日野コンテッサ900・スペシャル:誕生50周年記念(2-2)


日野のクルマ:日野コンテッサ900 スペシャル(誕生50周年(2011年2月)記念)

【車両特徴:技術面】


《設計》

ENGINE h400

本的はルノー4CVをベースにした日野コンマースの改良版であることが伺い知れる。良い意味でルノー4CVのフランス流の肉を削ぎ落とした潔い軽量化を目指した。

  • エンジン
    排気量は893cc、5,000rpmで35ps、重要は85kgとルノー4CV並みに軽量。圧縮比は8.0 、当時のレギュラーガソリン仕様とした。
    • キャブレータは経済性を重視し、シングルタイプ、自動チョークを備えた。ルノー4CVの国産化でのエンジン寿命の増大のノウハウを得て、吸入空気はクルマの前方から取り入れ、塵埃によりエアクリーナ清掃の煩雑さも狙った。
    • 同様なノウハウにより、エンジンマウントには柔らかいゴムによる3点支持とし、ユニットコンスラクション (モノコック) ボデーのクルマの欠点になるビビリなど振動防止を図った。
    • 基本的はルノー4CVをベースにした日野コンマースの改良版であることが伺い知れる。良い意味でルノー4CVのフランス流の肉を削ぎ落とした潔い軽量化を目指した。
    • 燃焼室やカムシャフトは数種類試作し、実験により裁量のタイプを求め、セミウエッジ型燃焼室を採用した。
    • エンジンそのものであるが、その時代に芽生えていた「馬力競争」はさけ、最高速度だけに直結する最高馬力でなく、普通走行時の加速性や登坂性などへの低回転時のトルクなどを重視した。
    • クルマを走らせるために最も都合の良いようなエンジン性能を求め、低回転時のトルクを重視した燃焼室とバルブタイミングを決定し、最高出力を抑え、クルマの加速性と燃料消費のベストを狙った。最高速は110km/h出れば当時の日本では実用上十分且つ満足されるものとした。
    • その背景には当時の欧州車、例えば,ルノー・ドーフィンが845ccで28馬力で、コンテッサ同様に加速良好で、米国輸出して十分実用になっていることがあった。
chassis w400

フロントのサスペンション。ルノー4CVの当時の日本の同虜事情では耐久不足であったものを大幅に向上すべく独自の改良を進めた。

  • シャシー
    • 駆動系等:比較的フレキシビリティぼあるクラッチ、前進3段のトランスミッシッン、ユニバーサル・ジョイント1つとスイックアクスルシャフトなどは、ルノー4CVの伝統を引き継いだ方法、しかしギア類は常時噛合の歯数の増大し、騒音の現象を計った。
    • サスペンション:四輪独立懸架で前後共にコイルスプリングを使用、前輪はウイッシュボーン方式、後輪をトレーリングアームによるスイング方式として、14インチタイアの使用とホイール関係の重量軽減を計り、また前後輪のホイールストロークを充分にとった。前輪は上下それぞれ、85mm、65mm、後輪はそれぞれ、90mm、60mmとし、ルノー4CVの15%増しとした。スプリングバネは柔らかなものとし、前後の配分比は複動式ショックアブソーバの性能とともに、理論と実験の結果で決定した。以上により、乗り心地は抜群といってもいいほどのものになった。
    • フロントのサスペンション。ルノー4CVの当時の日本の同虜事情では耐久不足であったものを大幅に向上すべく独自の改良を進めた。
    • 一方、安定性については、フロントのローリングセンターを上げ、リアのそれを下げ、さらに後軸のトレーリングアームの支持点の位置の選定を留意し、旋回時のタイアの向きを自動的に僅かに調整させてオーバーステアになることを防止した。
    • さらに、ブレーキ時は後輪のトレーリングアームのよって、車体後部に下向きの力が働き、アンチダイブの効果を向上させた。
RC1 w400

