今年も縁あって幕張メッセでの「オートモビル カウンシル」、見学することができました。ここまで皆勤、色々と変化も目についてきます!
今年のテーマは、当初は欧州のレースで活躍した車だったような記憶があります。しかし、実際に現場でそのような雰囲気が感じられません。記憶が違っているのかも知れません。
また、ここ数年、残念がら継続的に縮小化の方向なのか、今年は、特にメーカーブース、ホンダとマツダはいらしたものの、日産やトヨタはあまり目に入りません。この辺、販売促進のような展示の業者と違って、クルマ文化を表現していただけるメーカーが少数だというのも寂しい限りです。
さて、例年のように自分が感じたトップ3、独断と偏見で挙げてみましょう。
ナンバー1:ホンダシビック 1972年型
初代の1,200cc車、日本はもちろん、世界、特に米国で普及した日本初のベーシックカーだと思います。今年はちょうど、50年目であり、50th Anniversry CIVICと共に「50」を強調して大々的な展示でした。
すばらしいですね、CONGRATURATIONS!
50年後の現行CIVICは、ボディもパワープラントとも大分マッシブ且つ豪華になっていて個人的にはシビックとしてオーバースペックで寂しい限りです。世界の潮流なのでしょうが、いつかは原点回帰したCIVICを見たいものです。
ナンバー2:ホンダシビック (フジGCマイナーツーリング仕様車」
初代のシビック、1978年から1983年までGCシリーズで活躍した個体だそうです。エンジンのスペックを見ると、水冷4ストローク 直列4気筒 OHC 2バルブ ベルト駆動 1,298cc 最高出力:150PS/7,800rpm、車重は600kgとか。パワーウェイトレシオ:4kg/PSと恐るべきものです。ちょうど、コンテッサ1300の標準車の4倍です!
ナンバー3:マツダコスモスポーツ、マラソン・デ・ラ・ルート出走車 (レプリカ)
1968年 ニュルブルクリンクのマラソン・デ・ラ・ルートの84時間の過酷に競技にロータリーエンジン (10A) で挑んだそうです。1周23kmのトラックを84時間、7855kmを完走、総合4位だったそうです。
すごいですね、これは快挙だとしか言いようがありません。
残念ながら当時の個体は存在しないそうです。このレプリカは1980年ごろにマツダ社内で製作されたそうです。結構、気合が入った作りで、画像に見えるスチールホイールも肉厚、スタッドボルトも一回り厚い/太いような感じ、つまり強化型なのだと思います。また、シェルなどのステッカー類jも今のようにCG&カラー印刷はなかったので、デザイナーとステッカー業者が苦労して再現したそうです。
実はここで、上記の3車、大きな共通点があります。それはホイールが極めて特殊な日野コンテッサと同様なPCD120だということです。ただそれだけです。奇遇?でしょう!ホンダ車は、日野コンテッサ関係のトップエンジニがホンダに移籍したいう証でもあります。もちろん、シビックの初期のエンジンにもその片鱗が伺えます。面白いですね、歴史の紐解きは。
この個体は地元の広島市交通科学館に寄贈されたとのことです。
特別賞
以上が独断と偏見のトップ3、そして今年は、特別賞、以下のホンダブースの横にあまり照明もあたらず、ひっそりと、あるいは控えめに展示されていた、あの超有名な「F1 ありがとう」号です。Red Bull Racing Honda RB16B、トルコGPスペシャルカラーだそうです。2021年の世界選手権参戦車両です。
これこそが文化を謳い文句にするオートモビル カウンシルにふさわしい車両でしょう。
今回は、ホンダとマツダの両社はクルマ文化のお手本のようなブースを設けました。これこそが本物の絵画をみるようなすばらしい演出だったと感じます。今後もこのようなテーマをもって継続いただけたらと思うものです。
そして、ここで付録、蛇足です。以下の画像はメーカーではなく、販社の展示の車両ではなくプライスタグを集めてみました。NAロードスターが600万、スバル360が1,500万!... どうも数字の意味が飲み込めなくて往生しました。頭の一桁が見えない、あるいは一桁違う!と、つまるところどうもこちらが単なる浦島太郎さん状態となりました。
しかし、これが現実なのか、そう思うと、プログラムの案内にある「乗り継ぐ誇り、乗りかえる愉しみ」、これが現実に享受できるお方はどのような皆さんのでしょうか?ホンの一握り、0.1%ぐらい?まっ、そこで回して貰えばいい事、なんてことでしょうか!?ボクにとってはこれは別世界です。
さらに世の中は変わったものです。ついでにもう一つ、CG Clubのブース、例年、そこのある歴代の表紙のパネル、これ結構、見るのを楽しみしていました (過去形!) 。何故か、今年のそれは、1970年代以降しか無く、自分の原点の60年台はありません。昔あった「明治は遠くなりにけり」のごとく、我々の時代は捨て去られたようです。これは、もうCGの原点を自らを葬ったようです!残念ながら!
以上のようですが、今回も色々、貴重なことが勉強できました。マツダのブースでは約1時間半、ヨコハマタイヤでは30分もお話しさせていただきました。午後2時に入って4時半過ぎに会場を出ましたので、多くの時間が両社のブースで油を売っていた訳です。でもそれは決して無駄話ではなかったと、これがオートモビル カウンシルだけが出来る場所なんだと考えています。