一見、外見はきれいにみえる旧車(コンテッサ)も見えない部分には注意が必要です。その見えない部分、普段中々分からない部分ではありますがそんなところにこそ気を配りたいものです。クルマは1/1のプラモデルではありません。ちゃんと軽快っ且つ気持ちよく走ってこそ本当に美しいクルマであり、しかも命がかかっているのです。
デュオサーボ・ブレーキのドラムの腐食
コンテッサ1300のセダン(あるいは1300S)の標準車にはデュオサーボ・ブレーキ(DuoServo Brake) が使用されています。サーボと名のつくように所謂、自己倍力作用を持ち、非常に軽い踏力で大きなブレーキ力を発生させるものです。しかし、システムをちょっと狂わせると機構上ととんでもないことが起きてしまうようです。右の写真にあるのはそのドラムの中の腐食です。この何でもないような腐食、すなわちキズのところにブレーキ・シューのダストがたまり、それがブレーキ・シューにかかる力を増し、結果的に大きなサーボを発生させてしまい、すなわちより大きなブレーキの力となってしまいます。
そこで何が起こるかというと、左右のブレーキの力の大きな違い、許容しがたい片効きとなります。なぜ、これは解ったといいますと、奇麗にダストを掃除して組付けてテストすると問題なし、しかし、短時間の走行後、明らかに片効きが発生し、その度合いが徐々に大きくなり、再度、掃除をすれば消えてしまうことです。
教則本(BRAKE HANDBOOK by Fred Puhn HP Books (1985))にあるように、路上ではみごと一瞬にしてとなりの車線に飛ばされるようなものです。しかし、静的な検査である車検では左右バランスは異なるものの基準の範囲でパスしてしまうようです。もちろん、このキズは専門工場で研磨・修正し、オーケーとなりました。当然、その際にシューも張り替えました。長年、大事にしまっておいたコンテツは腐食を呼ぶグリコール系ブレーキオイルの漏れなど注意が必要です。
(SE, 2013.6.23)
(加筆, 2014.1.20)
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