3月11日の東北地方から関東地方の至るおよそ500kmに渡る地殻変動はM9.0という巨大地震でした。その直後の太平洋海岸地域に襲った津波は誠に災害と言っても言い切れない程の惨事となりました。この地球の自然のとてつもない仕業に加えて、人類が創った原子力発電所 (福島原発) にキバを向いたのが実感でもあります。支援も含めて、特に東電(TEPCO)にありかたに世界からも注視されております(「国際的な目」を参照)。
放射線なども危惧となっているが政府の発表、そしてメデェアを通してのデータは素人あるいは個人としては中々解りません。そこで自分でどう理解・判断したらよいか、データを探したら文部科学省から水素爆発後以降、3月15日より全国の放射能のデータが時間単位で公表されていました(文部科学省 都道府県別環境放射能水準調査結果)。
これをそのまま見ても数値の羅列でこれまた解りにくいものです。そこで当該関東地方を中心に一日の変化量をグラフにしてみました。また一日の総量(単純に足し算)、それを日にち毎のグラフを創ってみました。これで自分なりに納得出来ようと言うものだ。自衛策のために作成したが「時間軸」で結構傾向が見えるので「Informed Decision - 納得ある情報のもとに判断」としてアップしてみました。「自主防衛」です。
(註)本分析は「Informed Decision - 納得ある情報のもとに判断(自主防衛)」であり、私的分析であります。また、データは文科省の公表データであり、固有の地域のデータであることをご理解下さい。
【「福島原発事故の不適切発言で鉢呂経産相が辞任」に念う】
「福島原発事故の不適切発言で鉢呂経産相が辞任」はいやというほど目にするメディアのキャプションです。これほどまで、「大臣のポジション」が軽くも、あるいは「むなしく」感じたことがありません。多くの方もそうお考えかと思います。メディアはこぞって「金太郎め」的な報道をするだけで、また政治家たちは、一応に「被災地の皆さんにお詫びしたい」と頭を下げています。
被災地にあやまれば良いという問題なのでしょうか?赤ちょうちんでの冗談よりレベルが低い、まるで政治家たちの脳みそが退化あるいは腐ってしまったかのごとくのありまです。それもここ何年かは同じことの繰り返しです。同じ冗談ならば世の中を救うようなウイットにとんだものが出来ないものでしょうか?おそらく「知性」というものが必要でしょう。
ひいて言えば、これはメディア側の対応も多いにその「知性」に疑問を感じざるを得ません。単に言葉じりを増幅するだけではなく、その発言の本意、あるいはその人物の本心にせまるところまで聞き手に解るようにするのが「メディア」たるものです。ジャーナリストと言う肩書きを安易に振りかざすことなく確かなる媒体者 (メディエータ) の役割をお願いしたいものです。
これは日本の大きな「恥」であり、政治家とは何たるものかを原点から教育をしなければなりません。つまるところ「品格、とか「人格」の問題です。人民の上に立ってはならない人物が今、政治を握っているのかも知れません。それは長い間の日本の戦後の変なみせかけの平等主義の結果かとも分析しております。また、彼らが同じ世代の人間かと思うとぞっとします。自分も普段の言動に気をつけなければと思うものです。
以下に例によって、世界がのように報道しているかを記して置きましょう;
【ディスカバリー・チャネルの「チェルノブイリ 連鎖爆発阻止の闘い」】
オリジナルのタイトルは「Battle of Chernobyl」 (Thomas Johnson) 、2000年代の半ばに制作されたようです。4月にディスカバリー・チャネルで放映されたようですが、今月11日に福島原発の災害が半年を迎えるの合わせたごとく、ディスカバリー・チャネルで9月4日から放映が再開されました。今月9月末までほぼ連日(こちらを参照) 放映されます。
何はともあれ、一度は見るべきとここに紹介します。90分のプログラムの中に、チェルノブイリの再爆発防止にどのように挑んだか、現実の人体への影響はどうだったか、国の対応はどうだったか、また諸外国、IAEA (国際原子力機関) など、現実としてアクションがオープンに語られています。
これを見れば、福島原発に対する対応をどうすべきだったか、あるいは今後について、我々一般市民も多く考えされることがあります。「チェルノブイリ について新聞などの情報はあったものの、ここにリアルな映像でスタディ出来ます。
