ディストリビュータの径 - 歴史は偉大


 ディストリビュータと言う言葉自身は最近では私語とは言いませんがモダンカーにはすでにエンジンルームから消え去るというモノになりつつあります。当然ですが日野コンテッサ1300にもついており、製造サプライヤーは,当時の日本電装 (デンソー) 製のものです。技術的にはボッシュのものを発展する事無くコピーというものです (デンソーは「技術提携」と称している部分と理解、しかし、当サイトオーナーは「技術移転・導入」と視る) 。表題に “ディストリビュータの径” としたのボデーの径であるとともにキャップの大きさとなる訳です。

 2009年ころ、その当時、挨拶代わりにと車検を目指したセダン・デラックスの機能向上にCDI (キャパシター・ディスチャージド・イグニッション - Capacitor discharge ignition) を装着を進めました。その際に数多くの選択肢から選んだのが機能とコストおよび販売台数、ネットのディスカッションルームなどにすぐれた米車ストリートカー御用達のMSDのStreet Fire CD Ignitionでありました。日本での販売店 (レース関係?) から購入した訳ですが、その際の会話が、この表題の “ディストリビュータの径” でありました。以前、トヨタ系の系の小さいキャップを持つディストリビュータに使用した際にリークを起こすと言う問題を発生したとのことで、親切にもコンテッサに使うことにコメントをいただきました。一応、それを納得した上で購入し、結果については連絡しましょうとしました。

 その後、Street Fire CDIは、問題なく動作し、セダンには少し酷なサーキットでの走行会山登りとか長距離ドライブと何不自由無く、絶好調でした。そのセダンは5000kmぐらい走った2013年2月、めでたく、若い方のもとに嫁入りしました。トラブルはそれから半年くらい経った時です。山登りなどの負荷を掛けた走行の際に、息付きを起こすようで、時間を見て、現場確認のために様子を伺いに行きました。その様な症状が発生する状況のドライブをしていただきました。確かに出て、キャブの症状ではないとこれは経験上、電気系と感じるもので、一つ一つ、診断をし,テストをし、そして最終的にStreet Fire CDIからオリジナルのコンタクポイントにしたら、嘘のようにコンテッサは雄叫びをあげて闊達に山登りをするようになりました。Street Fire CDIを外したこのコンテッサは、その後、このような問題無く走っているようです。

 上記のCDIの問題は、手元にクルマがないので、その原因を完全に探ることは出来ません。例えば、Street Fure CDIとイグニションコイル (一般のもの,旧いものでなく,新品購入) の相性、あるいは懸案のリークなのか、等などです。ただ、2009年当初では問題なかったものが経験変化で出たものだろうかなど色々考えてみました。あるとすればディスビューキャップの劣化などとです。

How the Ignition System WorksModerator 3

 上記の解決を見ないモヤモヤ、あるいはダイレクト点火の試行錯誤の中でぶち当たったのが「How the Ignition System WorksModerator: david58 (http://www.shoptalkforums.com/viewtopic.php?t=117316) 」のディスカッションルームでした。

 そこにはコンテッサ1300と同じ径をもつあるいは日本デンソーのルーツである空冷ビートルのボッシュ009ディストリビュータのキャップの問題が見事に書かれていました。

 それはストックのサイズのディスビューの限界は、28,000ボルト、すなわちそれ以上は失火のリスクを十分もっていると推測します。これはCDIや高性能コイルなどで高電圧にしても無駄であるということです。そしてそれを解決するための部品、例えば、Mallory製のディスビュー・システムが性能に応じて販売されていると言う事でした。なるほどというものです。Mallory製のストックは、32,500ボルト、さらにMallory Comp 9000という巨大なシステムは、59,000ボルトの仕様だそうです。

 当然と言えば当然の話しでもあります。以下の、そのサイトに掲載されている写真を参考までに示します: 

How the Ignition System WorksModerator_1How the Ignition System WorksModerator+2

 左から、ストックのボッシュ009ディストリビュータのキャップ (限界、32,500ボルト) 、中央がMallory Comp 9000 (59,000ボルト仕様) 、右がMallory製のストック (32,500ボルト仕様) とのことです。ちなみにMallory Comp 9000についてはのイメージはこちらを参照ください (Mallory Comp 9000 - Googlel検索) 。

 上記のセダンが単にキャップの問題だけだっかとは判断のしようがありませんが、Street Fire CDIの購入先もキャップの問題を指摘されていたこともあり、可能性と言う面でコンテッサのルーツであるボッシュ009のキャップの議論を興味深く勉強させていただいております。要はストックのキャップ、すなわち設計はそれなりに高電圧に対する限界があるということです。通常の電圧は15,000ボルトとか20,000ボルトなんでしょうから32,500ボルトであれば十分なものです。しかし、何時の時代も同じですが、もっと、もっと、使う我々などユーザーも、これでもかと言う売り手側もやる訳であり、「How the Ignition System WorksModerator: david58」のように我々も賢くなるなければと感じております。因に、ボッシュ009サイズのディストリビュータは、コンテッサ同様にデンソー製を持つトヨタのパブリカ/S800、コロナ、カローラ、カリーナ/セリカ、ホンダS600/800、ダイハツ系。その他メーカーに多く散見します。

 CDIや強力な高性能コイルなどの使用には、その仕様をよく理解し、ディスビューのシステム全体のバランスを考えねば折角の投資も無駄になるので、是非とも基本/セオリーを勉強すべきと考えます。因に当オーナーサイトの現車 (1967年米国セダンレース使用車) は、米国でのチューンアップ/改造で以下のようなものが施されていました。

Mallory_Contessa_1Mallory_Contessa_2Mallory_Contessa_3

 1966年 (昭和41年) の時代からすでに米国ではちゃんと大きなMallory製のディスビューをコンテッサに取付けていたということです!それはおよそ50年近くも前のことです!偉大なる歴史に感服であります。目下、現車にトライしているダイレクト点火 (“Wasted spark” イグニション、所謂、同時点火) もこの様な過去の歴史・積み重ねをもって、今だ、悩み、考えぬいて実践しております。

(Original SE, 2015.2.14)

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