「日野コンテッサ1300クーペのブレーキ – 本当に効かないのか?」は、ちゃんと効くのだを前提に、現代のディスクブレーキにない特徴や長所を確認しましょう。
最大の特徴は、ベンディクス (Bendix) 型のピストンの戻りの自動調整機構です。ピストンとキャリパーの間のシール (ゴムで柔) とピストン内部のフリクションリング (鉄で固い) の力関係を利用し、ブレーキペダルを放した際に、ローターとパッドの間のクリアランスを常に約0.7mm程度に保っていることです。
この機構、その後の技術では単にピストンとキャリパーの間のゴムシールだけで実現できるようになりました。ベンディクスも後のR12とかR5のこのキャリパーをベースにするもののメカニカルな自動調整機構は廃止されました。
しかし、このメカニカルな自動調整機構にも大きな利点が今でも存在するのです。それはルノー R8もそうですが日野コンテッサ1300のような床下の低い位置にあるマスターシリンダーとの組み合わせでは必須なのです。 (続く)