一つ、言えることは、「石棺」と呼ばれる巨大なコンクリート建造物は事故後の7ヶ月後には完成していることです。90分、広告などの中断もなく、何か、福島原発への我々日本のアクションに対する「米国あるいは世界からのメッセージ」のように感じております。
【文部科学省は7日、福島県が測定車で測定した3月16日から4月4日までの大気中の放射線量のデータをせず!】
本ページでも疑問として記述してあったことが6月7日の文部科学省の発表で明らかになりました。それな何故か、福島県のデータが4月5日まで公表データの中で「ブランク」であったのです。それについて、各紙の記述をみると以下のようです:
- 文部科学省は7日、3月〜4月に福島県で実施した放射線の測定結果などで未公表のデータがあった。
- 公表したと勘違いしていた。
- 5月末から今月にかけて東電などが未公表データを公表したことを受け、同省も過去のデータを精査したところ存在が判明。
- 東京電力が先月27日、放射線の測定結果で未公表分があったと発表したことを受け、原子力災害現地対策本部でも公表漏れがないか確認した結果、発覚した。
- 文科省の担当者は「県が発表しているという思いこみもあった。情報公開の徹底を図りたい」と。
- 3月16日から4月4日までに福島県が測定した県内の放射線量のデータ約1800件を公表していなかった。
- 「あってはならないことで、大変申し訳ない」と謝罪。
- 今後はチェック体制を確立し、速やかに正確なデータを公表していきたいと。
- 今回、新たに公表されたデータはこれまでのモニタリングデータとほぼ同じ傾向を示しており、「公表漏れによって政府の対応や住民の避難などに影響を与えることはなかった」と説明。
以上のようで、如何にも「官」の弁明で、あまりにもお粗末な結果であります。本当に情けがない有様です。これだから「Informed Decision - 納得ある情報のもとに判断(自主防衛): "データは診ている"」というものです。公表がしなかったデータが実際どんなものだっか、これについては本サイトの推定データにもあるようにもの、あるいはそれ以上の数字であると推測します。福島市のデータを推測するかぎり、およそ3ヶ月で5ミリシーベルトに達すると思われ、年間で考えれば、単純計算で政府の「計画的避難地域&緊急避難準備区域」の相当する「年間20ミリシーベルト」に達するあるいは越えてしまうと診るべきと考えます。
文科省、放射線データの一部未公表「発表と思いこみ」 (asahi.com)
==> http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY201106070621.html
文科省、放射線量データの一部を公表せず (日テレNews)
==> http://news24.jp/articles/2011/06/07/07184117.html
福島第1原発:放射線量データ、文科省公表遅れる (毎日jp)
==> http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110608k0000m040076000c.html
ほか、多数
【注目事項その1:何時、一般公衆の線量限度を越えるのか?】
政府は、4月22日、年間20ミリシーベルトを越えるとの予測の基に新しい計画的避難地域&緊急避難準備区域などの指示を急遽、発表しました。国際的な機関(ICRP - International Commission on Radiological Protection)もこの対策を評価したようです。これには文科省含め、慎重な判断があったようです。しかし、それはあまりにも国民に対して、あるいはその地域を住居を構えたり、ビジネスをしておられる人たちには遅い対応ではないかと考えます。
文科省のデータでは、一般公衆の線量限度(年間、医療は除く)について、1,000マイクロシーベルト、すなわち1ミリシーベルトと公示しています。政府のデータは我々に一般に知りえる限りではある時間の一時間当たりの線量で語っているようです。最近になって、毎日、メディアを通して見るデータも同様です。下記にあるような時系列での明快な分析がありません。さらにこれらの更なる分析、すなわち総量&累積にデータすらありません。この累積データを見れば、何時、1,000マイクロシーベルト (1ミリシーベルト) を越えるのかということです。残念ながら文科省からのデータは、福島県について何故か、4月5日以前がありませんが、その後のデータを基に推測をしてみれば、その累積線量は、「関東地方県及び福島県別の環境放射能水準調査結果:累計表示」に示すようなものになります。