世界中、類を見ない、コラムシフトのリアエンジン車のとても面倒そうな機構。これは市場の要求だったのだろうか?結構、ギア抜けが多く、後のコンテッサ1300でも改善が進まず悩みの種だった。

  • 操縦装置
    営業側に要望により、前席はベンチシートとし、ギヤチェンジはリアエンジンにも関わらず、フロアシフトではコラムシフトとなった。当時、この方式はリヤエンジンであったフォルクスワーゲン、ルノー・ドーフィン、さらにコルベアでも採ってないものだった。非常な苦労を伴い、試作初期には、リングの結合に依ったが失敗を重ねたが、最終的にセレクタを電磁式とロッド式の組合せで成功をみた。これはトランスミッシンケースにソレノイドコイルを仕組み、チェンジレバーの根本付近に設けたマイクロスイッチにより、コイルが作動しセレクタは行われるものである。長時間の耐久機能試験の結果、ボディの弾性変形に対しても信頼性あるものとなり、量産化となった。
    • 世界中、類を見ない、コラムシフトのリアエンジン車のとても面倒そうな機構。これは市場の要求だったのだろうか?結構、ギア抜けが多く、後のコンテッサ1300でも改善が進まず悩みの種だった。
    • ハンドブレーキは、ダッシュボードに設けたステッキ型で、引きずり防止のウォーニングランプを付けた。クラッチは油圧コントロール (ルノー4CVは機械式、またその後のドーフィンやR8に至まで機械式) とした。
    • ブレーキは、前後共にシングルシリンダであるが、0.6g時の踏力は20kgに収めた。
    • ステアリングはラック&ピニオン式でルノー4CVを範とした。ただし、リターンスプリングはバリアブルレートのスプリングを採用した。


body w400

このようにホワイトボデーすると4隅が尖ったコンテッサ900ではあるが、何か親にあたるルノー4CVと似て見えてくる。しかし、4CVの日本でのボデーの耐久性 (亀裂など) に苦労した結果で数々の強化が計られている。もちろん、ドーフィンとは全く別ものである。

  • ボデー
    ユニットコンストラクション方式 (俗にいうモノコック) で、0.6mmないし0.8mm鋼板を主として使用し、重要軽減を計った。ボディシェルの重要は僅か210kgであった。曲げ、よじれ剛性は静的試験でよって、ルノー4CV以上であることを確認、さらに過酷な悪路走行による耐久試験と、200点以上の動的応力試験を並行して進め、何度かの設計変更を入れた結果、バランスをもった耐久性を得るに至った。
    このようにホワイトボデーすると4隅が尖ったコンテッサ900ではあるが、何か親にあたるルノー4CVと似て見えてくる。しかし、4CVの日本でのボデーの耐久性 (亀裂など) に苦労した結果で数々の強化が計られている。もちろん、ドーフィンとは全く別ものである。
    ドアはサッシュを採用、4枚共に後開き (ルノー4CVは前ドアは前開き) 、リヤドアもワィンディンググラス付き (所謂、上下する、ルノー4CVは前後共にスライド) とした。フェンダはすべてボルトにより簡単に取り外しができ、修理の簡易化を計った。スペアタイヤはトランクルームと分離させ、最前部に格納させ、荷物の汚れを防止するとともに、衝突時のガードをも計った。
  • 補機類
    盗難防止装置を、ギアチャンジの装置な中に、独特のアイデアで設け、万一ドアを開いてもイグニションキーを短絡してエンジンを始動しても走行不可能なものとしてした。
    ワイパーは自動停止式、カーヒーターは温水循環式とし、クルマの前部から外気を取り入れ過熱し、あるいは室内空気での切り替えもでき、循環過熱がメーターパネル下のコントロールバーで簡単に操作できるものとした。
    その他、トランジスタラジオ、ウインドウォッシャなども採用した。

(SE、2011.1.28 Original)


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