例年恒例のイベントです。トレンドを勉強するためです。目的の設計・シミュレーション・ゾーンに最初に向かいましたが。しかし、今年は業界を牽引するソフトウェア・プロバイダーが残念ながら目にできません。理由は分かりませんがこの場に於けるROIの問題でしょうか、またはこの場以外で十分プロモートできる、あるいは成熟が進んでプロバイダーとユーザーがすでに強固な関係になっているのかなと推測するものです。とにかく見るべきものは感じられませんでした。
個人的にはボデーがアルミやCFRPなどの軽量化に向かう中の進化にも興味があります。今回、溶接に代わる市場の実車で実用化している締結プロセスの企業が出展していました。例えば、Audi A8 RSVに応用されているEJOT、画像はサンプル展示の社シューのフロント部分です。ボルトのように見えるのがEJOTでボルト自体が溶けてリベットのように固定 (実際のプロセスは複雑) してしまいます。アルミパネルを傷めないと分析します。ボンディングもありません。このサンプルをよく見るとスタラットの台座もアルミになっています。このAudi A8のボデー構造については2018 Audi A8 Body Structure - Engineering Wonderに見ることができます。それによるとカーボン板も使われているようです。
この日もドライビングシミュレータがありました。関西の環境系のベンチャー (?) の株式会社 成田という企業が自社開発&特許の新しい直流モーターを提案していました。通常、EVは交流モーターですが直流モーター故の利便さをもってEV、船外機、耕運機など可能性の実証を進めてるとのことです。電圧制御だけで行けるシンプルさが売りです。日産リーフと同等のバッテリーエネルギーで倍くらいの走行距離と説明していました。
その一環で昨年、旧いWESTのフォーミュラにその直流モーターをヒューランドミッションにドッキングした個体を展示してました。バッテリーは市販のOPTIMA イエロー 総計20個でした。その取付はEVカー設計の常識からすればこれで走ったのかと思うほどとんでもなくヤワなものと感じます。
この個体を実際に鈴鹿で走行テストし、そのデータを入れたのが画像にあるEVフォーミュラシミュレータとのことです。
予約を入れて試乗 (?) させていただきました。先の787のフライトシミュレータと違って乗物は地面を這うほうが難しいようです。加速感が平らなトルクで違和感、それにブレーキがドンと効きません。やはりミッドシップ、コーナーで車両の中心でスピンするのを感ずることができ、それにカウンター当てても回ってしまいます。終わって担当の方がダイナミックな運転ですね、そして、何かやってますか、、、と仰ってくださいました。
いずれにせよ併設イベントのEV・HEV駆動システム技術展、自動運転EXPOなど含め実に盛り沢山の内容、自動車産業界の興味の高さ&明日のクルマへの危機感を感じるものでした。