ヘッド周り - オイルフィラー&カバー


オイルフィラークキャップ下面に穴あけをし通気口を設ける&シリンダーヘッドカバー内部にバッフル・プレートと増設

Oil Filler Cap Head Cover Buffule copy

 コンテッサ1300のエンジンは結構ロッカーチャンバー内およびブロック下部 (クランクケース) からの排圧でシリンダーヘッドカバーの内部に汚れる。エンジンの状態が悪くなったものにはスラッジが溜まるようになる。おそらくそのような問題があったためであろう。ただ、オイルフィラーキャップに穴けると、ロッカーアームの部分に飛び散るオイルがそのまま、出てくるのでバッフル・プレートを設けたと分析する。

 下記の車台番号に適用されている:

  • PD100-536528 (3M) 以降
  • PD100-536615 (4M) 以降
  • PD100-536585 (S) 以降
  • PD300-102542以降

オイルイフィラーキャップの通気口の廃止他

Oil Filler Cap CAP

 上記の通気口新設をしてほどなくその通気口を塞ぐ結果となった。クーペの生産台数にしておよそ200台あまりの後だった。

 迫り来る世界的な排ガス規制はコンテッサ1300も例外ではなかった。ブローバイガス還元装置のための改造が始まり、手始めにその対策の準備で、暫定的に図のようなものが装着された。それらは:

  • オイルフィラーキャップの通気口を廃止
  • ヘッドカバーの上部にブローバイガス還元装置のために穴が設けられ、とりあえずメクラ蓋 (プラグ) とした。
  • キャブレターのインレット側に、同様にブローバイガス還元装置のために穴が設けられ、とりあえずメクラ蓋 (プラグ) とした。
  • オイルレベルゲージのステックをシールドタイプにした。

 これらは下記の車台番号に適用されている:

  • PD100-539918 以降
  • PD100S-539264 以降
  • PD300-102773以降

 これらは環境対策と言え、本来、現代のエンジンのようなそのような課題が盛り込められてないGR100エンジンにとっては厳しいものなったと推測する。まして、実際にローバイガス還元装置が装着されたらさらに厳しいものでなっただろうが、幸か不幸かコンテッサ1300はそのような規制に逢うことなく市場から撤退してしまった。

現物検証をする!

 以下に現物・現状を見るために各種のフィラーキャップやヘッドカバーを紹介する。フィラーキャップの取り付け角度に注意、当初のもの (左側) は傾斜しているエンジンに対して垂直方向、右のものはエンジン傾斜の角度のままである。使用過程品そのままでカバーの裏側は結構スラッジで汚れいる。

Oil_Filler_Cap_01Oil_Filler_Cap_02Oil_Filler_Cap_03Oil_Filler_Cap_04Oil_Filler_Cap_05Oil_Filler_Cap_06Oil_Filler_Cap_07Oil_Filler_Cap_08

 本来のヘッドカバーの裏側は以下のようにスラッジなどは発生してない。オイル管理がちゃんとしておれば結構このままの状態を保てる。

Oil Filler Cap 11


その他諸々の参考例

 環境規制のために準備したブローバイガス還元装置の穴は、残念ながら活躍することなく市場撤退となったコンテッサ1300だった。しかし、その穴はオイルキャッチタンクへのブローバイガスの排出、あるいは転倒時の安全対策への機能として役立っている。

20150814 Oil Catch Line

 

 参考までに以下は米国のレーシングチームが開発したものである。排気用にV8エンジンなんかでよく見るベンチレータ (Offenhauser Breathers) が装着されている。

Oil_Filler_Cap_21Oil_Filler_Cap_22Oil_Filler_Cap_23Oil_Filler_Cap_24

 因みに日野コンテッサ1300の発展系エンジンを搭載した一年限定10,000台生産のトヨタブリスカ (1967年4月発売) には最終形状に近い穴が閉じられたものが装着されている。日野コンテッサにあった「Hino」のロゴはなくなった。ただ、少々マニアックなことかも知れないがオーナーズマニュアルの写真は「Hino」が入っていた。仔細なことでどうでもいいことだ。以下は貴重な現存するトヨタブリスカのものだ。

Toyota Briska Head Cover 1


(SE, Original 2015.8.13)


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