ここ何年か、クルマのメーカーによる過去の工業生産物を修復・復元することが流行っております。それは基本的に良いことと思うものの長年、地道にコツコツと一台の愛車をメンテナンスしながら日常の使用あるいは軽スポーツ走行にも耐えるように挑んでいるものにとって複雑は気持ちです (参考:2013.11.27 第43回 東京モーターショー 2013) 。
最近、飛行機ですが、川崎重工創立20周辺記念展と称して、岐阜工場で修復・復元作業を終えたばかりの、三式戦闘機「飛燕」の実機展示が神戸で開催されることを知り、社のHPをチェックしました。読む限り、よくある苦労話しが記述されてますが、要は決して飛ぶことのない修復・復元であることです。これでは「修復・復元」とは何を意味するのでしょうか?「飛燕」は、経済産業省が認定する「近代化産業遺産」ですが、クルマ含めてほとんどが動態保存では展示保存です。飛ばすにはおそらく今回投資した努力の何十倍か何百倍か必要と推測します。やはり歴史として伝えるには静的な見え方でなく、それは「修復・復元」を意味するものでなく、動的にしてこそ伝えねばならない文化・技術を後世に正しく継承できると強く発言したいと思います。飛ばなければ、1/1のプラモデルで十分ではないでしょうか?
例えば、上の写真のように、Planes of Fame Air Museum (ブレーンズ・オブ・フェイム:チノ航空博物館) では日本の零戦を何十年も前から個人のオーナーとサポートをする多くのボランティアで飛行状態にしてそれ維持する努力を続けております。クルマは走ってこそクルマ、飛行機は飛んでこそ飛行機です!「修復・復元」、軽々しい言葉使い、あまりにも情けない実情です。