我がコンテッサ、2013年の公道復帰の際に検討の結果、バッテリーは、VARTA (バルタ) のSUPER J-SPECの55B19R (60B19R相当) を採用しました。理由は簡単で、普段あまり使用しないし、エンジンをかけない別の個体にVARTAを長年しようしており絶大な信頼感があったためです。おそらく長期の使用では結果的にVARTAの方が安心且つランニングコストに分があると考えてたからです。
実はここに至る前、長い期間の間に不埒なことを考え、実践していました。それは軽量化のために小さなバッテリーを使うことでした。例えば、農業用バッテリー:豊作くん (容量:21A、重量:7kg、CCA=不明) やドライバッテリのODYSSEY (ES12V700=PC625、容量:18A、重量:6kg、CCA=200A) など手にしました。しかし、使わなかったこともあり自然にダメになり、使う意欲は消え失せました。これはこれで正解だったと考えます。
最終的に復帰のための最終工程でVARTAに決定し、ネットで購入しました。つまるところ、安全パイであります。今、その購入伝票をみますと、4,880円、これで税込み、送料込みとなっています。これはすごいバーゲンプライスです。圧倒的な始動性能 (CCA=410A) 、高い充電受入能力、充電制御車対応、極めて少ない自己放電などなどどれをとってもこの価格にしては圧倒的な性能です。
購入の2013年9月からおよそ6年半の2020年2月まで、このVARTAは何の不具合も無し、何度か乗らない期間が長い際はあらかじめ充電 (2A程度の低電流) を予備的にしただけでエンジン始動不可なことは一切ありませんでした。さすがCCA=410Aの効果をいつも感じておりました。もちろんこのバッテリー液の補充は無縁です。
このバッテリーに出会う何十年もの間、コンテッサのような旧いクルマに良かったと思うバッテリー (国産の複数のメーカー) に出会っていませんでした。だいたい2〜3年で名だたるメーカー製も力強さが半減してきて、バッテリーとはそんなものかと思っておりました。しかし、それを一変させてくれたのがこのVARTAでありました。人様にも自信をもって進められる性能と考えています。
そんなVARTAではありますが、2020年1月末、予防メンテナンスと6年半を迎えることはそろそろ交代の時期と考えたわけです。色々とリサーチして分かったのは重量です。パワー=CCAが大きい、それは重量があることを意味することでした。カタログ上で使用中のVARTA 55B19R (CCA=410A) は10.4kgです。
実は国産メーカーのほとんどが “長持ちする” とか”始動がすぐれている” と謳っているものの、実は表立ったCCA表示がないのです。評価数字が明らかにしてないことは誠に残念なことです。これはメーカーだけの責任ではなくそれを求めてない消費者の責任であるかもしれません。例えば、パナソニックのフラグシップ N60B19=9,5kg、標準車用 N-40B19=8.0kg より安価なN-30B19=7kgとなっています。確かにバッテリーは金額次第、それは重量に反映、ひいてはパワーのCCAになるのだと思いました。昔使った安価なものはひ弱でパワーが長持ちしないというのがわかるようです。
こんな具合にCCA=重量であることを認識したこともあり、軽量化の観点で、再度、VATRAを使うかを悩みました。そこで思ったのがこの際だから新しいチャレンジをしてみようということです。それは長い間思い描いていたホームビルド航空機などに採用されていたリチウムイオンバッテリーです。
実はかねてからカリフォルニアの航空機部品販売のAircraft Spruce & Speciality Co. 社の EarthX社のEARTHX 680C LITHIUM AIRCRAFT BATTERY (上の画像) を検討してました。FAA (連邦航空局) の認可は未だですがExperimental向け (実験機) をターゲットしているシリーズ製品の一つです。重量=1.77kgと超軽量、その分、容量=12.4Aと小ぶりですが、CCA=320Aとまあまあ、最大充電流は60Aと急速充電OKです。もっとも重視したのがこの製品は航空機用に開発されたものでおそらく信頼度があると考えたわけです。航空機向けに開発されただけにバッテリー回路の異常動作を知らせる信号ラインもあることも魅力の一つでした。
よし、これで行こうとすぐポチってしまいました。問題は送料でAircraft Spruce & Speciality Co. 社から案内が来て、ビックリ、400ドル越えでとかで先方もびっくりしたようでどうするかと確認がきました。結局、これはアクセプトできないと断りをいれました。
