2020.10.31:人車共OH中 - エンジンブローの寸止め

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 今週の月曜日 (10/26) 、我が愛機:日野コンテッサ、顕著になった水温の微妙な上昇、外環三郷南から首都高、そして中央高速調布経由、少し速いクルマのペースだと190-200F (88~93c度) 、これは今までにない状態です。これを抑えるべく遅いクルマについて行きました。それでも中央高速では210F (98度) 近くまで上昇し、すぐに5度くらい下がる、そしてまた上がると、電動ポンプが頑張ってヘッドから熱くなった湯水を掃き出しているのかが見えるようでした。

 12ヶ月定期点検では、1番のプラグ (前方) が焼けてないのです。その場ではこんな程度かとアイドルスクリューを1/4締め込み様子をみることにしました。調布から松戸への帰路は大事を見て時間も15分程度しか違わないの下道で戻りました。しかし、都心から水戸街道に入ると、顕著に水温の上昇が出てきました。

 この水温の上昇、ここ数ヶ月見られる現象で、ラジエター諸々の水路の劣化の問題かと考えていました。しかし、よく考えると何が問題かと、昔の文献を読んだり、チェックしていました。水温上昇についてネットにもいろいろ書かれており、しかし、よく分かりません。

 そこで問題を整理すると、それはプラグが何を語っているのかです。もっとも恐れているのがヘッドガスケットの損傷あるいは劣化による水の侵入です。これはいままで何度か経験していることです。それも完全に貫通してから、しかも、多くが高速道路上で、プッツン、という感覚で1気筒あるいは2気筒が突然なくなる現象、ヤッタかという感覚で後は出口やSAまでそっと走って行くということです。

 今回はそれを恐れて、すこし大仕事ですがヘッドを開けてみることにしました。その前にプラグの状況は画像のようでした。明らかに調布で見た時より悪化しています。左端が1番プラグです。面白いことにこの真っ黒な状態、電極を中心に左右綺麗に汚れ方が違っていることです。これについてはさらに探究してみましょう。

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 キャブを外し、エキパイを外し、シリンダーからロッカーアッシーなど外し、前方の水のアウトレットのカバーを外し、最後にヘッドボルトを外し、そしてヘッドを取り出してみました。1番の燃焼室とバルブの状況は散々な光景、またガスケットも赤丸2箇所がどうも色々語りかけているようでした。

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 まずは諸々のクリーンアップです。まずはヘッド、結構、手間取りました。都合、三時間の作業でした。以前組んだ時はとびきり綺麗だと思いましたが、そこまでは戻りません。定盤を出して面研をしようと思いましたが、バルブは付いたままだし、今回やめました。多分、後、1〜2時間の作業工数になるでしょう。

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 ピストンのトップも1番 (画像で左端) はカーボンが多く堆積、それもネットリしたもので他の三つのシリンダーの乾いたカーボンとは明らかに異質なものでした。シリンダー内部はヘアーラインも無く綺麗なのは安心しました。自分が施したホーニングの後も綺麗に残っていました。

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 さて、組み付け、問題はガスケット、例えば、一つは水のアウトレットのパッキン、画像のように、0.5ミリ厚の弾力性のあるものを切りました。分解&組み立てには、このような場所が複数箇所存在します。時間を要する作業です。画像上部は日野の当時の純正、これはパターン (型紙) として最後の一枚はキープしています。

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 最大の課題はヘッドガスケット、画像のものは手持ち最後の一枚です。現車のエンジンは通常のGR100の改良型になったトヨタブリスカのものでガスケットの形状が異なり、上位互換 (下位互換は問題なし) がないのです。一度、トヨタに入手を打診しましたが、“あきらめて下さい” と、事情を説明したものの何とも “にべもない返事”  でした。マッ、とにかくこれを使うしかない、後は何とかなるとすすめました。

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 しかし、やはり55年もののヘッドガスケット、今回も問題がありました。それは一応均一に規定トルクをかけたのですが、どうも事態はそんな簡単ではないのです。10年以上も前の本機の作業でも問題がありました。材質が硬くなっているようです。今回は微々たる水漏れがありました (前回はオイル) 。ダメかと思いましたが、このようなことが一度ではない昔のことを思い出し、1割強オーバーなトルクで慎重に締め上げました。自分としては硬いガスケットの場合、過去行ったことです。また、昔、柳沢ガスケットの社長からのコメントでそのような場合、シリコンをしみ込ませ、時間を置いてから柔かくしてから閉めろと、それは一応、事前に敢行してました。

 そんなこんだで水を入れるプロセスへと進みました。

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 最後はバルプクリアランス仮調整、20分アイドリング、そして増し締め、クリアランスの再調整をすすめました。結果的に、まずは再始動、問題はないようです。プラグもオーケーのようです。

 とにもかくにも、今回はエンジンブローに至らず、寸止めの回避できたことは実にラッキーなことだとつくづく思っております。

 明日の日曜日 (11/1) は、ビ筑のシリーズ戦の第5戦です。これでリスクを回避しながらジェントルに我が  “日野コンテッサ” を楽しみたいと思います。年間シリーズに全エントリーするのはクルマのコンディション、身体 (メンタル含め) のコンディションの両方を如何に保つが大変かを感じております。でもそれがコンテッサや人生にも良いことなのかも知れません!

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