今年も例年のごとく、パシフィコ横浜で開催される自動車技術会(所謂、JSAE、米国のグローバルのSAEに相当と理解)の “人とくるまのテクノロジー展” に参加しました。
新しいテクノロジーやビジネスモデル、また日本を中心としたOEM各社とサプライヤーの生の展示物に接しました。
昨年にもまして自動運転とかさらなる電動化などの渦中でとくにエポックメイキング的なものは感じませんでした。まだまだ進化の序章にあるのだと分析します。
一つ、あればランプの市光工業がフランスのヴァレオ社ととなり合わせのブースだったことです。ビジネスモデルの進展ですが、2年前に市光工業はヴァレオ社の傘下になったのです。先の曙ブレーキもどうなるのか、またカーナビのパイオニアは目下、投資ファンドの傘下にあり、この先、買収価格にバリューをつけて高値で売り飛ばされることを待つのみです。グローバル経済の結果でしょうか、日本の名だたる企業も変化しています。
しかし、見るべきものもありました。個人的に例えば、デンソーのeAxle、電動車両の駆動系のトランスアクスル、モータージェメレータ、インバーターをワンモジュール化したものです。
そしてそのかたわらにあったのが、参考展示のシャシー (画像参照) 、後輪ですが、そこにはトーインや、スタビのコントロールが電気信号で行えるようになっており、足回りのダイナミックな制御はコンピュータソフトウェアでどうにでも味付けできるものです。
ルノーの最新型のメガーヌの最上級モデルにはすでにこの種がものが実用化されています。しかし、この画像にようにコンポーネントの実物を見るとリアルに時代の進歩を感ずるものです。
今年の日野は新しい9LエンジンA09Cを展示してました。低燃費化、小排気量 (13L->9L)、高トルク化、軽量化、そして現行トレンドであるターボの効果を利用したものです。そして電子制御の賜モノかと推測するものです。
赤いエンジンのデスプレイ、今年はパイピングのでティテールなどクロームが施されて少し見栄えも向上したようです。エンジニアのセンスの問題と思いますが、同業社のいすゞ並の質感 (全体を簡潔に統一) を早く出していただけることを期待するものです。