2017.5 皐月 (さつき)


2017.5.28:休憩日 - 工具の清掃

20170528 Tools Cleanip

 昔のように若くはありません。昨日の作業で足腰を酷使、今日は息抜き、趣味の骨休みです。久しぶりに手持ちの工具をクリーアップしました。

 工具箱から各ピースを取り出し、ブレーキクリーンで脂分を取り除き、ウエスで綺麗にと、そして工具箱のたまったゴミを吐き出すとただそれだけの作業です。

 この工具箱には南カルフォルニアで少しづつ買い集めたCRAFTSMAN (Wiki) を中心に揃えてあります。

 工具箱もそのCRAFTSMANですが、これは近所の西友で1988年10月に購入したものです (正確にはDAIK) 。当時、日本での拡販に努力したようですが、残念ながら成功せず、その処分のセールで購入したものです。ツール類はセールでも当時の価格では手が出ませんでした。単に輸入品にとんでもない価格が付いていた時代だったのです。

 今ではこのメタル製のCRAFTSMANの工具箱はビンテージになってしまったようです。

2017.5.27:ミッションプロジェクト

IMG 1256 (1)

 長らく滞っておりましたミッションプロジェクトもいよいよ佳境に入ってきました。

 この日は、ボデーをジャッキアップし、下からミッションを抜ける準備を進めました

 そして作業効率を良くするためにミッションの取り外し&取り付けに干渉を起こす部位&部品を取り外しました。

 昨年の3月にも行った作業であります。昔ながらの何の工具もない、単にジャッキアップをするという原始的な方法ではありますが、30年近く前に自作したミッションジャックが頼みのツナです。

2017.5.26:自動車技術会 - 人とくるまのテクノロジー展

20170526 JSAE

 今年も例年のごとく、パシフィコ横浜で開催される自動車技術会(所謂、JSAE、米国のグローバルのSAEに相当と理解)の展示会、人とくるまのテクノロジー展に参加しました。毎度の事ですが新しいテクノロジーやビジネスモデル、また日本を中心としたOEM各社とサプライヤーの生の展示物に接してソフト&ハードの技術の進化を見るのが楽しみです。

 英国パビリオンは例年ごとく何時も楽しみにしているエリアです。今回、自身でミッションの分解・組立・調整を進めていることもあり、すぐに目についてのはギヤトレインを中心としたソフトウエアでした。画像 (Dontyne Systems) にあるように設計時点で歯当たりなどがシミュレーション出来るようです。現物で測定してフィードバックも可能な機能もあります。

 一昨年までこの場に毎年おられたCPT社は今年も見られませんでした。そして国産のスーパーチャージャーのメーカーが登場しました。先駆者が活躍の場を失うという誠に理不尽な日本市場を感ずる部分であります。

2017.5.21:ミッションプロジェクト

20170521 Misshion Project

 昨日、土曜日は一種間前に取り付けたベルハウジングを取り外しました。理由は、バッククラッシュの再度の確認、そしてボルト類に緩み止めを入れることでした。

 バッククラッシュは先週、調整したわけですが、その後、カバーをちゃんとロックしたこともあり、どうも硬い感じがあり再度、ばらして幾つかのシムを試しました。最終的には先週と同じものになりました。感覚的には日野のラインを出たままの新品ミッションと比べて若干少なめかと思うもので、ダイアルゲージでは基準より0.01〜0.02ミリ程度下回ってます。とりあえず、これで進んでまずは走ってから考えることにしました。

 ボルト類の緩み止めは、以前、ミッションを下ろした際にベルハウジングを固定してる8ミリのボルトが緩んでいることがあったためです。ここでそれぞれに中程度のロックタイトの緩み止め (LOCTITE® THREADLOCKER BLUE 242®) を入れて規定トルクで再度締め上げました。

 そして、今日、最終の下側のカバーを入れました。これで車両に取り付ける作業に “Reday to Go” となりました。

2017.5.20:千葉県立現代産業科学館より - ブランドは何処に?

