Daily Life with My HINO!
2024.3.30 我が家の図書館 (11) - Sports Car Graphic, June 1961
Sports Car Graphic (SCG) 、1961年6月号、確か、コロナ直前のロス滞在時にバーバンクのAutobooks-Aerobooksで購入、6~7ドルだったと思います。60年代半ばから70年代のSCGは70年代後半に滞在先の会社の仲間からいただいたりとかで結構キープしています。しかし、前半はあまり所有してません。
この60年代前半のSCG、最近、興味をもって眺めております。それは、「COMPETITION TUNING - ALFA ROME」です。AlfAlaaのVeloceの1,300ccのツインカムをどう望むようにチューンアップするかについて記述されています。確か、Veloceは1954年くらいから販売されているので当時として7年目に入る車両です。
米国では1960年代前後に何事もなくどんなエンジンでも望むように改造されていたことを垣間見ることができます。もっとも、第二次世界大戦以前からホットロッドのあった世界ですからエンジンをいじることについて何も難しいことではない歴史があるからです。
このAlfaの1,300ccのエンジン改造は最初から前提条件の如くストロークアップが記述されており、ピストンも交換して、1,500エンジンへのスープアップが載っています。なるほど、だからチームサムライのピートさんも言ってたようにコンテッサのGR100エンジンのスープアップも難しくなかったのです。
誰もが普通に購入できる雑誌にこんなことがこの時代からあったのだと思うと自動車文化の深さを思い知らされた次第です。とにかく1960年代の米国の専門誌はその時代の南カリフォルニアの文化やその影響を受けたサムライ・コンテッサの本質を勉強するには知恵の泉であります。
2024.3.30 考古学な日々 - 古の部品 (10):コンテッサ1300用のメタルクラッチプレート
画像のメタルクラッチプレート、1966年当時、米国のチームサムライのBREで日野コンテッサ1300用に制作されたものです。
1977年、ロサンジェルス空港側のTilton Engineering社に伺った際に、オーナーのMac Tiltonさんからこんなものを作っていたんだと、当時のF1用の材質 (英国製) と説明、捨てないで残っていたようで、ボクに譲ってくれました。
実はFBの中のHonda S600/800コミュニティに登録してるのですが、その中のメンバーの一人が、自身のS800用のメタルクラッチが破壊してしまい、それをTilton Engineering社で新しいものを作ってもらったと画像入りで載せていました。
そんなことで半世紀近く前に手にし、ガレージに飾ってある画像のコンテッサのメタルクラッチクレートを思い出したわけです。米国ではこのようなものを作ることが非常に簡単で、コンテッサのそれも既製品の一つに過ぎないということです。
折角ですから、綺麗に磨いてやろうと思います。
2024.3.27 我が家の図書館 (10) - 自動車工学 1972 Vol.21 No.6
3月23日の「日野コンテッサ1300クーペのブレーキ」に載せた「林精鋼のニューバイカ」の小さな画像、プロの整備屋さん向けの自動車工学1972年6月号からです。実はこの画像を探すのに大変苦労しました。記憶にあるもののどの書籍・雑誌に掲載されていたのか記憶がになく書棚を片っ端からみたものの見つかりません。また、ネットにも情報がありません。
最終的にガレージの書棚で、この自動車工学 1972 Vol.21 No.6、すなわち1972年 (昭和47年) 6月号の広告を発見しました。1970年代の自動車工学、実に懐かしい、実はガレージの書棚、もう何十年の見ることがなかったのです。当初、よくあるガレージ設備の一つのファッションのように置いてみたのですが...
日野コンテッサ1300の次の時代のサニーやコルトFTOなどの整備記事、今では実に有用だと感じることです。現代車ではないようやく電子・電気が取り入れた課題・対処が満載、ちょうど、日野コンテッサ1300のようなメカオンリー車に少し、電気を取り入れようと、そんなところにぴったりです。また、現代車には絶対にない整備ノウハウが満載です。それは昨今の旧車本&ムックでも得られない当時の整備現場の実践的なリアルなものばかりです。
そんなこんだでこの小冊子で何時間も飽きない!ガレージにある全てのオートメカニックや自動車工学を読もうとしたらおそらく1年でも収まらない!人生は有限、さて、どうするか?
