昨年 (2013年) 、公道復帰したリノベーションを図ったクーペには日野のスポーツキットをベースにしたソレックス (日野の三国の当時ものではなく4型) を使用しています。エア・エレメントもソレックスを使い始めた70年代から日野純正ではなく、当時、まだ健在だったエクセル自動車 (港区麻布十番) から販売されていたエア・エレメントのキットを使用していました。当初からケースはクロームを入れました。エレメント自体は2セット購入し、それらを交互に中性洗剤で丸洗いし、掃除しながら長い間、再利用してました。
今回のリノベーション・プロジェクトではさすがにこれ以上の丸洗いによる再利用はどうかと考え、エレメントの制作を進めました。色々、試行錯誤,大胆な決断 (!?) により、次のような制作プロセスとなりました。
【オリジナルのエレメントの解体&再利用可能部品の取り出し】
現代のように樹脂ボデーでないので、再利用したい金属部分のみを取り出すのは簡単。ヒートガンで紙のエレメントの接着剤を溶かし、分離する。数分で右の写真のように見事に金属のフレーム:2枚のベースプレートと2枚の帯状のインナー&アウターのパンチング・メタルだけになる。これで再利用が可能な部品を取り出せたことになる。実にエコな日野コンテッサであり、正に「旧車 is Green」である。
【新しいエレメント筐体の制作】
最初はベースプレートとパンチング・メタルを点付けでMIG溶接することを考えたが、自分の力量では穴を開けてしまうなど推測、そこで低温溶接 (Cold Weld) の一種、すなわち JB Weld を利用することとした。パンチング・メタルが動かないように、念のために、ベースプレートに何カ所か小穴を開けてセフティワイヤーで固定した。そして全周に JB Weld を施した。大事をみて、一週間ほど経て、完全に固まったところで、セフティワイヤーを引き抜いた。これで新しいエレメント筐体の完成となった。
【エアエレメントの材料】
エレメントの中味の材料について、当初は一般的な紙製 (以下、「もう一つの材料」に記述) を試みたが、結果的に、ポリウレタン製に行きついた。これもネット社会の恩恵である。ブツは、「Pipercross(パイパークロス) ユニバーサル エアフィルター スモール ポリウレタンフォーム スモール 汎用 250×200mm NPX502」、アマゾンで購入した。
早速、筐体に併せて、カットし、詰め込んだ。接着の必要はなく、汚れた際には、取り出せば、この材料は、適宜、中性洗剤で清掃すれば再利用&延命出来る。当サイト・オーナーの年齢ならば、走行距離を考えても一生ものだろう。
【もう一つの材料】
実は最初は、右のように一般的な紙製を目論んでいた。これも厚みと加工のし易さで色々と検討の結果、マツダ デミオ・ベリーサ (パーツ No.:ZJ01-13-Z40) だった。しかし、今回制作した筐体には若干、折れがきつく、少し工夫が求められた。結果的に時間的拘束で、すぐに戦略を換え、上記の加工が容易なポリウレタン製にした。
もう一セット、筐体を作れるオリジナル・エレメントがあるので、ゆっくりとこちらの方をぜひ試したい。接着が必要だし、丸洗いの再利用はできる方法ではないが、現代のクルマ用なのでいつでも購入出来る。そして切り刻めばよいのである。
制作プロセスは、以上です。
今回、これを制作して感じたことは、ネット社会は如何に情報が豊かであり、ポリウレタン製の製品の検討の際には二輪関係の皆さんが如何に工夫されているかを勉強しました。今の若い方達と推測しますが、皆さんの努力は捨てたもんではないと大いに感じた次第です。また、このオリジナルの筐体を活かせる方法は、純正のコンテッサのものにも流用出来るものです。近い将来、時間があれば試したいと思います。
(SE, Original 2014.8.3)
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