01_基本的事項_全体の考え方&進め方:製作過程 – 旧車は走ってこそ! (2013年型新造コンテッサ)

整備マニュアル&パーツリスト

日野コンテッサ1300 整備説明書

 何はともあれ、最初に紹介したいのがこの日野コンテッサ1300の整備説明書である。セダンとクーペ共に日野自動車から出版されていた。
 基本的なデータや分解&組立プロセスが網羅されている。エンジンなど何回も分解&組立をしても毎回この説明書を読んでいる。特にトルク値については勘に頼らず記載のデータを参考にしている。
 基本となるセダンの整備書については、「コンテッサ1300の整備」として、当時の山海堂から出版されていた。今でも多くのオークションサイトで見ることができる。
 注意として、これら整備説明書は、「Waht」、「Where」、および「When」であり、重要な原理原則の裏書となる「Why」と経験値が求められる「How」のステップバイステップについては記述されてない。これらは経験&知識あるベテランに聞くしかない。あるいは自分で経験するしかない。そのために「参考文献 – 座右の書」があり、貴重な情報が得られる。
 ご参考:クーペの整備説明書の閲覧 (プリントやコピーなどを目的としたものではありません

日野コンテッサ1300 パーツリスト

 整備書同様に参考になるのが当時、日野自動車から出版されていた様々なパーツリストである。
 パーツリストは、アッシーの展開図みたいなもので分解&組立の際、素人にとって座右の書となっている。
 画像は海外向けのコンテッサクーペのもの。国内モデルとの違いをしることができる。またすべてのアッシーからワッシャ一までの価格が記載されている。
 ご参考:日野コンテッサ1300パーツリスト_C5020の閲覧  (プリントやコピーなどを目的としたものではありません)

実作業についてプロセスのガイドライン

完全に分解し、徹底的に長年のゴミを取り除いてきれいにする!

 画像はチョーク機構のコントロールレバーの例、とにもかくにもバラバラにして隅々まで汚れを取り除き綺麗にし、工場出荷レベルにする。
 分解もしないで安易な潤滑剤などにたよらない。動きの悪いのは汚れなのである。そして不具合のある部分は交換あるいは適切に補修する。
 このように分解&清掃をして組み立てたアッシーは、潤滑剤なしでスムーズに動作する。最終的には適量の潤滑剤はいれることは勿論である。

塗装、ポリッシュ、メッキなど使用の統一性

 画像のように、(1) 外した部品やシャシー部品:オレンジ塗装、(2) 外す必要ないボデー部分:水色塗装、(3) ブラケット類:クローム、そして (4) アルミはポリッシュに統一して、クルマ全体でシンプルさを引き出す。
 とにもかくにもゴミを取り除いて綺麗にすることは、後々のメンテナンスが楽になる。生産現場の3Sそのものである。
 ただやりすぎは禁物、画像のマツダ NAロードスターのオルタネータ (MT用) のボデー、ポリッシュを考えたが地肌のままとした。ある部分は控えめにするコントラスト感&全体間が重要と考える。

走行時の風水へ徹底的な対策 – 雨にも風にも負けないコンテッサを創る!

雨風を含む天候での走行を可能にするための対処例 (1):ボデーの接合部分には十分かつ適切なシーリングを施す
雨風を含む天候での走行を可能にするための対処例 (2):防錆のためのメッキをしてない部分に十分かつ適切な錆止め塗装を施す

ボルト&ナットのトルク管理

記憶ではない、記録である!

 組み付け時に部位とボルト&ナットの種類 (長さ、径、ピッチ、グリップ長、使用ワッシャなど) を記録し、その締結トルクをしっかりと記録しておく
 後に何があってもその問題の分析&解明に基本的なデータが役立つ。一般の工業製品に求められる予防保全(Preventive Maintenance) の第一歩である。日野コンテッサ1300クーペのように旧いクルマのリノベーションに際してぜひ取り込んでおきたいことである。
20240916 Original
20241003 Added
20250816 Renewed

ご注意 – Notice

  • 本サイトのデータ、すなわち代替品/使用可能品例 (プロセスも含む) は、当サイト・オーナー、また情報提供いただいた個人の見識です。それはフォーム・フィット・ファンクション (Form, fit and function) というレベルのメンテナンスに於ける互換性を意味するものです。実際の使用にあたっては,個人差が当然あります。それを理解した上でご参照・利用下さい。代替品/使用可能品例については、情報提供は歓迎するものです。こちらからお願いいたします(実名表記にて)。
  • 本サイトの知恵集Tips & Knowledgebase)に記述してある内容は、あくまで日野コンテッサ1300に関するアマチュアの経験です。自らの手を汚し自らのコンテッサをメンテナンスし自らドライブを楽しむアマチュアのみを想定しています。自車を他人に委ねておられる方、あるいはプロフェショナルの方は対象ではありません。これについてご意見のある方はこちらまで(実名表記にて)。