2024.3.23 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ - 本当に効かないのか? (13)
問題点とその対処のその6、ブレーキサーボです。ブースタとか倍力装置と呼ばれ、ブレーキペダルの踏力を軽減し、そのエネルギーにキャブの負圧を利用していることです。
現代のクルマでは常識の装置ですが、当時はほとんどのクルマはこのサーボがついてません。コンテッサクーペなどはとんでもない踏力が求められ、結構、多くのクーペが後付けで装着していました。画像のような林精鋼のニューバイカ (1960年発表) などのおかげて大幅に軽減することができたのです。
しかし、短所もあり、加速後の急ブレーキの際に負圧の激減によるサーボ不足で、時には肝を冷やす場面もあったのです。友人から譲り受けた「デルダンディツーリング」、ジーゼル機器の小型のサーボ、結局は気持ちが悪く外していましました。しかし、新潟で購入したクーペはそのような現象はなく、こちらはエンジンルーム、すなわち負圧発生源のすぐそばに小型トラック用の大型のサーボがついてました。
今では画像のような後付けのニューバイカは入手不可ですが、eBayなどでが英国のLucas製やイタリアのAlfa Romeo用がリーズナブル価格で入手できます。しかし、ダイアフラムなどは定期的なメンテナンスが求められます。最近では負圧の変化の問題は電動真空ポンプを利用して解決しているようです。EV系車両の進展でBoschのiBoosterのように電動式が一般的になりこの分野の未来は旧車にとって明るいようです。
2024.3.22 公道復帰10年、経年劣化修復プロジェクト (34)
3週間ぶりの作業です。この時期は仕事で切羽詰まったものがあり4月下旬に入るまで気が抜けません。これが自分で事業を始めて依頼、30年近くの年中行事となっています。
明日から次のフェーズに入るので、その前に息抜きのために遅れがちのプロジェクトをなんとか一歩進めました。
#60の軸付き砥石で磨いた表面の荒れを同じ#60のフラップホイールで宥めるように整えました。確かに画像のように大夫落ち着いた表面になってきました。
この先はフレキシブル研磨パッド、#120、#240へと進むことになります。だが、まずはこのフラップホイールの作業が1時間/本 (前作業込み) で都合2時間行わねばなりません。本当に一歩一歩、美味しいワインを目指してまだまだ畑耕作の段階です!
2024.3.17 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ - 本当に効かないのか? (12)
問題点とその対処のその5、 エアブリーダプラグです。所謂、エア抜きのスクリューです。経年使用の溝のアレやサビの発生、そして固着などの問題です。キャリパー二つに加えて、後輪のドラムブレーキのシリンダーにも、すなわち、計4つ必要です。
この部品についてよく質問を受けます。その誰もがどの車種のものが流用でき、その品番を教えて欲しいというものです。プロの整備屋さんからもあります。
実はこの部品、世界的な規格品です。その一つの7.0mmX1.0というサイズです。日本国内の検索では品番主義のようでこれでは見つけることが難しい様です。しかし、グローバルでは例えば、「Brake Bleeder Screw 7mm 1.0」で簡単に見つけることができます。これも「フォーム・フィット・ファンクション」のセオリーです。
いずれにせよ、日野コンテッサ1300には、このサイズで問題なく使えます。ただし、長さについてはいくつかあります。長いものは必要なく、画像左上の短いもので十分であります。
2024.3.16 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ - 本当に効かないのか? (11)
問題点とその対処のその4、ローター (続き) です。ローターの厚さ:7mmについてです。現代の感覚から言ったら超薄いと思うのは無理からぬことです。
何年も前に自宅にプロの整備屋さんが客とひょっこり来られました。整備中のボクのコンテツのブレーキローターを見るなり、「こんなペナペナ、すぐに割れてしまうヨ」と一笑に付したのです。その何気ない言葉に心が大きく痛みました!
7mmというのは本当に薄いのでしょうか?ルノーR8のそれは6.5mmです。確かに60年代後半以降のルノー車やドイツ系も「性能に合わせ」、徐々に厚くなっています。それに伴い重量も増します。使用末期の5mm台は薄いでしょうが、自分はコンテッサにとって、7mmは必要にして十分と考えます。
使用過程の60年モノにバイバイしてローターを最新の材質で新造するのであれば、大幅な重量増を受け入れ、現代流に、例えば10mm厚も悪くはないでしょう。その場合、手軽に入手できるルノーの薄いパッドも功を奏するしょう。ただ、趣味のクルマとしての使用状況を考慮すれば、サンデーレースに供しても7mm厚の新造品で問題はないでしょう。超軽量ですし...
