1965年9月、待望の米国輸出に向けての計画が具体的に開始しました。それは、“レースはクルマを売る” の実戦でした。
第一回日本GP以来の日野コンテッサ&デルフォーミュラのメインドライバーであったらロバート・ダンハムの活動により、当時のシェルビーアメリカンのスペシャルプロジェクトディレクタでもあったピーター・ブロックを打診を開始しました。その結果として、日野の計画を具現化するために、日野自動車に招聘し、鈴鹿サーキットでの日野車の試走を進め、契約&契約の詰めが始まりました。
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以下は、試走用のコンテッサ1300クーペの個体の仕様です:
- 鈴鹿試走用車両:C/# PD300-10256 、エンジンNo. 100778
- 目的:シェルビーアメリカン、チーフデザイナー、ピーター・ブロック氏の来日に際し、鈴鹿サーキットにテストドライブを依頼。PD車の評価と今後のレース対策にする。そのために当該車両をレース向車両に改造。試乗後はレース向けの研究実験車両として使用、完了後は廃車。
- 実測データ:最大出力 65.6馬力@5,500rpm、最大トルク 9.00mkg@4,200rpm、アイドル 1,400rpm
(通常のライン車:55〜56馬力@5,000rpm、9.1mkg@3,800rpm) - キャブ 日立SU、標準車用、エアクリーナー付き
- イグニションタイミング BTDC 25度@1,400rpm
この鈴鹿サーキットはコンテッサ1300クーペの試走に加えて、当時の日野所有の競技車両であるGTPやフォーミュラカーの研究用に1964年に購入の英国のクーパー F-III なども試走していたようです。
【関連参考資料】
- 日野コンテッサの世界のモータースポーツ参戦記録 (PDF、ファイルサイズ:約11MB)
(SE, 2016.5.6, Original)
【注】本シリーズの内容は、本サイトの各ページ同様に当サイトオーナーの40年余りの情報収集
(当時の現場におられた当事者の聞き取り、関係者&ユーザーの意見、各種資料の収集&購入) 、
諸々も取材、そして実車を通してのインサイト (insight:洞察、見識) を整理したものです。