1961年に登場のオールズモビルのビィックの215エンジンです (Oldsmobile V8 engine、Buick V8 engine) 。これは決して、初物ではなくその前に数十年に渡り2千万台以上生産のエンジンが元になっている新たな時代へのアルミ製 V8 3,500ccエンジンです。乾燥重量は150kgと超軽量を実現をしました。カトラス (Oldmobile Cutlass) などの大衆車向けでした。
コンテッサ1300のGRエンジンの初物の設計でしかも数年の寿命の数万台の後先をおおいに欠いた一発ものとは比較にならない経験で開発されてます。
米国ではその後の目立った発展はなかったようですが、英国のローバーで発展、最終的に5L越えのアルミエンジンになっています (Rover V8 Engine) 。またローバーエンジンをベースにしたモーガン、ジネッタ、MG、TVRなどを始め、キットカー市場のエンジンを席巻、今持って発展しています。新たな設計要素を盛り込んだブロック含めあらゆるものが複数のサプライヤーから適切な価格で入手可能です。
さらに、ブラバムによるRepco 3Lエンジンのブロックにも採用されました (Goole 画像検索:Repco V8) 。1966年と1967年のフォーミュラワンのワールドチャンピオンにもなっています。Cosworth DFVエンジンのブロックのベースにもなりました。
実はこのエンジン、四半世紀以上も前にデルダンディツーリングのトヨタVG10に換えて利用することを真剣に考えました。重量的には20kg程度増なのでラジエータなどはフロントにすれば何とかなるだろうと楽観的な考えです。結果的によくある誇大妄想の域を出ませんでした。でもそんなクルマが出来たら楽しいだろうとその気持ちは今も変わりません。
大衆車から発展、展開したエンジンでこれ以上の活躍は他にも少ない市場最高の設計&活用されていると考えます。登場前の歴史&経験の厚さ、裏付けを持っての設計の確かさ、そして自社のみならず多くの利用者への懐の深さがこの結果を得ていると分析します。
(続く)
【参照情報】
- The Rover V8 Engine, David Hardcastle (上の画像のローバーエンジンのバイブル)
- Rover V8 - the story of the engine Hardcover – July 15, 2017 (新時代のバイブルか?)
- RPi Engineering
- The Wedge Shop
- V8 Developments Rover V8 Specialists
- JRV8
- Turner Engineering
- Rover V8 Engine: 50th Birthday - The Haynes International Motor Museum
【シリーズ履歴】