画像のように巷の多くのブログでも取り上げられている警告:Check anti-pollution systemであります。
とても嫌なアラームです。しかし、最終的には "果報は寝て待て" ごとくの結末でした。以下、そのシーケンスを追ってみます。
ことの発端は昨年8月後半のエアコンが効いたり効かなかったりかり、どうも25度あたりを境に効かなくなったりで、女房が乗った時は効いてた、俺が乗った時はきかんかったとか、夜、外食をした際、往路は効いてない、しかし帰路がバッチリとそん風でした。そしてその内、復帰することがなくなりました。
秋口に入り、車検に出しました。当然ですがエアコン効いてないと連絡があり、診断機で圧力センサーの不具合があるとかで、それならセンサー購入したら取り付けれイイのだとそのままにしていました。月間走行距離、500km以下の個体です。結局は年を越しました。そして春が過ぎ、最近、初夏に近づいた、つまりもうエアコン無しは我慢ができなくなりました。半世紀超えの日野コンテッサならこんなことはなく根性でいくら暑くともなんともないのですが、やはり現代のクルマに乗る際は豹変してひ弱な人間に変わります!
まず行ったことはエアコンの圧力センサーを探し、チェック、下の画像のようにとんでもないところにセンサーがありました。YouTubeのフランスのルノーデーラー (?) はバンパーを外すのに25分弱、素人の自分は何と三時間も費やしました。どこかのディスカッションルームに書いてあった圧力センサーの交換に四時間かかる、しかも二人必要と、なるほどこういうことか!と学びました。
しかし、肝心の圧力センサーは抵抗値を測ったり、またそこからコンピュータ側に擬似の電圧を加えても何ら動作に変化ありません。すなわち圧力センサーは機能上問題なしと判断しました。
ではと次に試したのはコンプッサにちゃんと電力が供給されてるのかということです。画像のようは以前ダメになったコンプレッサ の配線材料を使って以下のような電圧チェックの簡単なツールを作りました。これをエンジンの奥にあるコネクタに差し込んでみようということです。
目視が難しい手探りの作業です。そこで大変なことを発見しました。エンジン下方の見えない場所のコネクターを抜こうとしてさわったら、なんとすぐに抜けてしまいました。これが原因か、ちゃんとロックされてないのか (約2年前に自分がしたことですが) 、とちゃんとロックするまでガッチリと固定しました。つまり、約2年前の素人整備でコネクタをちゃんと取り付けることなく作業を終えて、結果的に時間と共にだんだん抜け落ちてきた、最終的に接点は完全に離れ、コンプレッサ を起動することはなくなったのです。
さて、これでエンジン始動、何てことでしょうか、難なくエアコンはコンプレッサ のカチンという音とともに動作しました。だがハッピーエンド!ではありませんでした。エンジン始動とともに新たな警告を発してるでないか!それも複数です。
Check injection system、そして冒頭にあるCheck anti-pollution system、さらに赤ではありませんが、Check auto gearbox、もちろん運転していかん、すぐにデーラーに行けのオレンジのスパナマークが出てます。
そこでiPhoneでOBDIIのチェッカーを入れました。エラーコードの検出は、"Intake Air Temperature Sensor...." (吸気温度センサー) とすべてのセンサーのチェックでは、吸気温度が-40度とこれはおかしいなと思いました。
この日はこのままにしてネットでも検索、吸気温度センサーはどこについてるのだと、運良く、ルノー メガーヌ 3全モデルの整備のための分解&組立のマニュアル、およそ5,000ページ弱のPDFドキュメントをダウンロードできました。しかし、フランス語です。グーグル翻訳を使い、吸気温度センサーの位置を特定できました。
二日後、吸気温度センサーが悪いならばそれを交換、まずははずして機能をチェックしようと、エンジン周りのセンサーがあるべき位置を確認しました。何と、コネクターが抜けていました。上述のコンプレッサのコネクタにアクセスしようと手探り状態の時に腕のどこかた外してしまったようです。これで一巻落着です。なんとも情けない話です。
コネクタを接続して、エンジン始動!こんどはどうでしょうか?OBDIIでの吸気温度は39度と正常のようです。しかし、Check anti-pollution systemは点灯したままです。エラーコードも何種類か出てきます。
そこで再度、ネットでCheck anti-pollution systemをみんからをはじめいろいろチェック、おおよそ分かったことは次のようなものです。
- O2センサー交換で消えた。(ルノー)
- デーラーで点火プラグ、イグニションコイル、高圧ポンプ、タイミングチェーン交換、吸気ポートカーボン除去などその都度交換。定番エラーとか(プジョー)直ったとは書いてない。
