少し前の雑誌、比較的最近刊行が始まった「趣味人倶楽部」のIssue 02 Summer (メディア・パル) を目にしました。その中の「フランスのセンス イタリアのデザイン」に “苦言” を呈します。内容がフランスのルノー・ドーフィン (Dauphine) とイタリアのアルファロメオと関係 (参考 103 Project, 13-61 Project) を解説したものです。そこには日本の日野コンテッサ900に関係の開設されています。
問題はコンテッサ900のフロアパンがルノー社のライセンスのもとにドーフィンのものが使われて共通であるとしたことです。これは何を根拠にしたのでしょうか?ライター始め編集&雑誌社は確かなる根拠をもってこの記事を制作したのでしょうか?
ルノー4CVはルノーと日野の間に契約関係がありました。ルノー4CVの発展形であるにせよコンテッサ900は日野自動車独自の開発であり、ルノー社との間には何の契約関係も存在せず、もちろんライセンス生産でもありません。また、フロアパンのサイズも形状も異なります。
当時は日野同様に日産やいすゞも初期のクルマは各社ライセンスのもとにKCDから始まり、最終的に100%国産化を目指しました。これらは国家の指導でもあります。2世代めのクルマは国家として再度ライセンスすることには難色を示すもので、結果的に日野も自社開発を成し遂げたのです。それがコンテッサ900であります。
なぜ、メディアたるのもがそのような歴史的背景&事実を解することなく、いとも簡単に「趣味人倶楽部」にあるような文面になるのか大いに疑問を持つとともに、メディアとしてのガバナンスに疑問を感じます。もし、メディアに良識というものがあれば、間違いを即刻訂正していただきたいと苦言として申し上げます。
(註) ルノー ドーフィンのwiki (日本語&英語共) に日野のことが書かれております。また数年前の大手旧車イベントに於いて有名な自動車評論家がコンテッサ900について、同様に誤った解説をしており、結果的にその後のソーシャルメディアにも同様な誤りが反映されるに至りました。wikiについては、少し様子を見て修正されないのであれば、当サイトオーナーが誤りを編集する所存です。