2024.3.14 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ - 本当に効かないのか? (10)
問題点とその対処のその4、ローターです。画像左上が新品 (リプロ) の状態です。厚さは正規の7mmです。しかし、新品でも一旦、使ってしまえば数百キロの走行でもが画像右上のサビが発生してしまいます。これは宿命です。
そして一般的な使用過程にあるコンテッサクーペは画像左下のようにサビとともに表面が荒れてきます。グリコール系フルードの影響もあります。いずれせよ、使用限度:5mmと整備書にはありますがペナペナな感じであります。ローターそのもの素材が良好で削り代があれば研磨もよいでしょうが何しろ60年モノです。数知れず、加熱&冷却を繰り返されてきたのです。
ベストなソリューションは新しいローターを作るということです。今では一品ものも難しくないでしょう。考慮すべき点は、古いローターに手を加えても良くはならないこと、また代替えを考えても人件費含むトータルなコストを考えれば、一品でも制作したほうがコスト的にもメリットがあると思います。
全く同じものを再現するのも良し、すこし改良 (材質や厚みなど) を加えるのもいいでしょう。やる気があればできることです。なお、画像右下はグリコール系フルードに替えてシリコン系フルードを使用したもので、サビとは隔絶した世界となります。
2024.3.10 日野コンテッサ1300クーペのブレーキ - 本当に効かないのか? (9)
ディスクパッドとその取付の全般&詳細は以下を参照:
日野コンテッサ1300クーペ整備解説書_7_第7章_ブレーキ、または
Renault 8, 10, 1100 OWNERS WORKSHOP MANUAL (P110)
問題点とその対処のその3、パッドです。画像の右上が当時のものです。暑さ&形状などがよくわかります。中央が、ブレーキ屋で古いベースプレートを生かして半世紀を経て制作したものです。
左がご先祖のルノー R8 (アルピーヌ A110やパナールなども) のパッドです。同じ形状なのでコンテッサにも使用できます。ただし、構造上、厚みは画像からわかるように若干薄いです。当時、フェロードの日本代理店では「コンテッサ用」として販売してました。ルノー用は今でも国際的に多く出回っており実に適正な価格で購入可能です。
画像右下は何年か前に友人から託されたパッド、使い果たしたのかバラバラです。おそらく再生した際の問題だと、またパッド部分も変なカットであり、疑問のあるものでした。最近も有名旧車ガレージで整備されたパッドで同様な異常を発見しました。いずれにせよ、画像のように適正な形状&材質かつ適正なプロセス&価格ですぐに再生できるのです。
パッドの組付けで注意したいのが画像左下に示したブラケットとのクリアランスです。ルノーの整備書にはこの関係&調整含め懇切丁寧に書かれていますが、コンテッサの場合、さらって書かれているので見逃しやすい部分です、注意しましょう。
2024.3.9 公道復帰10年、経年劣化修復プロジェクト (33)
前回のこの項目は約1月前、諸般の事情でだいぶ時間を空けてしまいました。今日は、残り3本のコンロッドの下端部の外周の粗加工です。
画像左上のBEFOREのようにキャップとの接合部分が結構な段付きに、このままでも支障ないのですが、今しかできないことなのでスムージングを進めました。完全なるプラシーボでしょう。
3本の完了に都合3時間!リューターを持つ手も結構な負担のようです。完了後、1本目と今日の3本の間に平均:3gの違いがでました。おそらく1本目は6mm軸の砥石、今日のは3mm軸の超硬バーでの違いかと、修正しましょう。
この外周の粗加工の次は、「I-beam」の内側の内周のスムージングを進める予定です。そして粗加工の修正、そして次のプロセスと、まだまだ多くの工程が残っております。たかが「コンロッド」なのに!
2024.3.8 米国大統領は念頭に議会で行う「一般教書演説」?
英語からのThe State of the Union addressをどう理解するか?
今日、たまたま昼の時間、CNNでバイデンさんの「The State of the Union address」をかいつまんでお聞きしてました。
そこでコレおかしいのでは?と、思ったのはメディアもこぞって使っている言葉、「一般教書演説」という日本語 (訳?) です。いつ、だれがこのような宗教の教祖や独裁者のようなイメージを感じるような言葉を考えたのでしょうか!どうも的を得てるように思えません。
wikiなどでは「国の現状 (State of the Union) についての大統領の見解を述べ、主要な政治課題を説明するものである。」と、ただそこにも「一般教書演説」が出てきます。
これでは我々日本人は本当の文脈を知り得ることなく物事を理解したような錯覚に陥ります。実は多くの英訳が文脈とは異なる日本語に変換され、今に来てるのです。それがビッグデータになり、一般的なAI活用に何事もなく行ってします。
日本での「オペラ座の怪人」という題名、原語は「Phantom of the Opera」と似てるようだがこの映画のストーリーを言い表してないと、われわれ日本人は本質を理解するよりもプラシーボを好むのでしょうか?それで良いのでしょうか?
2024.3.2 我が家の図書館 (9) - 自分のスポーツカーは自分で造ろう!
最近ではYou Tubu (lotus 7 home build) などで多くの作品が紹介されています。この本を読むことがさらに楽しくなります。
「BUILD YOUR OWN SPOERS CAR」 、「自分のスポーツカーは自分で造ろう」、著者は英国のRon Championさん、初版に加え自製のクルマをレースに出場させる項目も載せた第2版です。
購入は発売から数年経た2000年半ばです。ロータス7同様なクルマをフレームから鉄骨で制作しようというものです。このアイデアはRonさん自身、息子さんのクルマを作った経験からだそうです。
考えてみれば、英国ではロータス7など多くの小規模カーメーカーがあり、この本に書かれているようにスクラッチから既存のクルマの部品やアッシーを流用して、自分が望むものは可能ということです。
このような考えや精神は今でも受け継がれ、世界に浸透しています。つまり、「 自分のスポーツカーは自分で造る!」です。ただ、これも回数を重ねた経験も必須であり、溶接や電気など顕著に差がでるでしょう。まずは「自分のクルマは自分で作ろう!」です。