日野コンテッサ1300のステアリング機構は、本家のフランスのルノー4CVからの伝統的なステアリングの自動センタリング機能を持っています。もちろん、先代のコンテッサ900のそれを受けついたものでもあります。当時のルノー独特のキャスター角とともに直進安定性の向上を目的としたものです。
この機能の目的は、リアエンジン独特のテールヘビーでフロント極端に軽いクルマの性格上、欠点となる直進性を向上させるものです。ギアボックス内にスプリングを設け、常にセンターを得ようとするリターン機能をスプリングを利用しています。このスプリングは性格上、セダンのものはやや柔らかく、スポーティなクーペや1300Sはやや強力なものを使用しています (詳細は基本データを参照) 。
街中の交差点などでの際にもそのセンタリング機能を感じるられると思います。慣れてしまうと曲がりながらあるところで手を離して、自然に戻ることをまかしてしまうオーナーも多いことと推測すます。これがセンタリング機構を無くしてしまったコンテッサの場合は、一般的なクルマのように戻らず、ドライバー自身の手で修正しなければならず、コンテッサ独特のフィーリングをスポイルしてしまいます。
特に高速道理ではその恩恵を大いに得ることになります。横風や大型車の風圧などでのハンドルの修正を軽減してくれます。キャスター角だけでは、横風などの横からのインプットを防ぐことは難しいのです。雨&風のようなコンディションのように常時修正をしなければならない場合の効果は絶大と経験的に考えております。
この自動センタリング機構がどのようなものか実際にビデオにしたので参考下さい。フロントをジャッキアップして、ハンドルを左右それぞれに切って、手を離すとどうなるかを見てもらいたいと思います。
非常に強力にセンターに戻ろうとする力をもっていることが判ります。そしてタイヤはどうなっているかと、左に切った際は、以下の様です:
ハンドルの戻り、タイヤの戻りが上のビデオのようでないコンテッサがあれば何らかの病を抱えていることは間違いないと考えます。
数年前だが、あるコンテッサ1300のオーナー宅を訪問、そのオーナー曰く、ジャッキアップしてある愛車を前にハンドルが戻らなくなってしまったと、それもオーバーホールから戻ってからとのことでした。非常に弱い力で戻ろうとはしているものの、上のビデオのように力強さは全く感じられません。原因はよくわからないがそのオーナーの現実はそのようだったのです。その後、改善されたのか気になるところであります。
【実際の走行でのステアリング 操作例:2020.3.3】
センタリング機構の走行中の模様を以下に示します。一般道路とはやや環境が異なりますが、基本的には何ら変りありません。ビデオから判るように、慣れてしまえばケースバイケースであるが、ドライバーの手で戻すより明らかにセンターに戻る能力は遥かに大きいのです。フランス ルノー4CV以来のメカニズムであるこの機能は直進走行安定性向上がメインではあるものの、このように戻りをうまく利用することもドライビング能力の向上やファンツードライブに役立つと考えております。ただ、ドライバー本人は意識的にそれをしているのでなく、長年の結果、本能的にそのようなドライビングスタイルとなっており、車載ビデオで実態を理解するものです。
SE, Original 2017.9.9
Added 2017.12.19
Revised 2022.8.26
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