この時期にパシフィコ横浜で開催される自動車技術会(所謂、JSAE、米国のグローバルのSAEに相当と理解)のコンベンションの展示会を今年も見学をして参りました。何時も新しい先進テクノロジー、また日本を中心としてOEM各社の生の展示物に接して進化を見るのが楽しみになっております。
今年の会場は例年のような先進的なテクノロジーから今すぐ使えるソリューションに変化したと見ました。理由は明らかであり、この景気後退の世の中でどこの企業も大分先に結果が出る投資は避けており、投資に対してすぐ結果が出る、すなわち利益に結びつくものに変化している昨今の状況によるものです。
さて昨年、会場で興味深くお話させていただいた英国のCPT社(Controlled Power Technologies Limited)のCEO(最高経営責任者)と今年も会話をすることが出来ました。CPT社はエレクトリック・スーパーチャジャーを開発・商品化を目指している新興企業です。ウォーターポンプ(例として、Davies Craig社:オーストラリア)など同様、この領域も電気・電子化が進んでいます。非常に小さな排気量でもスーパーチャージャー化が容易になりました。ボク個人で考えるにはクルマ一台の全体のシステムの一部として統合されたコンピュータ制御が出来ることに大きなメリットがあると思います。
昨年のお話ですと、日本では軽自動車メーカー2社がこのCPT社のエレクトリック・スーパーチャジャーを利用するR&D(研究開発)をしているとお聞きしました。その進展状況に興味があり、確認したところ、昨年の自動車産業全体の販売不振に伴い、それらメーカーのR&Dは一変して白紙に戻ったとのことです。今は何も動いてないと残念な状況です。
しかし、世界的には多くの応用研究が進められてるようで、地球環境の向上に貢献すべく将来が楽しみです。
実は昨年、お話をしたのはこれを個人で購入出来るかとお聞きした訳です。理由はコンテッサなど旧車に簡単に装着し、制御が簡単(コンピュータで)ですので色々とアイデアが浮かぶのです。ただ現状モデルですと、フルブースト(数秒)でおよそ200アンペアを消費するとのことでコンテッサのスタータモータ(250アンペア)並みであり、これを頭に入れておくことがまず先決です。いずれにせよ、まだ個人で購入出来ないとの事です。因みに1966年当時、一世風靡したVWなどのスップアップで有名になったスーパーチャージャーが日本にも輸入され、コンテッサにも装着されていました。
(SE Original:2009..5.22)
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