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【コンテッサ1300のタイヤサイズについて】

　コンテッサ1300の標準は当時、5.60-13 (バイアス) であり、その直径は以下のように、605mm （設計サイズ) です。また、日野の仕様では、600～625mmでした。日野の当時、ラジアルの設定はなかったものの、多くは他社メーカー車も含め、5.60-13には、やや太めであるものの直径の近い165/80を使用していました。すなわち、これが定番であり、乗り味、ハンンドリングなどのフィーリングがこれがベストであると考えます。尚、欧州輸出車両のクーペには、165/80サイズのピレリ (Pirelli) のチントゥラート (CINTURATO) も採用されていました。

　日野の仕様が600～625mmと結構、オーバーサイズ側に許容があります。その理由は目下、知る由もないのですが、当時のルノーのR8/R10の整備マニュアルを見ると、標準は「5.40-15」、そしてオーバーサイズとして「5.70X15」と記述されています。この当たりの背景や影響があるのかとも推測します。いずれにせよ、日野の仕様含めて「オーバーサイズ」もありと理解します。

　近年は、この本来の適切サイズが無視されているような選択も見受けます。特に多くが直径の小さめなタイヤであり、車高を落とすなどおそらくオーナー自身の好みと思われます。ただ、課題は直径により、実質の走行速度が大きく異なることです。メーター読みは100kmでも実際の速度はそんなでもないと、あるいは逆に小さいが故にギア比が変化したことで若干、馬力が上がった様な (調子が良くなった？)、さらにブレーキ性能も同じように良くなったとか、錯覚をも含めた様々な影響があることを肝に銘じて置くことは肝要です・。また、逆手にとって直径の大きなタイヤを選択し、擬似的にファイナルの減速比：4.11を下げることも可能でしょう。

　以下に、様々なサイズとその直径 (設計サイズ) 、その差により実際の速度の例、また参考までに適切リムサイズをリストします：

(*) 6.15-14 (当時の最新ロープロファイル・タイア) は一般市販ではないが、次期コンテッサクーペのバージョンアップ版に検討・計画されていた。昭和41年の東京モーターショーのショーモデルには装着されていた。

【コンテッサ1300に利用出来るアルミホイール】

　コンテッサ1300のホイールのサイズは上記でもわかるようにPCDが120mmと当時としても日野だけの一般的ではないサイズでした。少し後になりますが初代のマツダ・ルーチェは14インチながらPCDは同じ120mmであり、オフセットも似たようなものでした。また、ホンダがホンダ1300また初代のシビックも同様にPCDが120mmでした (これは日野のコンテッサ中止以前にホンダに移籍したコンテッサ開発・設計の中心的な技術者たちのDNAによりものと分析する) 。しかしオフセットがフロントドライブのためコンテッサにはいささか過大な45mmでありました。

　以下は、1970年代のPCD 120mmを持つホイールのデータです。利用可能と思われるもののみを列記しました：

*.1：ここではオフセット表記である。昨今のインセット表記では各数値から “+” を取り除けば良い。
*.2：おそらく確実にリヤはフェンダーの加工（引張り/折曲げが必要と思われる。
上記のホイール以外にも多くのPCD120mmは13インチ（シビック＆アコード用），14インチ（コスモ用）存在する。ワタナベ、エンケイ、コスミック、クロモドラ、ゴッティ、スポードスターほかきりがない。デザインもスポーク、デッシュ、メッシュと何でもあれである。尚、オフセットが大きい場合、調整するためのスペーサは要注意である。標準のスタッドボルトでは短い。スチールホイールならば若干の厚さは可能だが、アルミホイールの場合は皆無であり、長いスタッドボルトに入れ替えねばならない。例えば、フォーミュラワンの13インチ、オフセット36mmは3～5mm程度のスペーサーが好ましいと考える。
*.3：165サイズは問題ないと推測するが、太いタイヤではリヤのフェンダーに接触の可能性あり。車両の個体差も1cm程度あり。さらに細かい事ではあるがつらいちの場合、タイヤの種類によってサイズが同じだが結構幅が異なることに注意しなければならない。例えば、165サイズでもオートバックスのはかなり細身（究極の製品コスト削減か？）、逆にミシュランは結構太い、タイヤ屋さんに並べてある光景をみれば一目瞭然である。

【ホイールの重量】

　足下の重量は最も重要なチューンアップの一つと言えます。そこでPCD120mmでコンテッサに利用可能なものの重要を実測比較して見ました。参考迄に以下のようです：

【特殊ナットについて】

　「特殊ナット」と書いたものの適切ではないと考えます。これは日本国内での一般的な言い方であり、世界的に見れば「特殊」ではない。欧州系のホイールにある一般的な規格・形状です（こちらの「MAG WHEEL LOCKS」を参照）。以下に現物：

　マツダはこの規格のナットを使用した理由は解らないものの、それはある意味で欧州系の高級ホイールの部類に属するナット形状を採用したということだろうと考えます。国内のネットオークションでは「スパルコ/ボルク/RAYS/VOLK」などのブランドで探し出すことが出来ます。価格も普通のナットと変らないようです。「特殊ナット」というもののそれは決して「特殊」なものではないのです！

【当時のワタナベ・アルミホイール】

　ネットなどでは多く流通している当時のワタナベ・アルミホイールです。データはあまり正確ではないので、当時のカタログのデータを以下に参考迄にコピーします。尚、「TYPE B」の軽さに注目。オフセットの違いだけではない。ワタナベの価値はこの辺にあるのでしょう。

【参考文献】

• GLRNN's Reanult REPAIR AND TUNE-UP GUIDE (4CV、Dauphone、Gordini、Carave;;e、Caravelle S、R8) CHILLTON BOOKS、1964
• 道路運送車両の保安基準詳解、光文社、昭和61年5月
• SCIENTIFIC PUBLICATIONS' WORKSHOP MANUAL SERIES No.74、RENAUALT R8 and R10、Kenmure Press Pty. Ltd.、1969
• Tire Size Calculator (Tacoma Forum)
  https://www.tacomaworld.com/tirecalc?tires=165-80r13-185-70r14 
• FPS (FRRATELLI PEDRINI_SAREZZO) 1975：当時のカタログ
• フォーミュラワン：当時のカタログ
• RSオリジナルホイール：当時のカタログ
• オフセットとインセットの関係についての参照先：
  ダンロップ・アルミホイール 公式サイト  » ホイールについて：ホイールサイズの見方

SE, Original 2009.9.12
Added 2017.10.14
Revised 2020.12.4
Corrected 2021.1.4
Corrected 2021.7.12
Corrected 2022.9.3

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