これは2010年の夏は知らずに過ごしたが、結果的にその兆候はあったようで、2011年の夏はその洗礼を受けた。そして、2011年ではすべて解決出来ず、2012年の夏へと引き継がれた。とにもかくにも、ここのところな夏の温度は、コンテッサが開発された夏の温度以上のものと考える。
以下はその状況の過程:
(1)電磁ポンプの空打ち:
当初、交差点など信号待ちや渋滞のアイドル状態で電磁ポンプ (旧車定番のウルトラ長寿命製品:ミツバ FP-3) の打音が変化し、少しアクセルをあおると元に戻ると言う現象。色々、ネットなどで調べると、電磁ポンプ内でパーコレーションを発生した時の現象で、通称、「電磁ポンプの空打ち」。アクセルをあおると新たに冷えたガソリンが流れるの即刻パーコレーションは無くなり、空打ちがなくなるというものだった。
当初、電磁ポンプの不具合を疑い分解をし、電気回路をチェックしたり、ピストンをチェックして、原因が分からず、別途、新たに購入して取り付けたが同じ現象が出たということで、程なく、上記の原因解明に到達。今、装着したのは、分解してチェックしたもの、カバーのつめに剥がした後が残る。
(2)電磁ポンプの場所と配管方法:
電磁ポンプの場所は、当初、経験的にパーコレーションを避けるために先輩オーナーの知恵をベースにエンジンルームの全部の空気の流れる場所にステーを作り装着した。すなわち、過去、問題のあったエンジンルームの後部を避けた(実は今もってこの場所が多いのだが)。その先輩オーナーは山形市であったので、暑い最中の信号待ちや渋滞など無しで、おそらくパーコレーションには無縁だったのかも知れない。
結果的にこの場所は、熱は溜まらないものの、熱が流れる位置で、その熱は摂氏60数度に達することが、実測で判った。ガソリンは64度程度で蒸発が始まる、すなわちパーコレーションになるということも学ぶ。
(3)電磁ポンプの移動、タンク上に:
では、熱の流れが遮断されていると思われるバックパネルの裏のガソリンタンクの上に電磁ポンプを移動した。しかし、結果は変わらなかった。この時期はテストに走っても、近所のスーパーに行くまでもなく、パーコレーションで停止してしまった。
(4)各部の温度測定:
電磁ポンプを設置した近辺のタンク上の温度を実測してみた。アイドリング状態で、50度程度と結構高い。それが、発進すると、いきなり60度越えとなってびっくり。これでは、遮蔽されていると言え、エンジン・ルームとまったく変わらない温度だった。むしろマフラー側の方が温度が低いので、おそらく遮蔽不足。
(5)配管への熱対策:
同時に色々疑い基本的な対策をした。1つは配管自体の熱からのシールドである。レース用の排気管用のヒート対策のバンテージを巻いた。卓上の実測では5度程度の効果。ただし、中に溜まった熱は外に出にくいことも判明。要は冷たいガソリンを流すことが肝要。全体を暖まらないことである。
(6)周辺の問題削除、その1:
パーコレーションとともに、オーバーフローも経験。そのためにフロート・チャンバー内部をチェック。片方のニードル・バルブにさびとも言えるゴミが付着していた。おそらくガソリンタンクの汚れかとも推測。前後ともニードル・バルブを購入可能なコンテッサと同サイズ(オリフィス)に日立の日産用を購入し、入れ替える。
(7)周辺の問題削除、その2:
これもオーバーフローを経験により、1つのフロートにガソリンのリーク、すなわち吸い込みがあったので、オリジナルの真鍮製に換えて日立の補修用のプラスティック製に入れ替えた。しかし、入れ替えるものの単純にはことは解決しなかった。それは若干、ガスが濃くなることで、分析の結果、全体的の構造の違いにより、若干、浮力がことなることが判明した。結果的に日野の整備マニュアルにあるカンチレバー調整のフロートの調整方法から変えて、ガソリン面の実測と言う現実的な方法を取り入れることで解決した。
(8)その過程での事故:
そんな中、付き合いの大黒PAなどの朝ミーティングなどに参加した際に、羽田の地下トンネルでエンスト。最初はパーコレーションあるいはオーバーフローと思ったが、実は電磁ポンプのアースの不良だった。テストしながら走っていたのでいい加減なことをしていたのがこの結果だった。
非常灯を付け、路肩で首都高のレッカーを待っている間は生きた心地がしなかった。大きな反省をした。これでこの年のパーコレーション対策は幕となった。なぜなら、これ以降は、秋風の季節となった。
(9)抜本的対策に向けて:
2012年の夏は、梅雨があけてもお盆まではあまり乗らなかったので問題は感じなかったが、2011年の問題を抱えたままなので、お盆の休みの際に、抜本的な対策をすることとした。それは電磁ポンプを熱の流れる場所から、熱の流れない外に移す事だった。結果的に今の場所に移動した。また、粉塵や飛び石を避けるためにシールドも設置した。
懸念は冬期の冷え過ぎのアイシングと考えたが今のところ、問題が発生してない。
この場所について、車検の際にクレームなど万が一を想定し、オイルパンの底面よりは高い位置に設置した。旧い日産系にフロントのエンジン・ルームに似たような設置したものがあるので問題ないと推測する。実はセドリックかなんかからのアイデアをいただいたものである。ただ、取り付けパネルは薄く柔であるので(とにかく、目の前にあるもので加工)、将来、もう少しちゃんとしたものにしたいと考えていた。
その昔、コンテッサのクラブで10数台、蓼科に向かった際、途中で、セダンが3台、ほぼ同じ場所でエンジンがストップ、原因はパーコレーション。その3台共に、オリジナルの機械式に替え、電磁ポンプをエンジンルーム後部のホボ同じ位置に長い配管で設置されていた。正に工業製品らしく、理論通り正しくパーコレーションが発生したと言う笑えない話があったことを付け加えておく。(参考:PD誌 1993 V-6 「最近気のついた点 Part 2」 セダンのオーバーヒート)
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