20170520 Ichikawa Musuem

 千葉県立現代産業科学館から右の画像のような往復葉書が届きました。

 内容は初回から参加して来た「クラシックカー・スポーツカー in 科学館」のアンケートでした。

 このようなものは参加者の思いを知るには重要なツールです。良いことと思います。

 ただ、よく考えると、このイベントの目的は何なのかと常々考えておりました (第一回、第2回、第3回、第4回、第5回、第6回は当日欠席) 。つまり、科学館は自身の立場を考えて何をしたいのかということです。これがまったく見えないイベントなのです。

 我々、参加者は何のために貴重な休日の時間を割いて、その場所に一日いるのか?おそらく多くの参加者も科学館の目的は見えてはないのでしょうか?見学者ならびの参加者双方にとって便益が見えません。

 我々はの客寄せパンダなんでしょうか?公の税金で賄われていることはもちろん、予算が零とのことですが、人件費が大きくかかっている筈であり、認識が必要なことがこの場は文化&歴史を伝える貴重な場でありと考えます。アミューズメントパークではないのです。それならなば単なる任意の寄せ集めの場ではなく、「意義」を明確にして確かなるストーリーをもって “千葉県立現代産業科学館” というブランドに相応しいイベントを開催すべきと考えます。ハガキにアンケートを募る前に自らを正すことが先決ではないかと考えます。

2017.5.19:ミュシャ展 - スラヴ叙事詩、芸術は政治より強し

20170519 New National Musuem

 先週、テレビの美術番組で六本木の国立新美術館で、一般にアールヌーボーで知られるチェコスロバキアの芸術家、アルフォンス・ミュシャ (Alphonse Mucha) のミュシェ展が開催されていることを知りました。

 興味であるスラヴ叙事詩 (The Slave Epic) の全編が一堂に観れることは、一生で最初で最後ではないか思い、早速寄ってみました。

 同時に開催されていた草間展にも劣らぬ集客力で展示室に入るのもディズニーランドの人気アトラクションのように待たされ、中に入ってはラッシュアワーの通勤電車ような混み具合でした。

 全20編それぞれ迫力のあるもので、特に最後の一枚、“スラヴ民族の賛歌 - スラヴ民族は人類のために (The Apotheosis the Slaves - Slaaves for Mankind” は圧巻でした。勝利を得てのロシアからの真の解放でした。

 絵画で祖国への愛国とその真実を語り、民衆に奮い立たせ、国家、政治を正しい方向に変えると、フィンランドの音楽家、シベリウス (Jean Sibeliusも同様なものがあったと理解してます。20点のストーリは偉大なものでした。日本の政治にも文化・芸術の影響はないものかと思いました。

2017.5.17:おそるべき日本のメディアのアクション

20170517 IoTNEWS

 先月 (2017年4月) 、仕事上の業界のフォーラムを開催しました。その際のプレゼンテーションを今年に入って、開発・制作をしていました。その間に発見した、「とんでもないこと」です。

 今、世間、あるいはIT業界を中心に騒がしている言葉にIoT (旧車もIoT、M2M時代 - タイヤ空気圧のリアルタイムモニター) があります。簡単に言うと、何でもつないでもっと情報を活用し、且つ情報の価値を高めて、より精度の高いものに引き上げるものです。

 それを推進するための重要なことがこれも巷を流れている言葉の一つが “デジタル化” です。実はこの言葉が日本語で実に曖昧さを含んだ解釈となっています。グローバルには、すなわち英語で、Digitization (デジタイザーション) とDigitalization (デリタリゼーション) があります。前者はアナログ情報をデジタル情報に変換させること (VHSビデオをDVDに変換するような) を指し、後者はそれを活用するビジネスモデルを変革させようという全く新しいことを意味し、実は日本ではどちらの言葉も “デジタル化” で済まされています。

 問題は日本には、もう一つの “デジタル化”  を意味する単語があったのです! それは、“デジタライゼーション” です。どうもマスメディアの関係者が米国のイベントで入手したDigitalization (デリタリゼーション) という言葉を “デジタライゼーション” として解釈して、あるいは発音してテキストを起こしたようです。これはまあ許せる範囲内でしょう。

 問題は、幾つかのメディア (例、IoTNEWS:https://iotnews.jp/keywords/デジタライゼーション) は何と、 “デジタライゼーション” を丁寧にも “Digitalaization” という単語を創造していることです。この単語は英語ではありませんし、英語圏、あるいは日本を除くグローバルな世界では通用しません。もちろんグーグ検索でもひっかりません。

 世界には存在しない新しい英単語を創ってまで日本の社会に新しい言葉や文化を紹介してしまうとまさにおそるべきメディアのアクションであります。

 日本の社会は情報については今でも旧態依然とした鎖国 (wiki - sakoku) 状態なのだと感ずる部分です。我々、旧車の世界は大丈夫でしょうか?日本の常識は世界の非常識 (グーグル検索) とならないよう願うばかりです。

