それは今から10数年前の出来事です。エンジンを組み直し、早朝の首都高を周回し、2〜3,000回転で200kmほど走行し、初回のオイル交換を行いました。その次の週末、3.000回転超えの1,000km走行完遂を目標に女房と共に松本経由で日本海に出向きました。長野県小谷村で一泊し、糸魚川方面を散策し、帰路は長野市経由で上信越自動車道で東京方面へと “考え” ました。
長野ICを入り、快調に10数キロ走行、後ろから “ドン” と大きな音と衝撃がありました。これはエンジンをやったと直感し、すぐさま、停車し、三角標自慢を立て、発煙筒に火をいれました。エンジンルームを見ましたが何事のなかったような何のダメージも見えません。しかし、エンジンを回すも始動しません。ロッカーカバーを開けると、バルブが全く作動してないことが判明、これはカムかその駆動系あたりの損傷と判断、再走行は不可と判断しました。
非常電話はすぐそばにあり、早速、故障を連絡、しかし、そこで気がついたの、目の前の看板が「信州中野」の出口を示していました。と、言うことが東京に向かわず、上越方向ととんでもないミスに気がついたということです。これはこれで、本来の東京に向かっていたら、おそらくトンネルの中でこのトラブルを起こしていたと思うと背筋が冷たくなりました。正にありがたいミスでした。
JAFの牽引後、信州中野の料金所の事務所にとりあえずコンテツを置いてもらい、東京からのローダーを待つことにしました。4〜5時間を経て、ローダーにコンテツを乗せ、深夜に松戸の自宅に無地、到着しました。
翌週末、エンジンを開けて、直接の原因がすぐさま判明しました。下の写真にあるようなタイミングギアの破壊でありました。また、2番のインテークバルブはピストンにあたりねじ曲がっておりました。
では何故、このようなことが発生したのでしょうか?
当初の首都高の慣らし運転のころから気になっていたのが「チリチリ」と言うかすかな音でした。これは結果的にバルブとピストンヘッドは接触していた音だったということです。それを無視して、7〜800km走行後、高速道路に於いて、高回転でのさらなる接触で各部に負担が掛かり、それを最終的に強度が最も弱いタイミングギアが悲鳴をあげ、その結果として破壊した、と分析しました。
さらに何故、バルブとピストンヘッドが接触したのか、これは組む際にクリアランスをちゃっと取らなかったのです。若干のクリアランスを取るために逃げの加工はしましたがそれがあまりに不足だったのです。「逃げ」を入れたので、「チリチリ」に対してバルブとピストンヘッドの接触の疑いを軽く見ていたようです。しかし、ある程度の高速運転の回転ではいとも簡単にこうなってしまうと明らかな結果でありました。大きな反省でありました。
このエンジンに使用したシリンダーヘッドは1970年代からあれやこれやといじくって来たものです。今回のモデファイに際して、面研や燃焼室のアルゴン溶接に出した内燃機屋には、「ペナペナだよ」と言うれたもので、しかし、往路での白馬の栂池への登り坂で感じたトルク感は未だ忘れることができません。このエンジンはお釈迦になりましたが、その後、数機のエンジン組み立てにはその際の経験が大きく活かされています。素人ですが、何時も経験、経験です。
(SE, 2015.10.10)
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