クラシックカー・スポーツカー in 科学館 (第4回)


千葉県立現代産業科学館、クラシックカー・スポーツカー in 科学館 - 2015年3月15日
主催:千葉県立現代産業科学館
場所:千葉県市川市、千葉県立現代産業科学館 サイエンス広場


20150315 Chiba Genndai

 今年も千葉県立現代産業科学館の「クラシックカー・スポーツカー in 科学館」に参加しました。このイベントは縁あって第一回から参加させていただいております。何の特徴も無い、ただ一日、そこにクルマを置いておくだけというものでありますが、隣町の準地元ともいえる市川市の公共の場のイベントであり毎年楽しみにしておりました。

マンネリ感!

 このイベントの始まりは大義名分、戦略があったと感じております。当時の開催要項をみますと “自動車産業は、千葉県の基幹産業の一つである石油産業に大きく貢献してきた。特に高度成長期には産業の発展に大きな影響を与え、自動車社会は人々の生活を一新させた。そんななか、1970〜1980年には社会現象といえる「スーパーカーブーム」が巻き起こり、スポーツカーは奥の人々を魅了し自動車はいつしか「あこがれ・夢」の象徴となった。このような歴史や世相をつくりあげてきたクラシックカーやスポーツカーを展示し、広くけんけんに知らせることにより、もう一度石油産業や科学技術の歴史を知る機会とし、「クラシックカー・スポーツカー in 科学館」を開催する” (原文コピー)とあります。なるほど、これはこれで「官」の企画、ややこじつけも感じるものの一応、筋があります。

 しかし、最近は、“本年度におきましても「クラシックカー・スポーツカー in 科学館」を開催する運びとなりました。” と、今年も予算がついたから実施すると言いたげ、何の大義名分、戦略を感じるものはありません。まさによくある「官」の予算ありきの手法、すなわち「目的なしの手段&ハコモノギョウセイ」と感じるものです。これでは来場者の何だなのかわからず、何の啓蒙もすることなく、そこに少し旧いクルマは展示してあるだけでというものです。参加者にとっても主催側の仰々しいお言葉の下に何のためにわざわざこの場に1日を費やして参加するのかということです。

産業科学館の「クラシックカー・スポーツカー in 科学館」の意義?

 毎年のことでありますが科学館所有の “T型フォード 1919” のエンジン始動は、目玉であるようです。T型フォード自体は世界的にみれば多く残存 (公道を走行していることも意味する) しており、部品供給の安定しており、また整備のノウハウも膨大であり、多くはアマチュアのガレージで可能なものでありす。よって、維持することは困難なものではありませんし、市場価格も最近の最高価格でも2万7000米ドル (約300万円) 、平均では年々上昇しているものの1万3000米ドル (約150万円) と思いの外高くないようです (1919 Ford Model T auction sales and data) 。大衆車故をまさに証明するものです。維持については、ずっと新しい半世紀前の日野コンテッサのような国産車に比べものにならない程、容易なものと常々思っております。

 ここに一言、苦言を言わせていただくなば、何故、この場でおいて国産のクルマではないのかということです。当初の目的が “千葉県の産業” ですから、わざわざ外国のクルマをフィーチャーするよりは、千葉県にある歴史あるクルマ、“高度成長期には産業の発展に大きな貢献” をしたクルマ、そのようなクルマを大切にしていただきたいと思うものです。この場にはそのようなクルマが毎年多く参加しております。この場に来られてるクルマは博物館など展示目的ではなく、皆さん自走ですので正に走る生き証人です。そのようなクルマをオーナーともどもフィーチャーしてワークショップなど、日本の経済を担った実際に生きて活躍しているクルマたちに敬意を表するとともに、将来のために特に若い人 (幼少を含む) たちに啓蒙をするようなものが必要と感じております。年一回のイベントですからおそらく10年分くらいのネタはすぐに出来てしまうと考えます。

 以上、マンネリ化と大切な税の使い方を疑問を感じながら参加をしている個人の一言です。参加台数も減少しているようです。ぜひ、魅力的な独自なプログラムを創り、客寄せパンダではないまっとうなクルマ文化を情勢へと進展することを期待します。

(SE, 2015.5.31, Original)


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