2017.5.13:ミッションプロジェクト、最終コーナー手前

20170513 Mission PJ

 ミッションプロジェクトも組立が最終段階に近づいて来ました。

 今日はサイドカバーのオイルシールの組込みを進め、最後のバッククラッシュの再確認、セカンダリシャフトを締め上げた後はやはり若干過大になりました。シムを交換して一応、基準値に収まりました。

 そして、ベルハウジングを取付け、これも規定トルクで締め上げました。

 残る作業はリレーズベアリング&シフトフォークの取付、そしてカバー類の装着です。いずれもクリアランスなどの要素がなく単純作業です。ただ、カバー類の6ミリの新しい平ワッシャは数が足りませんので発注することになります。

 今日も近所の頼りになるヘルバーさんがタイミングよく顔を出し、セカンダリシャフトの締め上げに大いに助けをいただきました。何時も感謝です。

2017.5.13:歴史は意図をもって塗り替えられる!

20170513 Alpine Book

 2001年に発売されたAlpine des hommes, des voitures - Tome 1 (意味的にはアルピーヌと男たち) 、ルノー・アルピーヌ関係では著名なフランスのJean-jacques MANCEL氏の手により執筆され、2001年に出版されました。

 タイトル通りにルノー・アルピーヌに関連した男たち34人が当時の姿とその後がフィーチャーされています。当然のことながら、Jean Rederel (Wiki) 氏はその筆頭であります。

 数多くの写真が掲載されています。その中に興味深いのがあります。それは当時の日野ディーゼルから出向 (出張?) されている方の写真も幾つか入っております。プラスティックボデーの車体製造の技術習得と日野スプリント1300GT関連です。

 実はこの本を購入後、今から10年数年以上昔ですが、日野自動車の広報を通じて、写真に登場する4名の方について、確認をしたいと打診しました。しかし、その返事は、日野自動車としてこのような人たちは知らないし、そのような事実は知らないと、当サイトオーナーにとっては、にべもない回答の結末となりました。

 この書籍に登場する日野ディーゼルの社員と称される人たちと一緒に写っている共に仕事をした "Alpine des hommes” の人たちは健在であり、その当時の記憶もしっかりと語っていただけます。「知らぬ存ぜぬ」とこのようなことを聞いたら何と思うでしょうか?歴史として真実を語っている本書に対して自身の歴史を否定してしまう大企業の論理とは如何なものでしょうか!

2017.5.7:ミッション周りガスケット

20170507 Gasket Pattern

 今日でゴールデンウィークも終了、明日からのノーマルな生活に戻るべく、コンテツの作業もトーンダウンとなっています。

 ミッションプロジェクトの最後の組立に向けて、まだ用意してないガスケットを切りました (参考:工作の相棒 - パッキンポンチ) 。また、この際ですから次回のミッションプロジェクトに向けてその際にすぐに切れるようパターンを用意して置きました。実際、ガスケットの製作は結構時間を喰うモノです。

 そんなことをしながら、午後の時間はあっと言う間に過ぎました。頭の中がここ数日の連休の趣味主体のモードから明日からの仕事主体モードに切替つつあります。こればかりはこの歳になってもはるか昔のサラリーマン時代のような行動パターンを変えることができません。

2017.5.7:英retro cars誌に日野コンテッサ1300

retro cars 201612 HIno

 英国の旧車専門誌、retro cars (KELSEY media) 、レストア専門ではない、クラシックカーではないものの走るレトロなクルマを専門に扱っているようです。

 直近の12月号に “MADE IN JAPAN” の特集が組まれ、“5 JAP RIDES” と題し、カローラ、サニー、ダットサンなどと共に、「1668 HINO CONTESSA」がフィーチャーされています。

 紹介されているコンテッサ1300セダンは、London  Science Museum所有のものです。誌面にはモーリスマイナー、シトロエン 2CV、フォルクスワーゲンビートルの世界中誰もが知る象徴的なクルマ (iconic shape) と共にスタックの一番下に意味不明な (willfully obscure) 日野コンテッサと紹介され、一連の背景などが日野自動車とコンテッサの歴史と共に記述されています。

