先の2019.5.23 :自動車技術会 - 人とくるまのテクノロジー展で、前情報もなく目の前にダイハツ P-5の見学に恵まれました。すでの多くのメディアでも報道されたように、よくある技術伝承の一環として、1960年台後半の1,300ccクローズドプロトレーサー ダイハツ P-5 の最終モデルの1台を所謂復元プロジェクトを通しての結果であります。
実車を目の前にして確認したいこと2点が頭に浮かび、早速、係員の方にお尋ねしました。
<その1:フロントウインドウガラス>
昔のものは無しと記憶にあったので今回の復元プロジェクトでどうしたのかを知りたかったのです。
安易なアクリルあるいが最新テクノロジーのプラスチックなのかとも興味がありました。
説明によると10年くらい前に新造を試みたとのことです。一回ではうまくゆかず数枚つくってようやく一枚が完成したそうです。サプライヤである旭硝子の協力によるもので、ちゃんと画像のようにAGC製でラミネートであることが分かりました。
昔は “ASAHI” だったのこれは “AGC” で新社名なので正に新造ものであります。OEMとサプライヤの関係でこのような一枚ものができることは素晴らしいことです。
<その2:タイヤホイールのPCD>
もろもろもデータでP-5の独特のホイールは日野コンテッサ1300同様な業界では稀な120ミリであった記憶してました。それが事実なのかを知りたいと思っていたのです。
展示の担当者の方はシャシー全般を実際に担当した方で何もかも詳しく説明いただきました。しかし、PCDについては存じていませんでした。
結果的に画像のようにペーパーに印しをつけて自宅に戻って計測してみました。
ドンピシャ120ミリでした。2箇所の記録とも同じなので間違いありません。
ホイールのサイズはちなみにフロント用は8.5J-13、リヤ用は10J-13だそうで、材質はマグネシウム、タイヤは現代の定番の英ダンロップ CR65、サイズはそれぞれ4.50、5.50だそうです。
本来は、フロントが5.00だそうですが、販売店に在庫がなく一回り小さくなったようです。ビジュアルな点で少々残念です。
今後、この日野コンテッサ1300と同じ稀なPCD 120ミリについて、何故なのか、すなわちその設計意図が解明できればと考えています。
このダイハツ P-5の現状は、(昔の日野の900スプリント同様に) 最低限ちょろちょろと走れる程度だそうです。エンジンは一応それなりに回せるそうです。残念ながらシャシーは、ブレーキのシリンダ=など含めてすべて現状のものを磨いたりしただけで本当に走る状態にはなってないそうです。
係員の方、まず第一歩を踏み出したに過ぎず、この先、予算がとれれば富士スピードウェイを走れる程度にもって行きたいと語っておりました。
いつの日か、ぜひそうなることを陰ながら応援させていただく所存です。