- プラグ交換、デーラーではイリジウムプラグはエンジン不調を起こす事があると言われた。BOSCHに変えたが同じように真っ黒。(シトロエン)ここでも直ったとないが。。。
- デーラーに入院、あずけた。(ルノー)結論は書いてない。
- O2センサーが死んだとデーラーが!自分で交換(ルノー)
- インタークーラーのOリング劣化、自分で交換(ルノー)
- デーラーに預けた。(プジョー)原因など書いてない。
- デーラーでイグニションコイルに原因ありの判断。(プジョー)
- 出たらWAKOの添加剤を入れる!数日後に消える。出たらまた入れる (?)(プジョー)
- 再度の高圧ポンプ交換。根本原因は不明!(プジョー)
- バッテリーを交換する。(プジョー)これの書き込みは複数あり。
などなど、キリがないほど出て来ます。どれも確かに消える、あるいはいろいろを交換しているようです。これを見てると怖くなりました。コンピュータの結果に手探りのようは判断にも見えます。デーラーにお任せしたらとにかく悪そうなものから交換か?総合的に判断してるのもあるだろうが。。。プラグやO2センサーをはずせばどれでも新品に比較して劣化してるように見えるのは普通だが本当に悪いのか、つまり機能不全と言うものかです。
さて自車の本当の原因は何だろうか?つぎに欧州の検索をしてみました。結構、多いのディーゼル車です。これは参考になりません。上記の日本のユーザーのようにあれこれとやっているものも見当たりません。その中でこれはと思ったのが次の二つです:
- バッテリーのターミナルを外し、15分待つ、そして戻す。
- 3000rpmくらいでフリーウェイを100kmぐらい走る。
まず、バッテリー、これはおそらくコンピュータ関係の何かがリセットされると分析、時計などは再セットが必要です。とにかく、信じてやりました。しかし、結果はダメでした。
それでは二つ目、走る、これはおそらくセンサーやプラグのその他などに付着した不純物を取り去ることです。すわなち始動や街乗りでの濃いガスでもろもろが汚れたことへの対処です。日野コンテッサでも時々してることです。ビ筑に行く際、下道と5分くらいしか差がなくても大回りの常磐道を短時間でも走るのはそのためです。
吸気温度センサーを外した際の吸気温度が-40度、それは何を意味するのか、つまりエンジン始動時、その後、アイドリングや加速時含め、ガスが濃かったと考えます。これは昔のキャブ車の日野コンテッサならばプラグを濡らし、それで終わりで、症状が明確です。しかし、現代のセンサーだらけのクルマは警告は出すもののドライバーに不快感を与えず何とか走ってしまうのではないかと分析します。
日曜日は外環使うのでその時に消えるだろうと楽観視することにしました。つまり、家宝は寝て待て戦略です。
どうでしょうか、三日過ぎた金曜日、週末の工作材料購入でホームセンターに行こうとエンジン始動、警告は出ません。その後もOKです。おそらく中の汚れているのが自然に乾いたのだろうと考えます。めでたく解決です!自分の愚かな作業ミスでいろいろコンピュータを惑わしたようで、またそれを見落とした自分もいた訳です。
今回のCheck anti-pollution systemの原因は、単に吸気温度センサーを外してしまった際のエンジン始動とその後の数キロの走行の際の、吸気温度-40度と判断したコンピュータによる混合気の濃さであったと推測します。すなわち、コンピュータの判断で濃い混合気を作り出した、結果的にO2センサーはわずかながら汚れた、最終的にCheck anti-pollution systemのソフトウェアロジックの判断で警告を発したと分析します。この程度のことならば放っておけば自然回復することだったのです。あくまで結果論です。
しかし、ネットでの多くの人がデーラーで交換交換でなかなか結果がでないというのも考えものです。ベストはメーカー自身がCheck anti-pollution systemがどのようなロジックでどのようなセンサーを使ってどうプログラミングしているのが明確にしてくれることです。それがあれば余計なことをしないで正しい判断ができると考えます。これは難しいでしょうね、経済との絡みもあって。。。
最初は恐れをなしたCheck anti-pollution system、しかし今は何事もなかったようです。イイ経験をしました。すべてがセンサーとコンピュータでエラーを出してくれるのもありがたいですが、うまく付き合う必要があると感じました。コンピュータまかせにはできない、それを見越した判断力が求められるようです。何だか、最近のAIだとかビッグデータだとかコンピュータのパワーが騒がれていますがそんなものも同じように付き合うことが肝要と考えます。つまり、そんなのは時には放っておけ!、最後はそれを超えてる人間さまの判断です。