ショック・アブソーバ - 実践編 その2


 今さら日野コンテッサ1300の適切なショック・アブソーバのデータなんて何処にありません。他人に求めてもまとまな回答あるいは適切な情報は絶望です。と、思っていてはコンテッサ1300の未来はありません。そこで “誰でも何時でも何処でも適切な価格” で購入可能で満足なショックを探したいと思うものです。まずは原理・原則、すなわち目的と構造を理解し、そしてその機能を理解し、最終的にコンテツのベストなショックは何かを「フォーム・フィット・ファンクション」の精神で求める方法をまとめてみましょう。尚、ここでの議論は、自分として経験をもって語れるKONI (コニ) を前提としたものであります。

目的・構造を考える

 これは基本的なものであり、ここで説明するよりは、ショックアブソーバのWikiを参照願います。

機能を考える

 基本的にオイル式KONIは、縮み側は一定のレート、すなわちあらかじめ決められたレートで調整機能は無く、伸び側は強弱のレートのみが調整できるようになっています。このコンセプトがKONIの評価につながっていると考えます。すなわち縮み側は比較的ソフトに、すばやくにと突起を吸収するように乗り越え、伸び側はじわっと戻すとそのじわっとの強弱を調整するというものです。この調整機能は経験劣化に対する初期性能を維持する機能であることも忘れてはなりません。そして最終的に調整範囲を超えた場合にはKONIのサービスセンターに送れば、オーバーホールが可能であり、グローバルなサービスであり、日本国内も例外ではありません。=> 参照:FETのサイト

 ショックアブソーバの動きは前後四輪独立してそれぞれ別に考えてよいものでなく、あたかも四輪のショックが密に接続されているかが如く作動することです。

 簡単な例として、例えば、フロント2輪が同時に突起物に乗り越える、すなわち前軸の重みでショックが縮む、この時にショックが硬く縮みがあまりないとボデーが持ち上がり、これは結果的にリヤのショックを縮める作用になることです。そしてリヤが突起物を乗り越える時にフロントのショックを伸ばそうとすること同様に硬いショックではフロントを持ち上げようとすることにもなります。よく見るピョコピョコしたようなクルマとなってしまいます。そのためにコニのオイルショックは軸重に応じたショックの選択が必要となるというのが自分の見解かつ結論です。これは四輪それぞれが違う突起物、あるいは穴を越えようとした場合はさらに複雑な話となってします。これについては、本ページ末尾の【参考情報】も参照いただきたい。

重量配分を考える

 KONIを考えた場合、あるいは一般的でもあるかもしれませんが、軸重を考えることがベストと考えます。何故ならば、その重さがKONIの縮み側のレートそのものを表している筈であります。これは色々と試した結果の確かなる経験値でもあります。そこで以下のようなコンテツの前後の軸重とコンテツのそれに似たような軸重をリストしてみました。

 これから見えることは、コンテツのフロントにはおよそ300〜350kg程度の軸重向けのショック、そしてリアには550〜600kg程度の軸重向けのショックが何であるかが見えて来ます。またコンテツの前後の軸重に大きな違いを理解することが肝要です。もっとも多くのリア・エンジン車はそのようなものであり、またフロント・ドライブ車ではその逆であります。要は前後のバランスです。フロントとリアのショックの動きは見えない糸で繋がっていることを忘れてはならないことです。

 これでどれを選択するかが明白でしょう。縮み側のレート、すなわち各車の軸重をみれば想像がつくでしょう。軸重が小さいものはレートが小さく、突起物の吸収はよりソフト、軸重の大きなものはレートが大きく、突起物の吸収にはハードなリアクションになるでしょう。例えば、フロントに軸重の大きなクルマ (アルファロメオのフロント用) を使用すると、およそ半分近いコンテツでは突起物に縮み側の動きはソフトに吸収できるものでなく、突き上げというものでしょう。そのフロントの動きはリアのショックに影響し、リヤのショックは伸びようとする、結果的に前後のバランスが狂ってしまいクルマの挙動そのものに好結果を及ばさないことです。

