先の2022.4.2:日野 GR100エンジンの遠心ガバナー進角度 (その3)では、VWやBMW、国産の初代のホンダシティの所謂、遠心ガバナーの進角について、レビューしてみました。
それらの進角にはクルマ個体の性格を決める様な特徴的なノウハウがあることが見えてきました。そこで、今回は何時も座右の書にしている「HOW TO HOT ROD CORVAIR ENGINES」をチェックしてみましょう。
イグニションの項には実に興味深いプラクティス、すなわち実践が記述されています。ノーマルエンジンの進角 (実線) と数少ない140HP仕様 (点線:右ページの赤矢印) のディステリビュータの進角の違い、それを作り出すメカニカル的な違いが説明されています。
加速の良い140HP仕様にするにはどうしたら良いか、次の様です:
(1)高回転域でのガバナー進角(クランク) を2度下げる - この対処には、ロックピンの動きを制限するために、そこにスリープを入れる (左ページの赤矢印)
(2)低回転域〜中回転域の進角を早める - この対処には、ガバナースプリングを140HP仕様のものにする。
(3)アイドル回転の進角を6度を10度〜6度プラスする。これで16度〜12度とする。
以上がその概要です。
なるほど、これでスタート直後のアクセル踏み始めのレスポンスに上げる、そして最大進角は、ガバナー進角の18度、そしてアイドルの16度となり、最大で34度と基本原則である35度程度になると理解しました。
もちろん、もっと子細の調整事項が記述されていますが、おおよそ理解できるものです。ポイントは、先のBMW、356、またホンダのそれと考えが一致することです。