この分析から明らかのように(仮定ベース)、福島県(福島市)の累積は、1ヶ月後の4月10日前後にはおよそ2,000マイクロシーベルト (2ミリシーベルト)を越えていることになります。この時点で文科省の定める「一般公衆の線量限度」をはるかに超えていると分析します。ただ、これが12ヶ月後にどうなるかについては緩やかに減速してるようなので何とも言えません。しかし、福島市よりより隣接している地域(今回の避難に関する指示が出た地域など)に於いては、これよりも大きな数値になる可能性がある訳で、「政府は年間20ミリシーベルトを越える」と言う事態を物語るものです。
この種の分析が重要であり、何時、限度値(年間、限度値の1ミリあるいは避難限度の20ミリ)になるかの予測が必要です。政府を始め、メディア諸氏にはぜひとも解り易い、納得の行く説明を求めるものです。このデータを個人的に創って日々分析する限り、拡散をしてしまっている関東地方については、通常平均より高いものの(茨城県はより高いが)、年間ではおそらく一般公衆の限度値には到達しないと見ます。
福島県(福島市)の累積は、5月1日時点で3ミリシーベルト(推定値)で超えました。
そして、6月20日前後には5ミリシーベルト(推定値)で超えました。
【注目事項その2:New York TImes 誌に学ぶ】
日本の各種メディア同様に今回の東日本大震災は世界のメディアが自国の問題としても大きく取りあげ、独自の洞察力を持って、誌面(ネット)に掲載しています。その一つが米国の The New York Times 誌です。The Nuclear Power Plant(原子力発電所)、Radiation Risk(放射線のリスク)、Tsunami and Earthquake Aftermath(つなみと地震余波)、そしてPhotography(写真集)と克明に報道をしております。
==> http://www.nytimes.com/interactive/2011/03/24/world/asia/japan-interactive-index.html?ref=world
その中でもインタラクティブに放射線量をチェック出来る仕組みがあります。
==> http://www.nytimes.com/packages/flash/newsgraphics/2011/0311-japan-earthquake-map/index.html?view=daiichi
福島原発周辺地域の地図(およそ、半径50マイル圏)でポイントを会わせると、3月17日以降のその地域の線量の履歴のグラフ、更に例えば、2日間で胸部放射線に匹敵するとか、2年で米国の原発労働者の1年分に相当するとか、6年間でガンの発生率が高くなるとかが出て来ます。
米国のメディアであるものの、この種のことが当然であるかの如く、解り易く説明されております。確かなるメディアである証しであると言うものです。重要なことは、英語と言う言語が必要(片言でも)ですが、世界の多くの人々がこの種のメディアを通して情報を得ている訳で、多くの日本人がこの種のメディアの外で、限られた同種の報道しか期待出来ないメデェアの犠牲になっていないかと言う危惧であります。
我が日本は、政府も政府ですが、メディアの責務と言うものをこの種のものに学んでいただきたいと強く感じます。
【2011年3~7月履歴データ】
4月5日 (火) から今迄データが無かった福島県のデータで入って来ました。そこで原発の地元である福島県のデータをグラフに加えました。また、14日以降、全くと言っていい程、フラットな状態です。一日当たり、48マイクロシーベルト(1時間当たりが判子を押したように2マイクロシーベルト)です。尚、4月5日以前の公表の無かった福島県の地域は双葉郡とありました。しかし、4月5日以降の地域は福島市と変りました。下記、表の福島県(双葉郡)は誤りであり、福島県(福島市)が正しい表記です。ご注意下さい。因みに福島県(福島市)は福島原発(第一)から北西方向50km、福島県(双葉郡)は西南方向15kmほどの位置すると見ます。