日野コンテッサ1300への適用を考える

車名 種類 前軸重量 (kg) 後軸重量 (kg) 総重量 (kg) 前後比 注釈
コンテッサ1300クーペ DX PD300 365 580 945 39/61
コンテッサ1300クーペ STD PD300 335 560 895 38/62
コンテッサ1300クーペ "L" PD300L 305 525 830 37/63
コンテッサ1300クーペ "L" PD300L 292 523 815 37/63 註1
コンテッサ1300セダン DX PD100 335 605 940 36/64
コンテッサ1300セダン STD PD100 305 585 890 34/66
コンテッサ1300 "S" PD100 355 590 945 38/62
レオーネクーペ1400GSR A22 520 267 787 66/34 註2
フォルクスワーゲン 1302S XXX 356 535 891 40/60 註3
セドリックGX HT GL 230 773 632 1405 55/45 註4
いすゞジェミニ ZZR 560 420 980 57/43 註5
アルファロメオGT1300 Jr. 105 550 420 970 57/43 註5
オースチン ミニ サルーン Old MK1 376 211 587 64/36 註5
オースチン ミニ 1990s 448 252 700 64/36 註5
Austin Mini Cooper 1275S 1964 416 234 650 64/36 註6
Renault R8 GORDINI 1967 335 520 855 39/61 註7
註1:FIA 1441の重量を標準のクーペの前後比にあてはめ推定算出 (スペアタイヤ無しの補正有)
註2:スペアタイヤ工具付ガソリン50L (モーターファン ロードテスト ダイジェスト 昭和47年8月)
註3:ST/工具、燃料:41.5L (モーターファン ロードテスト ダイジェスト 昭和46年)
註4:ST/工具、燃料:56X3/5L (モーターファン ロードテスト ダイジェスト 昭和46年)
註5:Google検索にてデータ収集、総重量についての条件については記述なし。
註6:Mini Mania - Classic Mini Body Dimensionsの前後比を参照
註7:auto flash, a teste pour vous la R8 GORDINI, 1967 by Editions Gerard & Co, Verviers (Belgique)
全体註:重量は空車を意味する。一人乗車ごとのおよそ63kgが乗車位置で前後に配分され増加する。


 日野コンテッサ1300のリヤには何種類かのもの (ショック・アブソーバ - 実践編) が “誰でも何時でも何処でも適切な価格” な精神で購入可能ですが、リヤにはアルファロメオの80-1551/80-1551 Sportsがあるもののフロントについては明確なものがありません。リヤと同じ、例えば、80-1551をフロントに使用している個体も多く存在するようです。しかし、上記の説明からリヤと同じものであってはならないことは理解いただいたと思います。

 そこで、フロントに “誰でも何時でも何処でも適切な価格” なショックはないかと考えると、レオーネ用の80B-2263が入手困難になった今、上記の中のミニのリヤ用が候補になります。具体的には:

 本サイトオーナーはまだ自車には試用してません。メガネのボルトはおそらく10mmと思われるので、下記の適用参考例のようなシムとカラーを用意すればよいでしょう。縮み側の硬さについては、コンテッサのフロントより軽いので、80-1794でもよいでしょうが、よりハードな80-1794 Sportsが良いのかなと推測します。

 本ページの読者で勇気をもってこのショックを使ってみたい (リスク含めて) と考える常識あるコンテツ・オーナーがおれば本サイトーナーに連絡いただければ、サポートしたい存じます。(こちらからインプットください)

適用参考例

【フロント KONI - 80B-2263:スバルレオーネ 1400~1600 (A22、A22E、A26E 1973年~1977/3)リア用】

 ポイントは取り付け含めて以下のようです:

