2024.2.10 我が家の図書館 (8) – ボクの音楽武者修行 (小澤 征爾著)

 昨晩、指揮者の小澤 征爾さんの訃報が大きく報道され、海外の著名な音楽団体からの追悼メッセージもたくさん寄せられました。
 思えば、中学校時代、この「ボクの音楽武者修行」を購入し、むさぼるように何度も読みました。富士重工のスクーターに日本国旗を掲げ、インド、中近東、そしてイタリアに向かう紀行がとても新鮮でした。また、その後の、多くのコンクールなど飛び込みに近い形でチャレンジしていたことに感動しました。
 今朝の朝日新聞には、小澤さんは若者に「外 (世界) に出る 」をしきりに言っていたようです。まさにこの本がその実践であり、教則本のような気がします。実際、この書籍で中学生のボクは「外に出る」という意識、モチベーションを与えていただき、それはハートに刻印をされたようにその後の自分の人生の大きな糧になってしまいました。
 1970年 (昭和45年) 9月8日、小澤さんはニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団を率いて東京文化会館で演奏会をしました。実は縁あって、その場におりました。会場にはレナード・バーンスタインさんもすぐそばにおられました。今でも忘れえぬものすごい光景であります。実に貴重な経験でありました。
 昨日、今日、小澤さんのご逝去は自分の人生を振り返るチャンスになりました。押し入れ奥の学生時代の手帳を見ると、画像のように「9月8日 東京文化会館 NEW YORK…」とありました。
 中学生の時代、小澤さんから受けた魂はいまでもボクの中で健在です。どうぞ、安らかにお眠りになられることをお祈りいたします。