2015年の年が明けた1月半ばの日曜日の午後、とあるコンテッサ1300のオーナーから携帯に何度か留守電が入っていました。早速,SOSに連絡を入れると、スタータの電流がエンジンを掛けると80A (すなわち負荷時) 、外して回すと30A (すなわち無負荷時) 、本当は何アンペアなのかと唐突であり何を言いたいのか況状がまったくつかめませんでした。
すぐに傍らにおられる整備をされている方が代わって電話に出ました。状況はエンジンの始動が弱いのでスペアのコンテッサのスタータを入れてみたものの状況が変わらないとのです。スタータを裸で回すと普通に勢いよく回転すると、では無負荷で何アンペア、またエンジンに取付けた際には何アンペアかと「本格的」そうな突然な問合せだったのです。
単純にスペックでは「200アンペア」以上と答えたものの、ピンときた「イグニションのタイミング」は何度にしているかをお聞きしました。「今、スタータを外した状態なので解らない」と、とにもかくにも、コンテッサの面倒くさいスタータを外したり、スペアカーのを外して、取付けるなどなど難儀な作業をしていることが会話を通して目に浮かんで参りました。
「それであるならば元のスタータを取付、取り敢えず、上死点前15度程度になっているかをまず確認してほしい」と、整備をしてる方はそうしてみるということで、その結果を知らせてくれと一応電話は切りました。
そしてその日の夜に整備をしている方から電話がありました。「点火タイミングは上死点前30度、いやそれ以上35度以上だった」と、それを取り敢えず上死点前15度程度にしたら、普通にエンジンがかかるようになったと述べていました。そう一般的なSUキャブ仕様であるそのコンテッサ1300は、「とんでもない点火タイミング」であったのです。
このコンテッサ1300は昨年の夏前にもエンジンの掛かりが悪いと、またバッテリーが悪いとか、オルタネータがダメなのか電装屋にもって行ったが何ともないと言われたと会話があったのを思い出しまた。実はその前にイグニションシステムをポイント式からポイントレスに変更をしたことをお聞きしたこたを思い出しました。おそらくその時のタイミングの調整ではないかを推測するものです。すなわち死点前16〜18度のものをレースなどのソレックスチューンなどのような考えでしょうか、コンテッサに熟知してない (と言っても、一般的な設定ですが) 整備の方が30度超えに設定していたのではと大いに推測するものです。
この結果、暖かい夏の時期は掛かり具合がスタータに負担を掛かるように重くとも一旦掛かってしまえば再始動はそんなに面倒な状態ではないと、しかし、秋も過ぎ冬になると然しものGR100エンジンも本質的な原因で正直に最後の悲鳴をあげる結果となったと分析します。
タイミングを早めると、ある意味ではエンジンのレスポンスなどが良くなる (これも実際は好き嫌いがあり、レースカーなら良いが。。。) のですが、始動は困難な場合が多く発生します。それは点火が早いためにクランキングでスタータに大きな負担となるためです。グアグアとバッテリーがあがったような、あるいはそれすらもなく、スタータはオンするものの回らないとあたかもスタータが死んだのかと錯覚するような状態になります。コンテッサがすでのSOSを出しており、それに輪をかけるようにオーナーのSOSの電話と、正にこれが今回の現象・分析・結果であります。
コンテッサ1300の点火タイミングやSUキャブの始動の問題は以下を参照いただければ幸いです:
以上、とある日曜日の午後の騒動の顛末であります。しかし、結果オーライで一安心をしております。
実はこれと類似した状況が昨年の夏前に別なコンテッサ1300であったのではと思い出すことがあります。それは上記のコンテッサと同様に、ポイントレスにしたコンテッサが翌朝、始動がままならず、スタータを外し、オーバーホールに出したとか、何とも言えませんが同じようにタイミングの問題ではないかと、今となっては推測するものです。そのコンテッサはその後、オルタネータを強化し、さらにアーシングをしたとか、、、、本質の問題を追究することなく、結果的にプレシーボ効果にも似たようなことではなかったでしょうか!
(SE, 2015.3.14)
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