先の1月に、2022.1.20:日野 GR100エンジンの遠心ガバナー進角度に書いたように、日野コンテッサ1300 GR100のディストリビュータ の遠心ガバナーの疑問です。
つまり、高回転域で定説の36°と言う進角へのコンテッサ の対応です。また、これまた、一般に言われている、エンジンの始動が可能は進角に設定する、それは10°以下だということです。
コンテッサはどうでしょうか?
その後、検証のために、いろいろ、似たような当時の4気筒エンジンのリサーチをして以下のようなことが判明しました (抜粋):
- 日野コンテッサ1300 (DENSO 29100-063-1)
- 開始 (ガバナーの動作開始):0° at 1000 ~ 1400 rpm
- 中間 (セカンダリースプリング動作開始):2.5 ~ 4.5° at 1800 rpm
- 最大 (これ以上は無しの最大進角):10 ~ 12° at 3800 rpm
- 推定最大進角 (アイドル時のイニシャル進角を加えた):セダンは、22°、クーペは、28°
- VW 1302 & Super Beetle 1600 (Boche113 905 205 AM)
- 開始:0° at 1000 ~ 1200 rpm
- 中間:12 ~ 16° at 2200rpm
- 最大:22 ~ 25° at 3800 rpm
- 推定最大進角:31°
- PORSCHE 912 (Boche)
- 開始:0° at 700 ~ 900 rpm
- 中間:12 ~ 18° at 1400rpm
- 最大:27 ~ 33° at 3100 rpm
- 推定最大進角:35°
- Mini Cooper S 1275 (Lucas 23D4)
- 開始:0° at 650 rpm
- 中間:12° at 1200rpm
- 最大:30° at 5000 rpm
- 推定最大進角:36°
- BMW 316 (1975 -1982) 以下は、イニシャルの進角を加味した進角 (ガバナー単体での最大進角:36°)
- 開始:8 ~ 14° at 1000 rpm
- 中間:25° at 2000rpm
- 最大:40 ~ 46° at 4500 rpm
これを見れば、確かにコンテッサ1300のガバナーの進角は小さく、幅も狭いということになります。また、アイドルの進角、特にクーペは異常のごとく高いものになっています。それに比べて、コンテッサ 以外の車両の定説である35 ~ 36°であること、また始動時の設定が10°以下であることが明確です。中間点の進角についてはそれぞれの設計者の考え方あるいは車両の味付け、カムのプロファイルその他諸々含めた包括的な要素の結果であることは間違いありません。
これが良いのか、悪いのか、議論が必要です。また、日野自動車の当時のエンジン設計者は、GR100エンジンにどのような性格を望んでいたのでしょうか?