およそ10年近く前の2月に日野自動車のオートプラザに展示されているジョバンニ・ミケロッティさんの日野スプリント900の修復の依頼 (タコメータ回り) がありました。
その際に丁度良い機会ですので以前から気になっていたボデーのグリーンの当時のオリジナルからどのように違っているのかを比較することにしました。
写真中央の濃いグリーンの破片は、イタリアのミケロッティ社でペイントした際のオリジナルのカラーリングです。所謂、1962年のトリノショー、ジュネーブショー、そしてニューヨークショー、1963年の東京モーターショーで世界の多くの人々の目に焼き付け、感動を与えた際のボデー色です。
現状のカラーは1990年頃の展示目的の修復をした際に選ばれた色です。担当者によれば、時代も変わり新しいカラーリング、それも明るいのが若々しくて良いと、独断と偏見(?)の様です。個人的にその判断に苦しむものです。
色一つで目くじらを立てても何の得にもなりません。また、この個体が個人の所有であれば口を挟む余裕はありません。世界的に貴重な個体に対しての大メーカーの歴史観や文化が問われる部分だと思います。さらに重要なのはこの個体が走行状態であるかであり、残念ながら、まったく走る機能・能力は奪われております。
このカラーリングの修正とともに「走ってこそクルマ」であり、そうなるのを願うものです。おそらく莫大な資金と時間、そして新車作りにはないまったく異なる専門知識を求められるでしょう。