我が日野コンテッサ1300クーペのスタイリスト、イタリアのジョバンニ・ミケロッティさんに関する書籍:GIOVANNI MICHELOTTI UNA MATITA LIBERA - A FREE STYLIST です。息子のEdgardo MichelottiさんとGiancarlo Cavalliniの共著となっています。(参考入手先)
最近、縁あってのEdgardo MichelottiさんからPDF版の書籍が贈られてきました。すごいですね、287頁の大作です。これがBOX入りのハードコピー版だったら結構な迫力になります。内容は氏の生涯の代表作が貴重な画像と共に解説されています。日野コンテッサも冒頭の1/5モデルに加えて内部に5頁程度載っております。
氏のデザインは単にスタイルだけではなく、例えば、日野コンテッサ1300の場合、インテリア、人間工学的な使い勝手、さらにボデー構造まで及んでいます。そんなものがBMW700/1500/2002、トライアンフ ヘラルド/スピットファイア/TR4/TR5、DAF、Alpine、Abarthなど数千ものモデルを手がけることになったようです。
個人的に氏のデザインの良さは、よくあるカロッツェリアの大金持ち向けの庶民にとってギミックのような集合体ではない、つまり誠に実用的で簡素なクルマたちに尽きると思います。
例えば、安全性のためにスイッチに絵文字を入れたり、ダッシュボードをクラッシュパッド構造にしたり、リヤのコンビネーションランプにバックライトも組合せ視認性をあげる (コンテッサは当時の法規制で実現せず) などそのアイデアの数に限りがありません。
本書はミケロッティファンだけでにとどまらず氏のカースタイリングの集大成が詰め込まれた必見の書籍だと思います。
実は、今年、2021年は、ジョバンニ・ミケロッティさんはこの世に生を受けた1921年 (1980年没) から100年目にあたります。それを記念して、イタリアのMuseo Nazionale dell’Automobile di Torino (トリノ国立自動車博物館) では、“1921 – 2021: MICHELOTTI WORLD” と題した特別展開催を企画しているそうです。開催期間は2021年9月20日〜2022年1月10日だそうです。
展示は当時のデザインピースなど企画されているようです。また、歴史に残る主要なデザインの実車展示も企画されており、日本からは日野コンテッサ1300や日野コンテッサ 900スプリントの展示を日野自動車に要請しているようです。ぜひ、イタリアのトリノの場で、世界の名車と共に日野コンテッサたちが見られることを期待するものです。