  • まずバンプラバー、上下を入れ替える。これにより、ウイッシュボーンの作動範囲はおよそ2cm程度ではあるが上方向に移動し、沈み方向にバンプラバーが結構浅い位置で作動するのを防ぐ。これはコンテツの設計上の欠点と分析している。
    フロントをローダウンしたコンテツの多くは、静止状態ですでにバンプラバーに接触しているケースがあり、コンテツはローダインすると足が硬くなるというのは大きな間違いでバンプラバーが静止状態で接触、あるいはちょっとの沈みで簡単に接触してしまうということを理解しなければならない。
    また、上記の「バンプラバー、上下を入れ替える」は最も安易な方法であり、本来は適切なバンプラバーを探すべきである。それはラバー製、すなわちゴムであり、決してウレタンなどの硬いものを選んではならない。バンプラバーは第二のスプリングであり、スプリング (コンテツの場合は、トーションバー) 同様、レートというものがあり、バンプラバーにはその形状 (穴あけなど含み) について大きなチューニング技術があることを忘れてはならない。
  • メガネ部分にコンテッサのカラーを入れる。オリジナルのシム2枚も忘れないこと。下記の場合にはコンテツのものでなく手持ちのKONI - 80C-2275の外したものを入れた。よって、コンテッサの12ミリのボルトでなく10ミリのボルトであり、その調整のためにワッシャを利用したシムやウイッシュボーンの取り付けの12ミリの調整のためのカラーを使用している。
  • KONI - 80B-2263に内蔵の30ミリ余りのバンプラバーを20ミリほど切り落とす。これによりストロークが大きくなり、250〜380ミリ程度に変化する。
  • 尚、ショックのメガネのボルトを無条件には締めてはならない。まず、ショックを取り外す際に、ボールジョイントの4本のボルトのなっと緩め、ウイッシュボーンの開きを自由にしておくこと。そしてショックを抜き、新たはショックを入れ、メガネのボルトを締め込み、最後にボールジョイントの4本のボルト&ナットを規定のトルクで締め込む。ウイッシュボーンに微妙に無理な変形をさせない予防策である。
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【リア KONI - 80C-2275:いすゞ、ジェミニのフロント用】

 ポイントは取り付け含めて以下のようです」:

  • メガネに入っているカラーとラバーを取り除く。コンテッサのオリジナル同様なショックアブソーバ用のブッシュを使う (下記の写真の3枚目にあるラバーを参照) 。
  • その他、特にないが、ノーマルよりも若干伸ばした長さが短いので念のため、リバウンド・ストラップの穴の位置を調整したほうがよいと考える。これはアルファの1551でも同様と考える。
  • 下記の写真は、本社はリヤの車高を調整しているので、その調整分を補正するためにアダプターを製作したもの。もちろん、通常のコンテッサでは必要ない。
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【リア KONI - 80-2219:日産、430系のセドッリク&グロリアのフロント用】

 ポイントは取り付け含めて以下のようです:

  • メガネに入っている日産セドリック用のクロスピンの片側を切断し抜き取り、さらにゴムブッシュを抜き取る。この時、ゴムブッシュをヒートガンで温めると抜きやすい。どうしても抜けないならば、ドリルなどでゴムブッシュに穴を開けると良い。ゴムブッシュの抜き取りは、適当なソケットレンチを使い、万力でオーカー、特殊は工具は必要ない。
  • コンテッサのオリジナル同様なショック用のブッシュを使う (下記の写真の2&3枚目にあるラバーを参照) 。
  • 4&5枚目の写真、伸びきった状態でおよそ37cm程度。通常のリバウンドストラップは穴の位置を変えたほうが良いだろう。
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【リア KONI - 80-1551:アルファロメオ ジュリア Bertone GTV、Junior系】
【リア KONI - 80-1551 Sports:アルファロメオ ジュリア Bertone GTV、Junior系】

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20120901 KONI 32

 

 こちらも参照:悲劇の伯爵夫人、そして素顔の伯爵夫人へ:シャシーまわり:ショック・アブソーバー

【参考情報】

ショック・アブソーバ - 実践編も参照のこと!

(SE, Original 2015.8.23)
Updates 2017.7.29)
(Revised 2019.3.26)

20180612 Notice
  • 本サイトのデータ、すなわち代替品/使用可能品例 (プロセスも含む) は、当サイト・オーナー、また情報提供いただいた個人の見識です。それはフォーム・フィット・ファンクション (Form, fit and function) というレベルのメンテナンスに於ける互換性を意味するものです。実際の使用にあたっては,個人差が当然あります。それを理解した上でご参照・利用下さい。代替品/使用可能品例については、情報提供は歓迎するものです。こちらからお願いいたします(実名表記にて)。
  • 本サイトの知恵集(Tips)に記述してある内容は、あくまで日野コンテッサに関するアマチュアの経験です。自分の手を汚して自ら自身のコンテッサをメンテナンスするアマチュアのみがご参考下さい。他人に自身のコンテッサを委ねておられる方、あるいはプロフェショナルの方は、決して参考になりません。これについてご意見のある方はこちらまで(実名表記にて)。

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