日野コンテッサのGR100エンジン、ブロックに334959を刻印された個体には興味深いのが多くあります。
このエンジン番号:334959は、セダン向けのですが、基本的にブロック自体はセダンもパワーアップしたクーペ用も全く同じモノです。クルマに搭載する際の補機類の差だけとなります。頭の3で始まる55馬力のセダン向けか1で始まる65馬力のクーペ向けかであります。つまり、334959はセダン向け、そしてシリアル番号:34959となります。
このエンジンの腰下をチェックすると以下の画像様な興味深い内容が詰まっています。クランクやコンロッドはポリッシュしたものが組み込んであります。航空機のそれの様であり、また、雲の上のホンダS6/8のエンジンの様の光景です。
このエンジンは1970年代の半ば、友人が都内の中野区の方から購入 (5万円だったとか?) したものです。下の「ドライバー誌」の右の画像にある「新品エンジン」そのものでした。本来はコンテッサクーペのスペアパーツと売り出されていたものを無理を言って、大枚の上積みをして入手したとのことです。
さてこのエンジン、友人が当時所有していた「デル・ダンディ・ツーリング」に搭載しました。そのエンジンで箱根のターンパイクの10%の登りをトップギアで走ったのは今でも記憶しています。このエンジンは75mmピストンが組み込まれていたせいなのかもしれません。カムはノーマルなので返って低速トルクがあったのでしょう。
この様なエンジンとは知らず、友人の「デル・ダンディ・ツーリング」は80年代に自分のものになり、スポーツキットのヘッドに換装したりして、大いにスムーズさとパワーと普通ではないフェラーリの様なサウンドを楽しみました。しかし、当時は中味がこんな素晴らしいものは知りませんでした。
ある時期にオイルパンを外した際に驚嘆したものです。「デル・ダンディ・ツーリング」を手放す際もこのエンジンは手元に残しました。それから約20年、ここに来てチェックをしています。いつの日か、自分がわかっている欠点を修正して再度、走らせて見たいと思います。
最後に、この#334959、履歴を辿ってみると、日野自動車内部にあったことが判明しました。と、いうことは誰がこんなクランク、コンロッドを造ったのか!?考えるだけで楽しくなります。