前回 (2022.3.31:日野 GR100エンジンの遠心ガバナー進角度 (その2)) では、ディストリビュータ のガバナー進角について、日野コンテッサ1300のそれて、当時の似たような小型エンジンの比較をしました。
確かに、確かにコンテッサ1300のガバナーの進角は小さく、幅も狭いということが明らかになりました。そこで、もう少し、理解を深めるために、エンジン回転数との関係を理解したく、下に示すようなグラフを創ってみました。ここでは、日野コンテッサ1300、空冷VWとそのエンジンの高性能化したPorsch 356、70年代のBMW 316、さらに自分も所有したホンダシティ (E-AA) をピックアップしてみました。
ここで見えたことは以下のようです:
(1)日野コンテッサ 1300と空冷VWは、ホボ同じようなカーブです。ただ、空冷VWの方がアイドル時、すなわち始動時の新角度は低いようです。ある意味では始動がし易いのかなと思います。この設定はリスクフリーなのでしょうか、つまり空冷VWの世界中至るところでの使用環境を考えたものかも知れません。日野コンテッサ 1300も同じ戦略?、これはどうでしょうか?
(2)すごいと思ったのは、空冷VWとPorsch 356、同じ型式のエンジン、Porsch 356は随所にアップグレードしたというのは事実ですが、進角度についてはあまり知られてないようです。それがこんなにも違うのかと、始動時は5°、そしてすぐに立ち上がり、1400rpmで20°と、3000rpm以降は理想の35°!これこそが German魂のチューンアップなのでしょうか!鋭いピックアップ、そしてレスポンスの秘密はここにありそうです。
(3)そして驚いたのがホンダシティ "R" です。解せないというのか、驚愕はイニシャル、すなわちアイドルが25°!そして2000rpmでが33°、そしてトップエンドの5000rpmでが46°、信じられないのですが整備書がそうなのです。結果的にこれもありかと感じるものです。1200cc、90mmの超ロングストローク!なるほど、これが0-400m、ホンダS600並の18.1秒を叩き出す秘密なんでしょうか!?
(4)そして、もう一つ、面白いと感じたのが、BMW 316、何の変哲もない4気筒の1600ccエンジンです。それがアイドルでは8°程度、2000rpmでは28°、その後、4500rpmでは44°、何か危険さも感じるほどのカーブです。でもこの辺が平凡そうに見えるエンジンがFun to Driveになる秘密なのか知れません。
これで、いろいろなものが現実なものとして見えて来ました。この先が楽しみです!