コンテッサ1300には、デザイナーのミケロッティの思想を反映した多くの安全面の装備がなされた。当時としては非常に先進的且つ新鮮なプレゼンテーションであった。その一つが3点式セフェティ・ベルトであった。
3点式のセフェティ・ベルトはオプション設定であったが、スタンダード仕様を除いて全ての車両には工場出荷時、あらかじめアンカー(フロントシート、各シート2点、合計4ヶ)が装備されていた。コンテッサを購入時または購入後、セフェティ・ベルトを購入すれば簡単に装着出来た。
ただ、当時として、セフェティ・ベルトがメーカーとして提案しても一般には浸透するに至らなかったようだ。日本の国民性なのか、「官」が強制力を発揮しなければ「民」は自らと言うような時代ではなかったようだ。結果的に工場出荷とともにあったアンカーもある時期から消えてしまった。
因みにベルトカラーは、グレー(灰)、レッド(赤)、グリーン(緑)、ホワイト(白)、ブラック(黒)、ブルー(青)、ブラウン(茶)と7色も用意されていたようだ。誠に粋な計らいの日野自動車だった。