このシリーズでは、世界に広まった大衆車のエンジンをベースに高性能にも片鱗した素晴らしいものを取り上げてきました。
ここでは決してそうではないものの基本設計が良く1,300ccから2,000ccまで基本的に同じブロックで60馬力弱から倍以上の130馬力へと、さらに競技用は実に180馬力を排出したエンジンを取り上げました。また市場では1963年 (ベレットやワスプ) から1981年 (117) と長きに渡って数多くのモデル、しかも一般大衆乗用車、商用車、そしてスポーツカーにと大活躍をしました。
それはいすゞのG150の1,500ccエンジンとその発展系です (いすゞのエンジン型式) 。基本的に1,300ccから1,800ccまでボアプッチは同じでボア径でさまざまな排気量に対処、1,800ccは同じボアピッチですが若干スロトークを伸ばしました。当初はOHVでスタート、後にOHCへと、そしてスポーツカーにはツインカムのヘッドを乗せました。
これらの起源は1960年代初頭前後の設計にあったのです。そこでの技術者の発想、エンジニアリングの決定が、どのような経緯があったのか大いに興味あるものです。しかも、その基本設計が後のエンジンの発展に (会社を潰すことにもなるだろう) 大きな設備投資をせずにできる設計がいすゞ社としてあったことに大いに感銘を受けるものです。
このエンジンはさらに発展し、ピアッツァやジェミニにと応用されたようです。G系エンジンの累計の生産台数は。初代のジェミニだけでも76,537台とあり、おそらく全体では百万台に達しているのではと推測します。日野コンテッサ1300のGR100エンジンとは比較にならない20倍近くとなります。
現行のベレットのオーナーもそれら進展の恩恵あるもので、旧い個体でも新しい技術を持った部品などの応用など、さらに強者は2,200ccという大排気量をも享受されておるようです。
【参考文献】
- カーグラフィック、1971年3月号、Gの主題によりバリエーション、58HPから180へ、いすゞG系エンジンの展開
【シリーズ履歴】