次に、製造元であるearthX社に直接アクセスをしました。ここではレーシングカー向けにも案内されている同様のEARTHX 680C 、そして専用の13.2V OPTIMATE TM-291 5 AMP LITHIUM (LIFEPO4) BATTERY CHARGER/MAINTAINERと言われるバッテリ管理システム (所謂、専用充電器) を注文、送料も100ドル以下とリーズナブルでした。しかし、問題が発生、充電器の在庫がなく1ヶ月くらいかかるとか、結果的にここでの購入も諦めました。
これで自身の基準である航空機用は選択肢がなくなりました。そこで国内に目を向けるべくみんカラを初めにネットを検索しました。そこで発見したのが米国のShorai Inc. の日本代理店のSHORAI JAPANの製品です。こちらはもともと米国市場で2輪車向けで成功した歴史&経験あるメーカーのようです。4輪の使用は一切記述がなく推奨もしてないようです。(参考:米国サイト製品一覧)
考えてみれば2輪では大型バイクなどもあり、排気量がコンテッサ以上のエンジンなのでこれは行けると判断しました。日本のサイトをチェックしたり米国の製造元のサイトをくまなくチェックしました。そこで選択したのが、最大級のLFX36A3-BS12 (参考:米国サイト) 、容量 (カタログでは単に電流) =36A、CCA=540A、重量=2.19kgです。説明によれば、容量が充電流とかで急速充電が可能なものです。SHARAI JAPNAにメールでの問い合わせ&相談 (二輪ではなく四輪に使用すること) をし、結果的にバッテリーチャージャー/テンダー (参考:米国サイト) 、すなわちバッテリーマネージメントシステムも購入しました。
さすが国内販売をしてるだけ海外製品でも翌日には手元に届きました。19Rサイズのバッテリー端子アダプターは別途ヤフオクで入手しました。以下の画像は、VARTAとの大きさの比較です。
VARTAは10kgオーバー、Shoraiは2kg+です。8kg以上もの差です。コンテッサ の左前のフロントのノーズにこの重さが収まっていることを考えてみるとたかだか8kgと言えども運動性能に大きな効果ありと考えます。日野コンテッサが発売当時の1964年のバッテリーN40は17kg (!) だったのでそれから15kgもの軽量化です。時代の進歩、テクノロジーの恩恵は誠に偉大であります。
取り付けは以下の画像のようにダイソーで適当なボックスと発泡スチロールを購入して、後は木材を噛ませて、あるいは騙して、VARTAの形状に似せて納めました。いずれアルミ材などを加工してもうちゃっとカッコいいレーシーなものにしたいと思います。
さて、リチウムイオンバッテリーに交換後の状況ですが、色々不安もありましたが何しろこのCCA=540Aのパワーは強大です。二輪専用に開発されたものですがネットではエリーゼとかポルシェなどかなりの排気量の大きいクルマに使われているのが納得です。また、バッテリーマネージメントシステムのストレージモードも便利なものです。
ストレージモードで接続しておき乗らない間も自動的にバッテリーの自然放電など含め関して、常にベストな状態を保ってくれるようです。始動はいつも完璧です。以下の指導状況のビデオをご覧ください。
自車は何時ものように1〜2週間程度のインターバル後の始動です。電源オンの際には電圧計 (デジタルの青表示) は理論通りの13.2Vを示します。そしてIGオンにすると電磁ポンプやIGコイルの電流消費で徐々に電圧を下げてゆきます。これは結構ハイペースです。そしてエンジンオンにすると、電流計は30A以上の流れを示します。これもShorai Batteryの最大充電龍の36Aの理論値に近いものです。そして徐々に減って行きます。エンジン始動時に一気に消費した分を徐々に取り返して行きます。並行してオルタネータの充電電圧も規定値の14.3~14.4Vに安定してきます。この間、およそ1分半くらい、2分もすれば完全に落ち着きアクセルオフとしてアイドル状態にして14.4Vに保ち、Shorai Batteryの元の状態に戻り充放電もなくなります。
およそ6ヶ月を経た今日の時点では新たなテクノロジーのリチウムオンバッテリーはオーナーを裏切ることもなく安定可動しています。当初はVATRAバッテリーを万が一のために携行してましたが、先の7月のビ筑ではそれもせずに参加しました。
この先、新しいテクノロジーのこの超軽量リチウムイオンバッテリーを信じてコンテッサライフを楽しみたいと思います。フロント部の8kgの重量軽減については別途報告します。