当サイトオーナーがもう何10年も利用している DZUS Fasterner (ドゥーズ・ファスナー) 、発明者のWilliam Dzus氏の姓をとったもので、1930年代から続く氏の社は、DFCI Solutions Inc.として今でも健在でである (A Brief History of the Company)。
航空機のカウルなどのロック機能として知られているが、様々なドアとかパネルのロックに使われているようである。また、古くからレーシングカーのカウルやパネルにも応用されており、コイン (あるいは専用ツール) で簡単にロック&アンロックできる便利さがある。1970年代、米国西海岸のサーキットで、パドックに入ったレーシングカーのカウルやカバーをメカニックがポケットから取り出した25セントコインで外す姿は実に格好よく憧れに近いものを感じたものである。
当サイトオーナーは何十年も利用させていただき、例えば、、右上のようなサーキットなどの使用に便利は作業台兼収納庫も4つのDZUSファスナーだけで固定している。
構造的には上下のパネル、サイドのパネル、そしてDZUSファスナーで固定するメインのパネルと簡単な構造である (右写真参照)。これらはバラしてちょうどコンテッサのフロントシート後ろのリアのスぺースに収まるようにしている。普段はバラして壁に吊るしておき、そのままにクルマにしまい込み、現地で組み立て、メインパネルの4角のDZUSファスナーをロックするだけで、かなり強固な作業台が数十秒で出来上がる。
そのDZUSファスナーは右の写真のようにパネルと取り付けている。
80年代後半に製作してもので、サビの出ているのは仕方ない。しかし、現役として使う分には十分である。
当サイトオーナーの現車のミッションへのアクセスを容易にするボデーのバックパネルのカバーに使用されている (右写真参照) 。
このように便利なDZUSファスナーであり、欧米では日常的に様々な分野に利用されている。ただ、日本の旧車の社会ではこのようなファスナーがあることが知られてないようである。その理由の一つは、旧車のメディアの中でも紹介されてるようには見えないこともあろう。これは仕方ないことでもある。メディアに期待しても仕方ない。必要なものは誰もあてにできない、自分で探すしかないのである。
若干ではあるが朗報はものたろうの通販サイトにT型サインファスナーと呼ばれるものが最近販売されるようになった。そこのサイトの関連の部品をチェックすれば結構使い道があるものを入手できそうだ。
真剣に探すならば、海外になるが一つ便利な販売先は、航空機部品販売のAirocraft Spruce社であり、「FASTENER」で検索をかければ実に多くのきめ細かい種類のファスナーを見つけ出すことができる。レーシングカーが細部に利用しているファスナーのすべてをここにみることが出来る。見ているだけでも実に楽しい。さらに「FASTENER DZUS」と絞り込むことができる。使用するパネルの厚さもおよそ0.25ミリ単位で選択できる。むしろ正確なデータを持たないと選択が難しい。航空機部品やレーシングカーの部品はそのようなものである。
詳細な機能や取り付けは、本サイトの「参考文献の紹介」の中のCaroll Smith's NUTS, BOLTS, FASTERS and PLUMBING HandbookやHIGH PERFORMANCE HARDWARE - FASTENER TECHNOLOGY FOR AUTO RACES AND ENTHUSIASTSに詳しい。また、google検索の「dzus fastener installation」の画像の中も役に立つだろう。
(Original SE, 2015.10.17)
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