仕様:
- ブレーキ形式
- 足:油圧式四輪
- 手:機械式後輪
- マスタ・シリンダ・ボデー:鋳鉄
- ピストン:アルミ合金
- 内径:22.2mm
- マスタ・シリンダ〜フロア締付けトルク:2.5〜3.5m-kg
- フロント・ホイール・シリンダー・ボデー:鋳鉄
- 内径:20.6mm
- リヤ・ホイール・シリンダー・ボデー:鋳鉄
- 内径:22.2mm
- シリンダーとピストンとの間隙:0.04〜0.11mm
- 修正限度:0.15mm
- ホイール・シリンダー〜バッキング・プレート締付けトルク:2〜3m-kg
- ブレーキ・ドラム (前後輪共通) 内径:228.5mm
- 使用限度:+1.0mm
- ブレーキ・ドラムの偏心
- 前輪:0.04mm以下
- 後輪:0.04mm以下
- バッキング・プレート締付けトルク:5〜6.5m-kg
- フレキシブル・ホース締付けトルク:4〜5m-kg
- 平ワッシャを介してのユニオン締付けトルク:3〜3.5m-kg
- ブレーキ・パイプ締付けトルク:4〜5m-kg
- ブレーキ・ライニング (前後共共通) :5mm
- 使用限度:1mm
- 幅:35mm
- 長さ:219mm (プライマリ) 245mm (セコンダリ)
- ブレーキ・オイル (指定品) :ゴールデン・クルーザ #800
- ブレーキ・オイル量:0.25L
- ブレーキ・ベダルの遊び:2〜3mm
- 修正限度:5mm
- ブレーキ・ベダルと床板との間隙 (踏込んだ時) :30mm以上
- ベダル〜アーム締付けトルク:2〜3m-kg
- ベダル・ブッシュとシャフトの間隙:0.02〜0.05mm
- ハンド・ブレーキ引代調整基準:3〜4段
- ハンド・ブレーキ引代集積限度:7〜8段
- ハンド・ブレーキ引代集積限度:7〜8段
- ハンド・ブレーキ・ケーブル径:3.3.mm
- 長さ (A) :1,591mm
- 長さ (B) :1,321mm
解説
ブレーキは車両が走行する場合、保安上絶対欠くことのできないものであって、仕業点検の重要項目として挙げられていることはご承知の通りです。ブレーキ関係の整備には、特に定期整備の励行と日常の点検を必ず実施してください。
“コンテッサ1300” のブレーキはフート・ブレーキとハンド・ブレーキの2系統があり、フート・ブレーキは四輪制動油圧作動式で、全後輪ともに自動調整装置付デュオ・サーボ型が採用して十分な制動力と安定した制動性能が得られます。ハンド・ブレーキはメータ・パネル下部に設けられたステッキ型ブレーキ・レバーにより機械的に後2輪のブレーキ・シューをドラムに押付ける機構です。
ブレーキ関係整備作業上の重要注意事項
- ブレーキ・オイルの混用はやめて、必ず指定品を補充してください。
指定ブレーキ・オイル:ゴールデン・クルーザ #800 (中央化学工業製) - もし、異種類のブレーキ・オイルを使用する場合は、各ブレーキ関係部品を分解し、各パイプと一緒に清浄なアルコールで洗浄して組付けます。この場合、パイプの口元は埃やグリースがつかないように十分注意してください。また、組付け後のエア作業は確実に実施してください。
- ブレーキ・パイプの締付けが強過ぎるとパイプの朝顔型に開いた部分が潰れて弱くなりますから、規定の締付けトルク (3〜4m-kg) を守ってください。
- ブレーキ・ライニングは油手で触れたり、濡らしたりしないようにしなければなりません。また、交換する場合新しいライニングは質、寸法などが均一なものを使用しなければなりません。
- ブレーキ・ライニングができれば1輪ごとに前後一緒に取替えてください。でないと静動力のバランスが狂い、十分な制動力が得られません。また前輪は左右一緒に交換してください。
- ブレーキ・ドラムは滑らかで、かつ清浄で乾燥した状態で使用します。
- ブレーキ・ドラムにもし傷がついていたら、ライニングを交換しても効果がありませんから、ドラムを修正するか交換してください。
- 走行中シュートドラムが擦らないよう、ハンド・ブレーキの調整、シューの調整などの後には注意してください。
参考文献
- 日野コンテッサ1300整備説明書(CONTESS1300 MODEL:PD100 SHOP MANUAL)、昭和39年9月1日
(Original 2020.12.31)
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