最近 (2006年5月当時) 、ある縁でコンテッサ1300セダン・デラックス (車台番号はPD100-527379) の面倒を見ていました。ブレーキ&クラッチのオーバーホールで気がついたことをメモしましょう。
当サイトオーナーは、てっきり前輪のホイール・シリンダーの内径が、日野の整備説明書 (昭和39年9月1日印刷発行) の180頁 (添付コピー) にあるように、前輪が13/16インチすなわち20.64ミリ、後輪が7/8インチすなわち22.22ミリと信じていました。
ところがセイケン・クラシック (所謂、制研化学工業:製造元、明治産業:販売元) のホームページを見ると、前後同じサイズのように見えました。問い合わせて見ると、同社の資料では前後ともに同じ13/16になっており、販売品は前後ともに共通品で13/16であると、色々とこちらの質問に対して、ご丁寧な会話をいただいだきました。
そこでパーツカタログをあらためてチェックしてみました。確かにカップの品番は前後共通でした。但し、後輪については互換性のない旧品番も記述されていました。おそらくこれが旧品番の7/8インチすなわち22.22ミリであったのです。
それでは何時から何故、後輪が7/8から13/16に変更になったのでしょうか?パーツカタログからは知る由がありません。これが当時の日野自動車の運輸省の届出資料 (315号) から明らかになりました。一部構造変更として、「主ブレーキの前後輪のライニング寿命を均一化するため、前後輪のブレーキ配分比を変更します」、「開始車台番号はPD100-519300」。これで一件落着と考えましたが、分析の結果、実はそうではないと、“ドラムブレーキ - フロントのホイールシリンダー (2) ” を参照ください。
結論として、車台番号がPD100-519300以前は、前輪のホイールシリンダーの内径は13/16、後輪のホイールシリンダーは7/8の異径であること、PD100-519300以降は、前後共通の13/16であります。また、セイケン・クラシックのホイール・シリンダー・キットは13/16のみであることです。注文の際は注意が必要です。また、7/8の場合は相談されることを薦めます。
尚、セイケン・クラシックのコンテッサのブレーキ&クラッチ関係のキットはホームページ (または電話) 下記に。入手は直販ないし最寄りの正規販売店を紹介いただけるようです。
参考資料:
- 日野自動車、コンテッサ1300 整備説明書(S39.9.1印刷発行)
- 日野自動車、コンテッサ1300 パーツカタログ C-5020(S41.5.1発行)
- 日野自動車、運輸省届出資料(315号、S41.5.24)、自動車の構造・装置の変更について
- セイケン・クラシック:http://www.mesaco.co.jp/seiken-classic/
(SE, 2006.5.28 (オリジナル))
(SE, 2017.8.21 (改訂))
(Refined 2020.1.2)
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