1963年春:コンテッサ900スプリント、伊スタイルオート誌、創刊号を飾る
50 Years Ago - Hino Contessa 900 Sprint, Style Auto, #1 Inverno Primavera 1963
日野自動車のコンテッサ900スプリントは、クルマ・デザインの最高峰のStyle Auto誌(イタリア&英語あり)の創刊号に特別に取り上げられました。ここで「特別」とするのは、この創刊号は、当地のカロッツェリア(デザイン&コーチビルダー:carrozzeria)13社(Allemano、Bertone、Ghia、Moretti、Vignaleなど)を取り上げたもので、カロッツェリアでないミケロッティ氏は唯一、スタイリストとして誌面を飾りました。当時、多くのカロッツェリアのデザインが氏に今日で言うアウトソーシングされていたことは紛れも無い事実であり、誌面に登場したことは氏の才能が如何に業界で認められていたかを証明するものと考えます。
氏のページでは、自身の作品に日野コンテッサ900スプリントを取り上げられていました。その中で、将来を予言するかの如く、三角窓が無い、十分なクラッシュパッド、リアスタイルの一部であるバックライトのデザインなど一部でありますが、「何故なのか」がそこに語られています(末尾に記載)。誠に貴重な資料であります。
Giovanni Michelotti, stilista e carrozziere
ミケロッティ氏は、コーチビルダーであるよりはスタイリストとして彼の作品は考慮されています。彼が組立てるクルマはほんの一部であり、それぞれは1車のみの制作で行われてました。しかし、彼の主な活動は、ストックカーメーカーとの厳密な協力であり、市場への発売前に、多くは二年ないし三年間前からクルマのスタイルに取りかかっています:それはスタイルが趣向の進化を通してどうなるかの真の提供を意味しています。
クルマのスタイルは、機能性からの必然 (functional exigencies) に依存するというのがミケロッティ氏の考え (opinion) ですが、空力要件に伴う曲線志向が結果として生じ、フロントの高さを低くし、"カットテール (コーダ・トランカを意味する) " を採用する傾向にあります。
当節は、すべてのフロントのライトについて、すなわちポジション・ライト、ヘッド・ライト、およびフォグ・ランプをワン・ユニットにまとめる傾向について、ゆっくりながら、徐々に進化しているのに反して、バックライトのデザインについて、クルマ全体のバランス調和が常にとれない一般的に量産車で使用されている共通タイプを使うことをビルダーに求め、公認不可ともなり得る新しい形状の ”特別製” への難しさがイタリアでは見られます。ミケロッティ氏は、それが可能な限り最高の視認性と快適さを提供するために不可欠であり、安全性の必然は、設計の非常に早いの段階から考慮しなければならないと述べています。この思考の典型的な例が、日野の弾性ダッシュボードです。
実用面の根拠として、エアインテークに置き換えることで、サイドの三角窓を廃止していることです。それはミケロッティ氏の信念であり、ついで、そのデザインは、以下の基本的な役割を担っています:スタイルを簡素化することは、生産コストの削減を達成することを意味しています。新たな可能性として、合成透明樹脂のトップ処理、力強さを映し出すためにもなる特殊な塗料、さらに熱の放射などの対応となります。プラスチック繊維で作られたボデーは、まだ多くの技術的問題を解決していないし、その使用は、小さなシリーズのみで行ったクルマに限定されています。
(以上、写真共にStyleAuto誌創刊号より、 抄訳:江澤)
参考文献:
- Style Auto, #1 Inverno Primavera 1963
(SE, 2013.8.4, Original)
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