自動車技術会:コンテッサ絶命 - 今年は如何に?:(2011年5月27日)
この時期にパシフィコ横浜で開催される自動車技術会(所謂、JSAE、米国のグローバルのSAEに相当と理解)の展示会を昨年に引き続き見学して参りました。毎度の事ですが新しいテクノロジーやビジネスモデル、また日本を中心としたOEM各社とサプライヤーの生の展示物に接して進化を見るのが楽しみです。
今年は東日本大震災での自粛モードが何となく感じられる会場の雰囲気でありました。そんな中、昨年まで目にしたトヨタ車体のブースにあった年表、「10.19 トヨタ、日野の業務提携 コンテッサ絶命」、今年はどうなっているか、まず最初にチェックしました。幸いにして、今年はまったく消えておりましたことをここに報告しておきます。
今年は技術的に興味を感じさせるものがありませんでした。そんな中で気になったものを数点、ここにご紹介しましょう。
その1:大成プラスのナノテクノロジー応用の接着技術
NMT:ナノ・モールディング・テクノロジー (Nano Molding Technologu) による、金属への表面処理によりナノレベルのエクボ (Timple) を金属表面に形成し、この微細なエクボに射出成形し、硬質樹脂を入れ込むことで、金属と樹脂を一体化する技術ということだそうです。
接着したものがハンマーでたたこうが何をしようと壊れないというデモをしておりました。携帯電話やパソコンの筐体の技術を変えたようで、クルマのシャシーなどへの応用を提案しておりました。アルミ、マグネシウム、銅、ステンレス、チタン、鉄、亜鉛鉄板、黄銅など何でも来いと旧車の見えないところもモダン化に役に立ちそうです。
その2:ホンダのオフセットシリンダ
ホンダのブースの新しい技術の紹介に「オフセットシリンダ」がありました。この技術は何十年も前にあるもので、日野コンテッサ1300のGR100エンジンにもその当時の他車のエンジン同様に採用されているものです。そこで説明員の技術者にお聞きしたろころ、今迄の高回転の二輪エンジン (おそらく万をかなり越える回転数の)では「オフセット」すること自体返って欠点になり採用はしてなかったそうです。ここに来て、二輪車も環境などの問題で回転を落として環境性能を上げる方向になり、その折りにペイオフ出来る「オフセットシリンダ」を採用するようになったとのことです。
なるほど、旧い技術も新しい技術になるものだと、ものも考えよう (技術者の単なる言い様?) と思いました。ただそれだけです。
その3:「青く」なったの日野のエンジン
日野のエンジンは伝統的に信頼の「赤いエンジン」です。それは、歴史の一部であった小型ガソリンにも採用されており、日野コンテッサ1300は当然、「ヒノ・レッド」の「赤いエンジン」でありました。
今回、ここでは何と、「青いエンジン」が展示されておりました。社の看板もブルー地になっておりました。遂に燃える「赤」から環境を考慮した「青」になってしまったのか?これも時代の流れかと、残念!
説明員の方にお尋ねしました。「青」は環境を考慮したイメージカラーであり、展示目的のことでした。生産エンジンはズーっと変らず今後も「赤」だそうです。
(江澤:サイトオーナー、オリジナル:2011.8.6)
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