日野コンテッサのオイル・フィルターは、部品として一般のルートで入手することが不可能です。実際、コンテッサ1300 (あるいは同じフィルターを持つトヨタ・ブリスカを含み日野ブリスカと日野ブリスカ1300) の生産中止から10年後の1977年の数年後を過ぎてから街の部品屋から徐々ではあるが完全に消えてました。当時は、余る程と言うべきか大量に注文できました (当時の価格で、600~700円程度か) 。しかし、今では、ネット・オークションに出ることは実に希であり、出たとしても、結構、高い価格になってしまいました。
入手困難になったオイル・フィルターに対して、仲間内 (当時の日野コンテッサのクラブも含み) で、その対策が話題になっていたのも遠い昔になっていまいました。参考までにその対策とは、およそ、次のようなものである:
- ストックを持つ
- 手持ちものを、洗浄しながら長く使う
- 他車のオイル・フィルターを使うためのアダプターを制作する
- 他車のオイル・フィルターをそのまま流用する
- 究極として、日野に依頼し、あるいは業者に依頼し、同じフィルターを造る
右上の画像は、1980年前後の日野コンテッサクラブの夏のミーティングの際のアトラクション (運動会!) での景品。1等は5ヶ、2等は2ヶ、3等は1ヶのオイル・フィルター (トヨタ・ブリスカ用) 進呈と大盤振る舞いだった!
これらそれぞれの状況は,以下の通りと考えます:
【ストックを持つ】
これは、今では困難であるが、70年代のある時期まではいくらでもありました。その意味で、個人差はあるが、当時、何十年か分の自分の必要な数をキープするという方は大勢いたようです。今でもおそらく多くは温存されていると推測します。幸いにも当サイトオーナーも例外ではなく、かなりの数をキープしました。しかし、結構、仲間内でお譲りしたりで、現在では指で数える程度のみとなり、現物保存のサンプル用だけになりました。
【手持ちものを、洗浄しながら長く使う】
当サイトオーナーはまだ、経験してませんが、先輩諸氏は結構、灯油・ガソリンで洗浄して再利用していました。ある東北の先輩は、たった2ヶのオイル・フィルターで四半世紀をもろともせず使っていました。走行距離は大したことないのでそれでオーケーというものです。昔の整備マニュアルには、オイル交換の際には、フィルターはガソリンで洗浄することと、ちゃんと銘記されていたのでからこれは間違いのない正しい一つの方法と思います。
【他車のオイル・フィルター流用のためのアダプターを制作する】
日野コンテッサのオイル・フィルターが市場から消えた80年代のある時期、当時の日野コンテッサのクラブでは、ミーティングの度、何年もその対策方法の議論が繰り返されました。しかし、アイデアは色々あるものの、誰1人とも、体を動かすものは皆無だったのです。口角泡を飛ばすご意見も、結果的に何とも情け無いものでした。
そこで、90年代のある時期、当サイトオーナーは、自分のイメージを描いているアイデアを現物に出来ないかと、行きつけの老舗の内燃機屋に相談してみました。その要件は以下のようなものです:
- 日野のアルミのボデーは強度がないので (油圧が上がり、割れた経験あり) 、そこに負担をかけないようにする。そのために、ボルトは新たな強固なベースに締め込むようにする。そのベースはアルゴン溶接でしっかりと固定する。
- フィルターには例えば、日産 SR20DEを使用。これは当時、我が家のファミリカーだったアベニール用が手元にあったからだ。
- イベントなどでの、見てくれを考慮し、外見上,元のようにする。その為に、コンテッサのフィルターのカバーを付けられるようにしておく。
そして、図面を創っていただき、二日後に出来たのが “One Off Parts - オイル・フィルター・アダプターの制作” にあるようなものでした。
【他車のオイル・フィルターをそのまま流用】
このアイデアは、簡単であり、ベストと考えます。ただ、ドン・ピシャは見つかっていませんでした。議論をしていた当時は、下からスプリングで押さえればと、確かにそんな構造のクルマもあるようです。しかし、知る限り、他車のオイル・フィルターを流用する方法は、誰も実施したという話しは聞いていません。でも、この方法はひと時も、頭から離れませんでした。
考えれば,色々なアイデアが出るもので、しかも面倒臭くなく簡単な方法です。これについての制作過程はこちらを参照 (ホームメード・パーツ - オイル・フィルター/エレメントの制作) 。
【日野に依頼し、あるいは業者に依頼し、同じフィルターを造る】
これについては、今となっては、様々な代替策があるので、努力する価値はないと考えます。
【番外編:トイレット・ペーパーによるオイル・フィルター】
70年代、米国で通常のオイル・フィルターに代えて、どこにもあるトイレット・ペーパーを代用する方法があることを知りました。自動車雑誌などの広告に結構、宣伝が出ていました。コンテッサのフィルターがいよいよ無くなったらこれもありかなと頭の片隅あったことを思い出しました。上記の当時の日野コンテッサクラブの話しの中でも、紹介しましたが、誰も興味を示さなかったし、それどころか、一笑に付した記憶があります。それは今ではどうでも良いことですが、ネットでチェックしたらこの方法に根強いファンが今だ多くおられることでした。賛否両論はあるようですが、通常のフィルターに比較して、洗浄能力は高いようで、9万キロ (6万マイル) オイル交換無し、トイレット・ペーパーは、およそ5千キロ (3千マイル) ごとに交換なんてのがあるようです。昔はコストが安いことだけのメリットと理解してましたが、今だ支持者がいるということが、そういうことかと感心しました。グーグルで、「toilet papaer oil fileter」で検索と面白いです。以下はその、若干の例:
(SE, Original 2012.4.28)
(Modified 2018.11.29)
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