コンテッサ1300は生産中止から40年近く (2006年現在) を経とうとしています。部品を新しく作ることは非常に大変なことであり、資金的にも莫大なものになります。これにはおのずから出来ることに限度があります。そこで、最も良い方法は、他車のものを流用することです。オリジナリティを保つという意味では、問題あるでしょうが、そうでないところはこだわる必要はありません。ここにエアエレメントの製造を試みて見ましょう。
用意するもの:
- エアエレメント:ホンダのアクティ550/4WD(H-TA,TB:77-79;J-TA,TB,J-VD:78-;M-VH,TC)用
- コンテッサ用エアエレメント(古いもので結構)
- 工具など:大きめのマイナスドライバー:
- プライヤー
- サンダー
- ヒートガン(あれば使う)
- スクレイバー
- 両面接着テープ(厚手のもの)
- 接着剤
- ビニールテープ
工作手順:
- まず、部品屋または日曜大工の店に行ってエアエレメントを購入する。今回、試作に使用したものはケイヨーホームセンターで780円であった。
- 次に、古いエアエレメントの加工に入る。最終的にエアエレメントについている蓋を取ることが目的である。そのために、蓋と反対側についている薄いカバーをドライバーでこじ開けプライヤーで取り去る。
- そして、それが取れたところでエレメントの外周についている網をプライヤーできれいに取り去る。
- エアエレメント、すなわちジャバラの紙をきれいに取り去り、その内側の穴あきの薄い鉄板も根元からプライヤーで取り去る。
- そして、最後の加工が蓋の内側についた接着剤を取り去ることである。これが以外とヤッカイものである。しかし、これはサンダーで思いッきり削り取ってしまうのが手っ取り早い方法である。あるいはヒートガンで暖めて取り去る。この方が、サンダーよりは奇麗に仕上がる(ガスコンロで暖めて溶かす方法もあり)。これで、エアエレメントの蓋がきれいに残ったわけである。
- 次に新しく買ってきたホンダのエアエレメントの加工をする。これも至って簡単。ホンダのエアエレメントは一方が閉じた形(実際は2cm程度の穴がある)、もう一方が開いた形となっている。この閉じたほうについているゴムパッキンをスクレイバーで取り、それを接着剤でもう一方の開いている方に接着する。そして、閉じた方側にある小さな穴を内側/外側からビニールテープで塞ぐ。
- さあ、次が最終工程である。両面接着テープを1cm各程度に切ったものを3つほど用意する。これは小さいほど良い。これを先ほどのエアエレメントの閉じた方側の外縁に沿ったところ3点に張り付ける。そして、これをで加工した蓋を接着/結合すれば完了である。
ここまでの所要時間は約30分ほど。
この方法の特徴は何といっても、上記にある蓋を1ケ作れば後はホンダのエアエレメントを購入さえすればすぐ使えることです。理由は簡単、このホンダのエアエレメントは形状、サイズがコンテッサのものとホボドンピシャなのだす (正確にはホンダのほうが2mm程長いが、これは無視) 。そして、これはオプション、蓋はクロームメッキすると見栄えが良くなります。
尚、エアエレメントはここで使用したもの以外日産のものが同じ方法で使用できます。利用実績として、それはパルサーディーゼル1700、パルサー/ラルゴ1700ディーゼル用。ただし、形状から言ってホンダのものを進めます。
さあ、皆さんも次の休日には試して見てはいかがでしょうか?湿気を帯び目のつまった古いエアエレメントは捨ててこれで20馬力アップは確実!?
(注:本メモの基本部分は1989年に作成したものです。この部品は現在、ホームセンターなどでは既に見ません。取り寄せるなど努力が必要です。)
日野純正(左)とホンダ製(右)の比較:
【追加情報:2013.11.21】
日野純正エレメントのフィルター部分のサイズはおよそ、高さ:165mm、外径:145mm、内径:80mmです。
これに最も近かったのが上記のホンダの軽自動車:アクティであり、70〜80年代のものでありました。その後の時代のアクティについては未調査です。
しかし、ネットでチェックすると同じホンダのCR-VのRD6&RD7(2001-2006年)にまったく同サイズとしか思えない部品が使われているようです(右写真を参照)。詳細な車両のデータは以下の通り:
- 車種:ホンダ・CR-V用
- 排気量:2400cc
- グレード:4WD含む
- 年式:H16.9~H18.10
- 型式:RD6、RD7
- エンジン型式:K24A
- 純正エアエレメントの製品番号:17220-PNB-003
ホンダはいうメーカーは同形状の部品(あるいは流用設計をし)を長い間、異なる車種に結構、流用しているようです。PCD120のハブ(ホイール)も同じで、当初は空冷の1300に使ったようですが、その後、水冷のシビック、アコードへと、さらに確か90年代近くの軽自動車まで継続していたと思います。推測するにそれはサプライヤ含めての原価低減になるもので、超大量生産のトヨタなどと異なり、生産台数の多くないメーカーの知恵かも知れません。さらに60年代半ばに遡れば、コンテッサに携わったシャシー&エンジン技術者はホンダに移籍したという歴史的経緯も大いに影響していると推測します。
グーグル:ホンダ CRV エアエレメント、画像検索結果を視ると興味深いものです。他にも使えそうなものが色々、出て来ます。ぜひ試すことを進めます。アマゾンでも購入出来そうなのも昨今のネット便利社会であります。
(SE, Original 1989)
(Added 2013.11.21)
(Revised 2019.3.23)
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