2024.2.18 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ – 本当に効かないのか? (4)

 画像はピストン内部の自動調整機構をOHした際のものです。フリクションリングの遊びがピストンの戻りを制御して、残圧に関係なくローターとパッドの間に常に一定のクリアランスを保つのです。
 マスターシリンダーがキャリパーの位置より高ければ常に程度の残圧が発生し、ペダルをリリースした際もシリンダーをあまり戻すことなく、ほどよくローターとパッドの間を保てる、これが現代のディスクブレーキ含めての動作です。
 しかし、マスターシリンダーがキャリパーの位置より低くなった場合、ペダルをリリースした際、残圧がなくなり、キャリパーシールのなすがままにピストンが押し戻されます。これを制御するのもこの自動調整機構なのです。
 日野コンテッサで仮にこの自動調整機構がなかった場合、次のブレーキ動作ではピストンが過大に戻っているのでペダルストロークが大きくなってしまい、違和感を発生させます。しかし、それでブレーキが効かないということではなく、フィーリングの問題です。(続く)