) 、そして高速の熱の性能の温度 (A、B、C) 、これらの実際のテスト走行 (7200マイル) に基づく評価値だそうです。
ここで問題のトレッドウェアは、具体的には100のタイヤに比べて200のタイヤは2倍摩耗しない、すなわち硬いというとです。米国の販売店のデータを見ると500とか600は当たり前のようです。やはり毎日がクルマの国で減りについてはシビアなようです。400もあればかなりグリップ指向のタイヤにも見えてきます。
トレッドウェアの値が小さいからと言って走りでのグリップがいいのかというとそうでもないようでタイヤ全体の構造が大きく影響するようです。それはタイヤメーカーの目的に応じた味付け、つまりタイヤ全体の設計なのです。しかし、値が小さければそれだけ柔らかい (溶けやすい?粘っこい?) ので粘着力はあるのは明白です。でも横剛性がなければドラッグレースのタイヤのように単にまっすぐ走るだけの性能かも知れません。
今回のUTQGのトレッドウェアの280以上の対応については、すでに多くのジムカーナ で取り入れられていることがネットでチェックすると判明しました。このトレンドに沿って、ビ筑も適用となったようです。
さてビ筑に参戦している本当に旧いクルマにとってタイヤの選択は至難の技です。市場でそれなりのタイヤは最低でも15インチ以上、あるいは16インチ以上が当たり前です。それも旧いクルマの足に酷な幅が広いものばかりです。
60年代のクルマは多くが145とか155あたり、しかも12インチ、13インチ、まれに14インチが常識でした。今ではそのようなサイズで高性能タイヤは存在しません。
そこで旧いクルマに使えそうなタイヤのトレッドウェアの値をリサーチしてみました。条件は13/14インチ、185が最大幅、扁平率は最大で60あたりになります。以下のようです:
表の頭のミシュランは自分で使用中なのでタイヤの刻印で直ぐに判りました。しかし、多くのタイヤは公表値がないので、メーカーに質問してみました。グッドイヤーとブリジストンは国内向け販売は表記義務なしとの返事でした。グッドイヤーに至っては正直にもテストはしてないとのことでした。それに反して、ナンカン、ヨコハマ、トーヨーは回答をいただきました。ただ、それらは表のようですがタイヤに刻印されているかは聞きませんでした。
これらのデータから見て面白いことがわかります:
- 280以上の0.5秒のハンディをもらうなら、300の数値で今では旧くなった (?) KAISER KR20や最近発売のBluEarth-GT AE51があるのだと、横剛性を目指した新しいAE51も試す価値がありそう。
- ミシュランの省エネタイヤ、Energy Saverも なりものいりのADVAN HF Type Dも同じ400、ミシュランが硬いと思ったらそうでもなさそう、なるほど一度、浅間台で走ったら結構削れるタイヤだった!ADVAN HF Type D、よく考えた設計と、なぜならトレッドパターンはグリップしそうに見えるが実は400、旧いクルマには優しそうに思える設計なのかも。使ってみたい、しかし価格が大問題、KAISER KR20が数倍のコストなのだ!
- 凄い!、ナンカンのAR-1、80!それでもってスリックみたいなデザイン、これはレーシングタイヤ?これもあり?いやこんなのを履いたら旧いクルマはどうなのでしょう?この辺の数値 (80〜120) のタイヤたちは次元が違いすぎで論外!言葉を代えれば同じ土俵では走れないということでしょう。
以上のようです。
最後に、自分はどうしたいのか?です。
実はBRIDGESTONE Playz PXⅡの数値を期待したのですがダメなようです。このタイヤは横剛性を高めたものでパターンも良いし、今回のタイヤハンディに関わらず次のタイヤの候補に入れてました。表に入れた155/80R13が魅力で、これならタイヤ以上に非力なコンテッサのパワーが勝り少しコントロールが面白くなると思ったからです。またホイールとの組み合わせで4本合計で15 kig以上もの重量軽減が可能なことも大いなる魅力です。
類似市場を狙っと思われるAE51が300なのでひょっとしたらPlayz PXⅡも似たような数字かもと推測します。ブリジストンも保守的にならないで世界のトップメーカーとして日本の諸費者への啓蒙でぜひUTQGを公表&刻印してもらいたいものです。
旧車には優しいトレッドウェア 280以上、トレードオフ、ハンディ0.5秒のたかが、されどの話です。今後も旧車を長く楽しむためにも興味をもって考えたいと思います。
以下にここで取り上げたタイヤのイメージを載せておきます (トレッドウェア 順) 。