2022.7.19 考察、日野コンテッサ1300のキャスター角

 日野コンテッサ1300のフロントのキャスター角は12度と非常に大きな設定となっています。この背景は、リアエンジン、つまりリアが重いことにより直進性能を保持するものと理解しています。
 右の画像のように旋回時には、結果的に非常に大きなキャンバー角も生じさせます。このキャンバー角の作動原理を知らない人にとっては、前輪の動きがとてもおかしいとかコメントをいただくことは稀ではありません。ビ筑などの場面でも、同様な意見をいただいたことがあります。
 最近は、若干、重心を落とし、以下の様な旋回姿勢です。一見良くなったように見えますが、基本的に何ら変わっております。
 しかし、それにしても何故、こんなに大きいのか?、他車はどうのか?、などが気になり、旧いクルマを中心にリサーチをしてみました。各車のシャシージオメトリのデータベースを作りました。その中からキャスター角、いくつかの代表的な旧車を中心に、RR、FF、FRなどに分類し、図にしました:
 この図からわかるように、コンテッサのキャスター角が12度というのが例外中の例外なのです。でも、これが高速での安定度というか安心感を産んでいるのだと思います。でも、キャスター角の教則本にあるように、横風などに対しては、効果がないことも事実です。ただ、前に走るという機能のためのキャスター角です。
 コンテッサと対照的なRR車は当時のVW Type 1です。1度程度とは大きな設計思想の違いでしょう。その意味で、VWが高速でのフラフラ感は拭えないと思います。しかし、ジムカーナなどでは旋回性能は一枚も二枚も上であることに間違いありません。それに加えて、当時、嫌われたと言うロックツーロック、2.5回転のステアリングとクイックなので、正に敵無しのスーパーレーサーでしょう。
 それぞれの感触 (独断と偏見に基づく超私的) については、図の中に入れました。ご参照ください。この課題は今後も続けましょう。
参照文献 (抜粋):
20220719 SE Original
20250610 Renewed