 日本でもマイナーな日野コンテッサが世界で販売されているretro cars誌に5ページも紹介されたことは歓迎すべきものです。

 興味ある方は、eBayなどの通販で購入できますので手にすることを薦めます。

2017.5.6:本日&明日は、Planes of Fame エアショー

20170506 Chino Air Show

 米国カリフォルニア州の飛行機博物館のPlanes of Fame (ブレーンズ・オブ・フェイム:チノ航空博物館) から5月6&7日のエアショーの案内が3月くらいから毎週のように来ております。今年は60周年記念のようです。

 昨年の4月は運良くエアショー前の零戦の完全解体整備 (レストレーションのようなもの) を見学することができました。

 このエアショーは何十年前から知っておりますが、残念ながらその場にはいたことは今だありません。

 毎年、今年はと、淡い、あるいは非現実的なことを思い描くだけです。エアショーは多く機体の飛行を一度に見れるでしょうが、人ごみとか駐車&渋滞を考えると、やはり普段の閑散とした現場に行って、じっくりと見学するのが良いかと考えます。

 運よければ、昨年のように零戦の整備風景を目の前にすることが出来るでしょう。

2017.5.6:ミッションプロジェクト

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 本プロジェクトもいいよいよ車載作業を除いて最終章に差し掛かっております。

 本日は、シフトリンケージ類の部品製作を午前中から進め、午後はシフトリンケージの仮組付けを行い、最終組付けへと進みました。

 シフトリンケージのカバーは仮ではありますが取付けをして、シフトローッドにて各ギアの入り具合を確かめました。最終型のミッションの特徴であるシンクロのスプリングの強力さは大きなものがあり、実際のドライブが楽しみであります。

 残る作業は、一度組み込んだデフの再取付け、各カバーの取付、デフのオイルシールを入れる、そしてベルハウジングの組付けとほとんどがルーチン作業です。

 今回、久しぶりにミッションの作業に際し、日野の整備マニュアルを頼りにしました。当時の整備屋さん向けで、素人にはデティールの物足らなさを感じました。ヘインズの整備マニュアル (Haynes Publishing) などの素人向けに編纂されており、かゆいところに手が届いている解説書に慣れてしまったこともあるのでしょう。日野コンテッサ1300のヘインズ版があればなんて感じております。

2017.5.5:トランスミッションのデフのバッククラッシュ

20170505 Mission BC

 昨日、取り付けたシムの状態で、今日は、デフを入れてチェックしてみました。

 日野コンテッサ1300の整備書にデフのバッククラッシュは、0.13〜0.18ミリと書かれています。

 実際、デフと組んだ状況で0.4ミリのシムは過大だったようで遊びが出ません。そこでシムを取り除くと結構大きなバッククラッシュとなります。何度も取っ替え引っ替え組み直して、最終的に0.2ミリのシムで写真のように基準値に入りました。

 上記の組み直しの際に、その都度、光明丹であたりをみるとそれないに変化はあるのが分かります。ただ、日野のマニュアルにあるようにはゆかず、リスク承知で妥協をしました。経験の無さの根負けです。

 今回、上記の0.13〜0.18ミリの基準値はネットで調べると、現代のクルマでも同様な値が書かれていました。また当サイトオーナー、座右の書、“最新 自動車整備全書 門馬孝吉著 (昭和30年5月25日発行) ” によれば、「アメリカでは0.005〜0.007インチに調整するように指定」と、それは0.13〜0.18ミリではないか、このあたりの技術のルーツはアメリカなのかと知りました。この辺りの技術は何十年も不変なのかと感ずるとともに、新たなイノベーションはないのかと思うものです。

2017.5.4:トランスミッションのコニカルディスタンス

20170504 Mission CD

 日野コンテッサ1300のセコンダリシャフトの先端とデフのセンターの距離は、整備マニュアルによれば、53.72ミリが設計上の値、しかし個後の部品&アッシーには個体差があり、その値についてデフのクラウンギヤに電気ぺんで刻印されています。

 今、制作中のミッションのそれは53.53ミリと書かれています。この値に調整しておけば、デフを取り付けた際のあたりがベストになるのだと解釈しております。

 写真のように、30年くらいまえに制作した自作のSSTを使って、53.53ミリになるように先般、モノタロウから購入したベアリングのシム (0.05, 0.1, 0.15, 0.2ミリの4種類) を使って、0.4ミリの厚さで取り敢えず調整してみました。

 この先はは、デフと取り付けで更なる調整となります。


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