《エンジン》
日野コンマース用として新たに設計製作されたエンジン(ルノー4CVベース:下記の比較を参照)は、軽量且つ経済的な狙いを実現化を目指した。28馬力/4,600rpm、実用的には500rpm以上使用可能と表明し、またに高速化してフレキシビリテーを与える様心掛けて設計したものと言われる。例えばバルブ機構はハーモニックアナライズの手法を用いてカム形状を決め、5000rpm以上でもバルブが跳らない様にした。
シリンダヘッドはアルミ製、燃焼室は数種試作実験の結果、セミウェッジ型、圧縮比7.9とした。レギュラーガソリンで利用出来た。(これらも基本的にルノー4CVを踏襲)
キャブレーターには加速ポンプを設けなかったが。徐行燃費の向上を行い、車両重量の軽さと、適当なギヤ比によって、加速性は充分であるとしていた。
このエンジンには鋳造クランクシャフトを採用した。1万本中1本でも鋳造巣による折損事故に対してはX線やコバルト60などの検証研究、また実物疲労試験機による耐久テスト等、長期間に対する鋳造管理の試験研究を行ったと言われる。結果的に、それは日野自動車として初めてのクランクシャフト製造を自信をもって、量産化し、生産性向上に成功したと自負するものであった。
尚、スターター並びにゼネレーター等は12ボルト(ルノー4CVは6V)を採用、より軽量化も目指した。